II-1 新たな 3D mapping(RHYTHMIA)にて CS を回路に含む Perimitral Atrial Flutter を詳細に mapping し治療できた一例 平尾 龍彦 1)、新田 1) 、加藤 3) 司 1)、林 信孝 1)、高宮 智正 1)、根木 彦 、平尾 1) 順一 1)、岩崎 3) 見三 、磯部 さいたま赤十字病院 光章 洋介 1)、池ノ内 謙 1)、佐藤 明 1)、大和 考 1)、李 基稿 1)、稲村 恒博 1)、松村 幸洋 穣 1)、合屋 雅 2) 循環器科、2)東京医科歯科大学循環制御学、3)東京医科歯科大学不整脈セ ンター 68 歳男性、持続 2 年の AF に対して 3 回のアブレーションを行った。1st, 2nd session では左房後壁を含めた肺静脈 隔離、mitral isthmus block(MIB)の作成を行った。2 年後に AT で再発し 3rd session を行った。入室時よ り AT は持続しており RHYTHMIA と 64 極バスケットカテーテル Orion で activation map を作成した。MIB は、LIPV から 僧房弁輪(MV)側壁に 1 本(左 MIB)と、RIPV から MV 後壁に 1 本(右 MIB)作成されていたが、AT は 2 本の line を抜けて MV 周囲を旋回していた。左 MIB の gap は LIPV の前側にあったが右 MIB の gap は心内膜側には認めな かったため心外組織を迂回している可能性を考えた。右 MIB の対側の冠静脈洞内に認めた fragment potential を通電したところ頻拍は周期の延長の後、停止した。RHYTHMIA を用いることで AT の詳細な mapping を短時間 で作成し治療に非常に有用だった。 II-2 クライオアブレーションにより誘発された roof dependent atrial flutter の 1 例 堀 裕一、安城 直史、小松 獨協医科大学越谷病院 孝昭、中原 志朗、小林 さゆき、酒井 良彦、田口 功 循環器内科 症例は 69 歳女性。薬剤抵抗性心房細動にて当院紹介受診、クライオアブレーション目的にて入院となった。 左房へのアクセスを確保した後、左房の電位波高マップを作成、左房内には低電位領域は認めなかった。クラ イオバルーンにて 4 本の肺静脈隔離術を施行し、再度左房の電位波高マップを作成。左房の天井部にクライオ アブレーション領域のオーバーラップを認めた。心房頻回刺激にて不整脈の誘発を試みたところ、アブレーシ ョン領域のオーバーラップを緩徐伝導する心房粗動が誘発された。天井部にブロックラインを作成し頻拍は停 止したため終了とした。術後 6 か月経過しているが現在のところ心房細動、粗動の再発は認めていない。クラ イオアブレーションによる冷凍焼灼領域により左房内で緩徐伝導が形成され、心房粗動が誘発された症例を経 験した。 II-3 カテーテルアブレーション後の肺静脈閉塞にたいし外科的血行再検術を施行した 1 例 曽根 浩元 1)、下島 1) 、武井 1) 弘之 2)、鈴木 拓 1)、間瀬 1) 洋介 、藤本 野木 彩夏 1)、前田 1) 桐 1)、浅野 竜平 、南雲 敦雄 1)、前澤 浩 1)、田代 1) さくら 、水上 秀之 1)、礒 一真 1)、倉田 1) 拓也 、笹井 良崇 1)、佐藤 征昭 1)、若月 1) 正宏 、久野 督忠 3)、江波戸 大輔 越史 1)、 美緒 1)、田中 洋 1) 昭和大学藤が丘病院 循環器内科、2)昭和大学藤が丘病院 胸部心臓血管外科、3)昭和大学 ス ポーツ運動科学研究所 症例は 68 歳、男性。発作性心房細動に対して 64 歳時、65 歳時拡大肺静脈拡大隔離術(PVI)を施行。心房細動 は再発 67 歳時に 3 回目 ABL を施行、PVI の追加焼灼、左房 Roof line、左房後壁線状焼灼を施行した。術後 約 6 か月後より労作時呼吸困難が出現、徐々に進行し NYHA3 度に悪化した。胸部 CT で左上下肺静脈の完全閉 塞、右上肺静脈の高度狭窄を認めた。右心カテーテルでは右肺動脈圧 60/24mmHg、左肺動脈圧 60/26mmHg で著明な肺高血圧を認めた。カテーテルによる肺静脈血行再検も検討したが 4 本中 3 本の肺静脈の閉塞狭窄で あり外科的血行再検を選択した。左上肺静脈のバイパス術、左下肺静脈、右上肺静脈形成術を施行。術後速や かに労作時呼吸困難、肺高血圧は改善した。ABL 後の肺静脈閉塞狭窄に外科的血行再検術を施行した一例を経 験したので報告する。 II-4 減衰伝導特性を有する ATP 感受性右房自由壁房室副伝導路を介し逆行性房室回帰性頻拍(AVRT)を 認めた一例 岩男 彩、永嶋 子、大久保 孝一、奥村 公恵、黒川 恭男、磯 早矢香、渡辺 一貴、高橋 一郎、平山 啓子、新井 将、渡邉 隆大、中井 俊 篤志 日本大学医学部附属板橋病院 19 歳男性。