ライフ サイエンス ●環境 首都圏北部4大学研究室紹介 特徴と強み 今後の展開 生態系に関する地域の課題をリモートセン 地域と連携した生態系の評価・予測手法の 地域生態工学研究室 シング・GISで地図上に可視化 研究開発の推進 URL:http://env.mine.utsunomiya-u.ac.jp/lab/ecology/ ■研究テーマ ■キーワード リモートセンシング、GIS、生態系、生物多様性、鳥獣害対策 ■産業界の相談に対応できる技術分野 ■主な設備 リモートセンシング、 GIS、 GPS関係設備 高橋俊守 准教授 現在最も力を入れていることは、 里山から受ける生態 ングやGISを用いることで、 地域の課題を地図にして視 系の恵み (生態系サービス) と人間の福利の関係を持続 覚的に把握することができます。 課題を地図上に示す 可能にするための生態系の総合的な評価・予測に関す ことによって、 地域の住民や行政、 NGO/NPO等の当事 る研究です。 この研究は、 国連ミレニアム生態系評価の 者間の理解が促進され、 合意を得やすくなる効果があ 枠組みで行われている、 「日本における里山里海サブ・ ることが指摘されています。 これらの特徴に着目し、農 グローバル評価」 の一環として実施されています。 東日 業の効率化、 生物多様性の保全、 鳥獣害の防止、 自治 本随一の清流と言われる那珂川流域の里山を対象とし 体等による環境計画、 地域活性化計画の立案等の地 て、 現地観測とリモートセンシングやGISを用いた分析に 域の様々な場面において適用することが可能です。 ま より、 評価・予測モデルの開発を行っています。 た、 企業の環境対策やCSR活動をアピールするための より具体的には、里山の持つ生物多様性の保持機 基盤としても利用することも考えられるでしょう。 能、 鳥獣害リスクの予測モデル、 森林の木質資源を用い これまでに当研究室で作成した図面類の研究成果 た低炭素社会への貢献可能性、 地域環境資源の分布 は、 都市計画、 河川計画、 地域活性化計画、 土砂災害 状況の把握や活性化対策等を、 地域の自治体や住民 農業・環境リモートセンシングによる生態系 の生態系を効率的に観測することができます。 防止、 生物多様性保全、 鳥獣害防止等の分野で活用 と連携しながら行っています。 一連の研究成果は、 地域 リモートセンシングによる観測データを分析すること されています。 これらの研究成果は、 土木学会、 造園学 の小中学校で使用することができる里山教科書として ◆ で、 農作物の病虫害による被害状況、 植生の地上部バ 会、 環境情報科学誌等の国内誌や国際誌に掲載され 取りまとめる他、 2010年に日本で開催される生物多様 地域生態工学研究室では、 地域の生態系が抱える イオマス量の把握、 耕作放棄地の分布、 森林植生の分 ています。 性条約締約国会議にて公表する予定です。 様々な課題に取り組み、 リモートセンシングや地理情報 類等に応用することが可能になります。 取得したデータ システム(GIS)を用いた観測と評価・予測モデルの研 とGISを用いて整備した空間データをあわせて、 さらに、 究開発を行っています。 これまでに、 河道内に分布する より高度な評価・予測モデルを開発することもあります。 の観測と評価・予測モデルの構築 火に伴う植生被害状況の調査等を実施しました。 近年 では、都市と里山をフィールドとして、 カラスやイノシシ ᳔⏍ን㐼ࣂࢰ࣭ࣤ $ % & ' ( ) 㐠㊨ Ềᇡ フロンティア 外来植物の分布やバイオマス量の推定、三宅島の噴 社会基盤 あります。 リモートセンシングを用いることによって、 地域 製造︵ものづくり︶ 技術 研究概要 エネルギー 連 絡 先 宇都宮大学農学部 髙橋俊守 TEL:028-649-5486 FAX:028-649-5484 e-mail:[email protected] リモートセンシ 生態系の観測・評価・予測において、 ナノテクノロジー・ 材料 農業・環境リモートセンシング、環境アセスメント、地域環境資源調査、鳥獣害リスク評価予測 ◆◆◆ 環 境 ●空間情報工学による地域生態系の観測手法開発 ●生態系を保全するための評価・予測モデルの開発 ◆◆ 情報通信 宇都宮大学農学部 による鳥獣害のリスク評価、 猛禽類のサシバやゲンジボ 茨城大学 タル、 トンボ類等の里山に生息する貴重な野生生物の 分布特性調査を行っています。 リモートセンシングは、 対象物の特性を離れたところ 宇都宮大学 から観測する技術の総称です。 観測に用いるセンサー には、身近なデジタルカメラから、 スペクトルメーターま 研究室に配備されたGISコンピュータシステム 群馬大学 で、 様々な種類があります。 一方でセンサーを搭載する 場所をプラットフォームと言いますが、 こちらも地上の三 脚から気球、 セスナ機、宇宙空間のスペースシャトル、 地域を活性化させるために力を入れたらよいと思うこと (住民アン ケート結果の例) 埼玉大学 衛星に至るまで様々です。 一般的にリモートセンシング 12シーンの衛星画像を解析して得られた三宅島2000年噴火後 の植生変遷状況図(土砂災害防止等に活用できる) には、 広い範囲を同時に、 繰り返して観測できる利点が 69 4u Vol.2 4u Vol.2 70
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