20107 Bailout for stent deformation due to biopsy forceps 今回我々はステント内血栓症に対して生検鉗子で血栓除去施行中、誤って遠位部ステントの変形を来した症例を経験し たのでここに報告する。症例は 86 歳男性、両側 FP バイパスの既往あり、1 年後右外腸骨動脈閉塞、右 FP バイパス閉塞 を来し各々EVT 施行した。EVT 後 2 ヶ月にて右浅大腿動脈ステント閉塞を来したため再 EVT 施行。左総大腿動脈よりアプ ローチ、クロスオーバーでシース留置後 035 ワイヤーでクロス、体外マンシェットで遠位部保護を行い、血栓吸引するも粗 大な血栓のため生検鉗子での血栓除去を行った。前回治療部の遠位および近位にステントを追加留置するも粗大な血 栓残存するため再度生検鉗子での血栓除去中に遠位部ミサゴステントを誤って引き上げてしまい著明なステント変形を 来した。修復不可能と判断してバルーン後スマートステントを追加植え込み、IVUS で良好な拡張を認めたため終了とし た。血栓残存に対してはシース留置のままウロキナーゼ持続動注を行った。翌日の造影で血栓の縮小と末梢までの良好 な血流が認められたためシース抜去、その後体外圧迫によると思われる腓骨神経麻痺を生じたが、リハビリにて改善し退 院となった。3 ヶ月後の CTA にて良好なステント開存を認め、また一部ステントストラットが 4 重構造と思われる部分に関し ても十分な内腔の確保が認められた。ミサゴステントはスマートステントに比較し長軸方向の stability が 1/8 であり容易 に変形を来すことが示唆された。血栓除去に生検鉗子を使用する場合には極めて慎重な手技が要求されると思われた。
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