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第 23 回 未病・エニグマ症例検討会 総合診療医のための
参加者と考える謎ときの 4 症例 日時:平成 27 年 2 月 6 日(金) 19:00 より 場所:大手町サンケイプラザ 3 階 311 号室 【プログラム】
座 長:相馬正義 日本大学医学部総合内科 教授 飯 島 勝 矢 東 京 大 学 高 齢 社 会 総 合 研 究 機 構 准 教
授 1)「食思不振と意欲低下に苦しんだ 82 歳男性」 東京大学医学部附属病院 老年病科 七尾 道子
2)「全身倦怠感と食欲不振、肉眼的血尿が認められた 78 歳男性」
聖隷横浜病院 腎臓高血圧内科 部長 平出 聡 3)「息切れが生じてきた難聴がある糖尿病の 54 歳女性」 (JCHO)群馬中央病院 内科医長 田嶋 久美子
4)「全身の痛み」を訴え受診した 59 歳の女性」 秋月リウマチ科(横浜市西区医師会) 院長 秋月 正史 共 催:一般財団法人 博慈会 老人病研究所 東和薬品株式会社 後 援:NPO 法人 ジェネリック医薬品協議会 日本未病システム学会 < 症 例 1 > 「 食 思 不 振 と 意 欲 低 下 に 苦 し ん だ 82 歳 男 性 」 東 京 大 学 医 学 部 附 属 病 院 老 年 病 科 七 尾 道 子 主訴は食思不振、 体重減少。50 歳より高血圧加療中。1 年の経過で徐々に悪化する食思不
振、体重減少(-10 ㎏/年)、意欲低下のため、精査加療目的に入院。既往歴は 65 歳 直腸
癌(手術)、75 歳 腰部脊柱管狭窄症(手術)、79 歳 膀胱癌(内視鏡手術)。家族歴なし、
喫煙・飲酒なし。元大学教員、妻と二人暮らし、介護保険利用なし。アレルギーなし。内
服薬はアムロジピン 5mg, カンデサルタン 4mg, トリアゾラム 0.25mg, ロラゼパム 0.5mg,
スルピリド 100mg, エンシュアリキッド 1 本。入院時、車椅子で入院。意識清明。身長
167.1cm, 体重 49.1kg, BMI 17.6、バイタルに異常なく、身体所見上異常所見なし。若干の
筋力低下はあるものの歩行障害なし。血算、生化、凝固、血糖値に異常なく、Zn 78µg/dL,
PSA 0.63ng/mL。心電図に異常はなかった。食思不振の原因は何であろうか。
< 症 例 2 > 「 全 身 倦 怠 感 と 食 欲 不 振 、 肉 眼 的 血 尿 が 認 め ら れ た 78 歳 男 性 」 聖 隷 横 浜 病 院 腎 臓 高 血 圧 内 科 部 長 平 出 聡 症例は 77 歳男性。76 歳時に四肢筋力低下のため近医を受診し頚椎症性脊髄症と診断された。
手術目的に入院となった際に心房細動及び前立腺肥大症が診断されたが腎機能は正常であ
った。術後四肢麻痺は残存しており、往診診療でダビガトラン, シロドシン, ファモチジ
ンが処方され経過観察されていた。退院 10 ヶ月後、赤褐色の混濁尿が指摘され、尿路感染
症の診断でレボフロキサシンが処方されたが色調に変化はなかった。その 1 か月後には全
身倦怠感と食欲低下を自覚するようになり血液生化学検査が施行された結果、著明な腎機
能障害を指摘された。精査を希望されなかったため一旦は経過観察となったが、更に2週
間後には腎機能障害増悪と凝固異常が認められたため紹介入院となった。 この臨床経過を説明しうる疾患をどのように考えるべきであろうか。 < 症 例 3 > 「 息 切 れ が 生 じ て き た 難 聴 が あ る 糖 尿 病 の 54 歳 女 性 」 ( J C H O ) 群 馬 中 央 病 院 内 科 医 長 田 嶋 久 美 子 症例は 54 歳女性。31 歳の時、糖尿病と診断され、インスリンを導入した。 33 歳ころから難聴が出現し、感音性難聴と診断された。 血中 CPR 0.5 ng/ml とインスリン依存状態だった。持効型インスリンおよび αGI を使用し、
A1c 8~9%程度の血糖コントロールだった。身長 150.2cm、体重は 28kg。49 歳の時、UCG
で EF 53%だった。 2013 年 1 月初旬(54 歳)、軽労作で息切れが出現した。下肢の浮腫が出現・悪化し、食欲も
低下した。1 ヶ月、自宅で様子をみていたが、症状は徐々に悪化した。2 月の予約外来を受
診したとき、下肢の浮腫著明、8kg の体重増加、胸部レントゲンでは、胸水貯留・心拡大を
認めた。心エコー検査で、壁運動はびまん性に低下し EF 16.2%、IVST 12.4mm、 PWT 19.1mm
だった。BNP は測定感度以上だった。 これらの疾患・症状を一元的に考える疾患はあるだろうか。 < 症 例 4 > 「 全 身 の 痛 み 」 を 訴 え 受 診 し た 59 歳 の 女 性 」
秋 月 リ ウ マ チ 科 秋 月 正 史 症例:59 歳、主婦(ケーキ店経営)
主訴:全身の痛み
経過概要:平成 25 年 10 月になり多忙な日々が続いていた。11 月初旬より誘因なく左大腿
の違和感、疼痛を認めるようになった。その後、右側大腿、肩や上腕の痛みを感じるよう
になったが体動時に上肢に負担がかかるためと考えていた。26 年 1 月、症状が増悪するた
め整形外科を受診、レントゲン、MRI 検査に異常なく術後の神経痛と説明された。4 月ま
で通院し内服薬(鎮痛薬)、注射療法(肩:5、膝:3 回)を継続したが症状はむしろ悪化し
ていた。26 年 4 月 10 日よりペインクリニックに転院しブロック注射療法を受けた(肩:6、
腰:5 回)が効果は感じられなかった。5 月 12 日に川村内科診療所で CRP2.39mg%を指摘
され 5 月 30 日に当院を紹介され受診した。発熱なし、全身倦怠感、体重減少 4kg/6M あり。
皮疹、乾燥症状、レイノー現象なし。末梢血液像、血清化学、糖代謝検査:異常なし。抗
CCP 抗体 1.8 単位。何が考えられるであろうか。
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