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気腫性腎盂腎炎 2 例の治療経験
中村文彦、石原順就、松嵜章、豊嶋豊照、金水英俊
独立行政法人地域医療機能推進機構東京高輪病院泌尿器科、友愛記念病院泌尿器科、上都
賀総合病院泌尿器科
【症例 1】69 歳男性,食欲不振,全身倦怠感で外科受診.採血上,sepsis,画像上で気腫性腎盂腎
炎と診断し,加療目的に当科紹介.緊急で drainage および抗生剤加療開始.全身状態は改善し,
炎症反応も一時改善.画像上で気腫の改善を認めたが,膿瘍の出現,炎症反応の悪化を認め,39
病日目に経腰式左腎摘除術施行.術中,腎周囲に癒着を認め,肉眼的には腎上極に直径 3cm 大,
下極にも膿瘍を認めた.術後,drain 周囲の線維化を認めるも膿瘍は消失し,72 病日目に退院.
【症例 2】53 歳女性.両側膿腎症,意識障害,腎機能障害にて他院 ER より紹介.画像上で両側
膿腎症,右気腫性腎盂腎炎と診断し,両側腎瘻造設および抗生剤加療開始し,全身状態の改善,
採血上で炎症反応改善.28 病日目に退院.
【考察】90%以上で DM を合併し,25-40%に上部尿路閉塞を認める.予後不良因子として血
小 板 減 少 ,1.4 以 上 の Cre の 上 昇 , シ ョ ッ ク 状 態 , 敗 血 症 .Huang 分 類 の class1,2 は
drainage+ABx で,ほぼ 100%の改善を得られる.class3A,B 症例で不良因子が 2 つ未満の low
risk 症例では 85%の治癒率だが,予後不良因子 2 つ以上の high risk 症例は 71%が難治性で
あり,25%の死亡率とされている.【結語】気腫性腎盂腎炎の 2 例を経験したので若干の文献
的考察を含めて報告する.