森林工学研究室 - 宇都宮大学 地域共生研究開発センター

ライフ
サイエンス
●環境
首都圏北部4大学研究室紹介
宇都宮大学農学部
走行経路の判断と相互通信機能の実現、
デジタルカメ
確保することが困難になります。
そこで、
搬器走行距離
ラ入力画像の処理による経路判断などの研究を進めて
を半分に減らすことにより、架線集材作業時間を短縮
いるところです。
情報通信
森林工学研究室
架線では高性能造材機械の生産量に見合う集材量を
するという発想から、木材の自動受け渡し機構を装備
URL:http://mori1.mine.utsunomiya-u.ac.jp/sinrin/fs/lab/rinko.html
した複数の搬器による受け渡し走行システム
(木材受
■研究テーマ
け渡し搬器)
の研究を進めてきており、現在、
カワサキ
●林業機械の開発と林内路網整備に関する研究
●木材及び森林バイオマス資源の効率的な収穫手法に関する研究
環
境
マシン社により実機化が進められています。
■キーワード
ナノテクノロジー・
材料
受け渡し式搬器、車両系機械、架線集材、脚式機械、林内路網整備、
林道設計、GIS、GPS、LiDAR、森林作業システム、
森林バイオマス収穫機械、森林バイオマス収穫システム
■産業界の相談に対応できる技術分野
林業機械の開発・改良、林内路網整備計画、環境に配慮した林道設計、
森林作業システムの最適化、森林バイオマス資源の効率的な収穫手法
■主な設備
田坂聡明 教授
有賀一広 准教授
工作実験室、
GIS、
GPS
エネルギー
連 絡 先
宇都宮大学農学部
田坂聡明、
有賀一広
森林バイオマス資源の持続的な利活用に関する研究
TEL:028-649-5544 FAX:028-649-5545 e-mail:tasaka@cc.utsunomiya-u.ac.jp [email protected]
栃木県における森林バイオマス資源の持続的な利活
用いた直営生産事業が続けられ、
また、林道・作業道
宇都宮大学船生演習林を利用した森林工学
路網も自前で開設していることから、当研究室では船
に関する実践的な教育・研究
生演習林を利用して、林業機械の開発・改良、施業・
受け渡し式搬器
用を検討すべく、
平成18年度に完成した栃木県作成の
製造︵ものづくり︶
技術
研究概要
森林GISデータを活用して、
森林バイオマス資源の長期
森林バイオマス資源量と収穫費用の推計
的な利用可能性についてコスト・エネルギー分析を通し
地域で森林バイオマス資源をエネルギーとして利
て検証し、
各林地における最適な収穫作業システムや
現在の日本では、
木材価格が低迷していることなど
配慮した林道設計、
森林作業システムの最適化など森
用するためには、一体どの程度の資源量をどの程度の
最適なエネルギープラントの規模・配置を明らかにする
から、
木材生産のために育てられた多くの森林が放置さ
林工学に関する実践的な教育・研究を行っています。
コストで調達できるのかといったことを調査し、
想定した
研究を行っています。
現在は鹿沼地域を対象として研
れ、十分な公益的機能が発揮できない状態にありま
エネルギープラントに対して燃料コストが高い場合は、
究を行っていますが、
今後、
対象地域を広げ、
最終的に
す。
したがって、今ある森林を次世代に受け渡していく
低コストで燃料を調達できる方法を検討する必要があ
は栃木県に適した持続的な森林バイオマス資源利活
ためには、
手入れの遅れた森林の間伐作業の促進や、
ります。
右上図はGISを用いてある地域の森林バイオマ
用モデルを構築したいと考えています。
低コストな木材生産システムの研究が必要になります。
ス資源の発生地点と収穫費用を推計した例です。
フロンティア
作業の効率性を重視した林内路網整備計画、
環境に
社会基盤
◆
また、
バイオマスの利活用は、温室効果ガスの排出抑
今後の展開
する中山間地域においては、
木材の生産に伴って発生
林業機械の開発
する土場残材などの森林バイオマス資源の利活用が
◆◆◆
地域振興の面から期待されています。
森林バイオマス
当研究室ではこれまでに様々な研究、
試作機模型の
宇都宮大学船生演習林プロセッサ、
タワーヤーダ
すが、森林バイオマスは
「広く、薄く分布する」
という特
特徴と強み
4脚歩行機械小型模型
(1993年)
、
立木を活用した林
徴を持つため、
効率的に収穫し、
エネルギーなどとして
木材受け渡し式搬器に関する研究
内移動機械小型模型
(2002年)
、
緊張機構付エンドレス
ドラム
(2002年)
、
吊り下げ式シュラ
(2003年)
、
木登り補
宇都宮大学船生演習林は大学からの距離が近く、
プ
集材
タワーヤーダなどの架線式集材システムでは、
助装置
(2006年)
などを製作しました。
現在は、
無人走
ロセッサ、
タワーヤーダをはじめとする多くの林業機械を
距離が長くなるにつれて生産性が低下するため、
1基の
行車両に関する研究として、
GPSと無線LANを用いた
4u Vol.2
埼玉大学
◆◆
群馬大学
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制作が進められています。
なかには、
模型製作段階で研
究を終了したものもありますが、
いくつか例を挙げますと、
ために、バイオマスの利活用に向けて期待されていま
利活用する方策を研究する必要があります。
宇都宮大学
資源は、賦存量が多く、
また、
ほとんどが未利用である
茨城大学
制による地球温暖化防止に資するほか、
林業を基盤と
4u Vol.2
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