スポーツライフスタイル・マネジメント系 平成18年度の研究内容とその

スポーツライフスタイル・マネジメント系
やま
氏 名
ざき
とし
お
山 ] 利 夫(准教授)
専門分野
主な研究テーマ
スポーツ施設のエリアマーケティング、中高年の健康づ
くりプログラム開発とその効果測定
平成18年度の研究内容とその成果
のM市に位置するスイミングスクールを取
地理情報システム(GIS)を利用したス
り上げました。ここは会員の送迎バス2台
ポーツ施設のためのエリアマーケティング
を3ルートで運行しています。競合が激し
支援システムの開発を平成11年度から継続
いので効率的なバスルートの開拓と運行が
して主要研究テーマとしています。平成18
会員確保に大きく影響しています。このス
年度は2つの研究を手掛けました。
クールから会員名簿、バス利用者名簿、バ
一つめは首都圏を中心にフィットネスク
スマップ、バス時刻表等のデータを入手し
ラブを多店舗展開している企業と共同で、
ました。会員住所を電子地図上にポイント
集客予測モデルの開発を進めました。これ
で落とし、GPSで取得したバスルートとバ
は日本大学及び東京大学との共同研究で
ス停の位置も地図上に重ねました。図は
す。対象としたクラブを立地タイプで近郊
「カーネル密度推定法」を使って会員密度
駅立地型(12店舗)に限定し、空間相互作
を高低に応じて色分けしたものです。この
用モデルを利用して、会員数の算出を試み
図をみると、鉄道路線東側の施設周辺、す
ました。最終的に、予測精度が80%近くま
なわち1Ü圏内かつ線路の東側が高密度地
で向上し、実際に利用することが可能なレ
区を形成している。これに続いて施設の東
ベルにまでこのモデルを精緻化できまし
南方面で密度が高いです。いっぽう、施設
た。その後、精度をさらに上げるために必
の北側では密度は低い。施設の北側約2Ü
須である店舗の魅力度を多方面から検討し
と3Üあたりに競合が2施設立地している
て設定する努力を行っています。
ことが低密度の原因の一つと考えられま
もう一つの研究は、GIS(地理情報システ
す。スクールにとって鉄道線路と競合施設
ム)手法を用いて、スイミングスクールの
は集客面で大きな障害物となっています。
送迎バスルートの分析とルート決定支援シ
また、「バス路線沿いで会員が比較的多い」
ステムの開発です。対象として首都圏郊外
という結論を得ることはできませんでした。
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これからの研究の展望
集客予測モデルについては、都心の駅
ターミナル立地と地方都市立地のクラブに
ついてのモデルを開発中です。これらが完
成すれば、全国の大部分のフィットネスク
ラブのモデルを構築することが可能になる
でしょう。
スクールバスルートについては、最適な
バスルートやバス停の設置を支援する「送
迎バスルート決定支援システム」の開発に
取り組んでいます。
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