B 型 WPW 症候群とアデノシン三リン酸(ATP)で停止する左脚ブロック型 wide QRS 頻拍に対し電気生 理学的検査を施行した。室房伝導は房室結節を介していた。ATP 投与で房室ブロックを生じた。心房早期刺激 で心房-His 電位間隔と刺激-QRS 間隔は徐々に延長し、その勾配は前者が急峻であったため、副伝導路の減衰 伝導特性が示唆された。しかし心房刺激間隔を短縮しても His-右脚間隔は不変であり、atrio-fascicular fiber は否定的であった。心室期外刺激で臨床的頻拍(頻拍周期 270ms)が誘発され、心室→His→心房と興奮伝 播した。中隔領域の心房筋の不応期における心房期外刺激で、続く心室電位が reset されたため、逆行性 AVRT と診断し、Kent 束の離断に成功した。右房自由壁の Kent 束が減衰伝導特性を有する稀有な症例のため報告す る。 II-5 Freezor Xtra により His 束近傍の副伝導路の焼灼に成功した小児例 仁 1)、住友 森 1) 樹 、小林 直方 1)、加藤 1) 俊樹 、松本 律史 2)、戸田 万夫 1) 埼玉医科大学国際医療センター 紘一 1)、小柳 喬幸 1)、小島 拓朗 1)、葭葉 茂 2) 小児心臓科、2)埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科 症例は 15 歳女性。既往歴に房室結節リエントリー性頻拍に対してアブレーション施行歴があり、その際の電 気生理学的検査で His 束近傍の副伝導路を介する房室回帰性頻拍も認めていた。初回治療は高周波アブレーシ ョンを行っており、房室ブロックの危険性が高く、クライオアブレーションによる治療を行う方針とし終了。 セカンドセッションにて副伝導路のマッピングを左房側、右房側から施行。副伝導路の逆伝導の最早期は His 束の後上方領域に認め、クライオマッピングモードにて検索した所、His 束の後上方 2mm の領域で副伝導路の 途絶を認めた。同部位にクライオアブレーションを施行し房室ブロックを来たすことなく副伝導路の伝導遮断 が得られた。His 束近傍の副伝導路に対してクライオアブレーションにより安全に治療に成功した1例を報告 する。 II-6 フレカイニド中毒に対して炭酸水素ナトリウム液の投与が有効であった 1 例 折居 大輔 1)、増田 浩 1)、関口 1) 筑波大学 慶太 1)、飯岡 幸夫 1)、野上 医学部 勇人 1)、大谷 昭彦 1)、青沼 付属病院 暢史 1)、安達 享 1)、蔡 榮鴻 1)、山崎 和隆 1) 臨床教育センター、2)筑波メディカルセンター病院 74 歳男性。身長 160cm、体重 38kg。18 年前より発作性心房細動にフレカイニド 200mg/日が投与されており、 今回、腰部脊柱管狭窄症の手術が予定された。自覚症状はなかったが、手術室入室後の心電図で著明な wide QRS(400msec)と非持続性心室頻拍(NSVT)、血圧低下が認められた。器質的心疾患がないことからフレカイニ ド中毒が疑われ、炭酸水素ナトリウムを点滴静注したところ,速やかに NSVT が停止して QRS も狭小化し、血 行動態の安定が得られた。後日の報告でフレカイニド血中濃度 1862ng/ml(基準値 200-1000)と高値が判明し た。フレカイニドは身近に使用される抗不整脈薬であるが、治療濃度域が狭く,低体重や高齢者では過量投与 になりやすい。中毒時には炭酸水素ナトリウムの投与が有効であり、適切な治療法の熟知が重要と考えられた。 II-7 ソホスブビル・レディパスビル合剤(ハーボニーR)とアミオダロンの併用によって 徐脈をきたした一例 綱本 本 浩志、丹羽 容崇、荒木 明博、梅澤 恵子、岩井 平塚共済病院心臓センター 滋男、大西 慎介、松本 祐子、小林 彩和、戸舎 一士、大西 稚詞、小澤 隆行、樋口 晃司、村 貴暢 循環器科 78 歳男性、H3 年に健診で慢性C型肝炎を指摘され他院消化器内科へ通院を開始。H27 年 7 月、肝細胞癌を 認めた。同年 9 月に、肺炎、心不全、発作性心房細動で他院入院。冠動脈三枝病変が判明したが併存肝疾患を 考慮し、外科治療を施行せずアスピリンやビソプロロール、アミオダロンの内服治療を開始。H28 年 5 月か ら慢性C型肝炎に対してソホスブビル・レディパスビル合剤(ハーボニーR)の内服を開始。相互作用を考慮 しアミオダロンを 100mgから 50mgに減量したが、併用 17 日で心拍数 28/分の洞性徐脈を認め入院。ハー ボニー、アミオダロン、メインテートを中止し入院後は心拍数 40-50 台を推移。第5病日、ハーボニーを再開 したが徐脈の増悪なく退院した。C型肝炎の新薬であるハーボニーとアミオダロンの併用により徐脈をきたし た一例を報告する。
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