園芸学研究室 - 宇都宮大学 地域共生研究開発センター

首都圏北部4大学研究室紹介
宇都宮大学農学部
ス鉢物においても有効性が示されており、他
イルス病などの研究に取り組んでいます。
の鉢物にも応用できる可能性があります。
②ハナモモの早期開花と生物季節に関する
URL:http://agri.mine.utsunomiya-u.ac.jp/hpj/deptj/plaj/Labo/Horticulture.html
■研究テーマ
■キーワード
園芸作物、植物生理、生態
植物栽培技術、
ポストハーベスト技術
八巻良和 教授
山根健治 准教授
本研究室では40品種以上のハナモモを栽
GCを用いたガス成分分析やHPLCを用い
培し、早期開花技術の開発や低温要求量な
た糖分析などを行っています。
植物生産学講
ど生物季節についての研究を行っています。
座の作物栽培学研究室や土壌学研究室と
モモなど落葉樹を栄養
(クローン)
繁殖ではな
連携し、光合成の測定や炭素/窒素比の分
く、
種子繁殖することにより、
長寿命で、
ウイル
析なども行うことができます。
また、
バイサイエ
ス病を保持しない、
多様性に富む苗を生産す
ンス教育研究センターの環境調節実験棟や
ることを提案しています。
しかし、
「桃栗3年柿8
人工気象室などで栽培実験ができます。
ナノテクノロジー・
材料
■産業界の相談に対応できる技術分野
◆◆
環 境
●園芸作物の品質保持に関する研究
●樹木の早期開花に関する研究
●コンパニオンプランツ、
果樹の省力栽培、
樹木菜
特徴と強み
研究 情報通信
園芸学研究室
ライフ
サイエンス
●ライフサイエンス
年」
といわれるように樹木の実生苗は種子が
■主な設備
GC、HPLC、PCR装置、
クロロフィル蛍光装置、色差計、土壌水分センサー
発芽してから開花までに長期間を要します。
そのため、
各種樹木の1年生実生に様々な処
エネルギー
連 絡 先
生物生産科学科植物生産学講座 八巻良和 TEL:028-649-5415 FAX:028-649-5401 e-mail:yamaki@cc.utsunomiya-u.ac.jp
山根健治 TEL:028-649-5417 FAX:028-649-5401 e-mail:yamane@cc.utsunomiya-u.ac.jp
理を行い、
播種後1年以内に花芽を着けさせ、
花木苗木の早期検定や樹木の育種期間の短
縮に資することを目指しています。
いて検討しています。
キリンアグリバイオ社の
植物の特性と利用目的に応じた応用技術の
カーネーション鉢物を供試し、
Floralife社より
開発 ∼発芽・開花の制御からポストハーベ
提供いただい
スト技術まで∼
た1-MCP EthylBlocをエチレン阻害剤として
図3 GCとHPLC等の装置
使用しています。
写真のように、
室内において1週間後の品質
人材育成を目指し、果樹、
野菜および花につ
は対照区に比べて、
MA包装区とMCP処理区
いての生理・生態的特性や利用についての研
で改善されました。
今後の展開
◆◆◆
現在、北は秋田県果樹試験場、福島県果
樹試験場、南は和歌山県紀の川市(旧桃山
究に取り組んでいます。特に、園芸作物の栽
町)
、
大分農業文化公園などに試験用モモ品
培の基本から利用までアプローチできる研究
図2 ハナモモの早期開花技術
活動を目標としており、
現場での多様な課題
わい化剤処理や断根処理などのストレス処
に対応することをモットーとしています。
様々な切り花や鉢花の老化抑制、品質保
6%に高まったことから、
MA包装とMCP処理に
のネックとなっている消費者での品質低下を
より、
エチレン生成酵素の発現が遅れ、
エチレ
改善するため、
ポリエチレンフィルムで2日間
ンの上昇を遅延し、老化してしおれた小花の
包装する処理(MA包装)
とエチレン阻害剤
数を減らすことにより品質が改善されたと推
1-MCPの組み合わせ処理の有効性などにつ
察されます。
本技術はミヨシ社のインパチェン
を目指し、地域の民間企業の方々とより一層
の70節前後のまだ生殖相への過渡期にあった
提携しつつ、研究を進めたいと考えています。
節にも花芽を誘導しました。
このような技術に
より、実生繁殖による様々な樹木を庭園や街
路樹の花木として利用できれば、
従来の画一
的なクローン繁殖に比べて生物多様性に富ん
だ都市環境作りを提案できると考えています。
その他、
コンパニオンプランツ、
果樹の省力
埼玉大学
MA包装により鉢物周囲のCO2濃度は5∼
鉢花の品質についての研究では、
消費拡大
検討する予定です。
バイオクラスターの形成
ます。
モモ
‘矢口’
の場合、
発芽後6∼7か月後
群馬大学
扱っています。
などの生物季節と気象条件の関係について
理により、
早期に花芽を着生させることができ
宇都宮大学
スチルベ、
ヒマワリ、
カトレア、
ユーストマなどを
図1 MA包装と1-MCP処理によるカーネーション鉢花の品質
保持効果
種を提供しており、
ハナモモ品種群の開花期
茨城大学
①花の品質制御に関する研究
持について研究しています。
カーネーション、
ア
フロンティア
当園芸学研究室では園芸関連産業を担う
社会基盤
◆
製造
︵ものづくり︶
技術
研究概要
栽培、樹木菜の利用、洋ランの生理障害とウ
図4 ハナモモの花
9
4u Vol.3
4u Vol.3
10