採択理由【 社会科(地図帳) 】 社会科の地図帳においては、東京書籍、帝国書院の2者について検討を加えた。 各者とも、学習指導要領「中学校社会科」の目標である「広い視野に立って、社会 に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、我が国の国土と歴 史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる平 和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質を養う」ことや、各学年の 目標、内容、学習指導要領の趣旨を踏まえて編集がなされている。 本地区の生徒の実態は、よさとして、基礎学力が定着しており、授業や課題に真面 目に取り組む面がある。しかし、事象や資料から読み取ったことを自分の言葉で表現 することが苦手で、自ら課題を見つけ、主体的に課題解決に取り組む姿勢が弱いとい った傾向も見られるなどの報告が専門委員よりあった。 本採択地区協議会は、上記の報告をふまえ、本地区の生徒の課題を解決する観点か ら協議した結果、資料の提示を工夫し、主体的に学習する力を養う工夫や地図活用の 技能を習得し、多様な学びや考察により表現する力を伸ばす工夫が帝国書院の教科用 図書には多く見られることから、帝国書院の教科用図書が適切であると選定した。 なお、帝国書院の教科用図書の工夫は次のような点である。 (1)単元の構成については、地理的分野の学習の流れに沿って世界・日本の諸地域 に興味・関心をもち、大観させる地図及び資料を重視し、各学年の学習内容に応 じて地図や資料・図・統計資料を系統的に配列して、生徒の学習活動の展開に対 応して地図の活用を図る工夫が見られる。 (2)内容の面では、世界や日本について大観してとらえられるよう、豊富な写真や 見開きの鳥瞰図、衛星画像を掲載し地形を立体的に把握できるようにし、資料に 「地図をみる目」を随所に設けたり、 「やってみよう」の吹き出しや「日本との結 びつき」を設け、世界との結びつきを習得した知識や技能を活用したりしながら、 探究できるよう工夫が見られる。 (3)学習効果や使用上の利便性については、世界や日本の諸地域の自然・産業・く らしを紹介するページで写真やイラスト、絵記号を多く用いたり、地図や写真、 グラフなどの色彩に配慮し、等高段彩表現を用いて土地の起伏感(標高、水深) を伝わりやすくしたりして、すべての生徒が興味・関心をもって学習できる工夫 が見られる。 社会科(地図帳)
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