● 回転体の表面積も求めよう! で は 次, 曲 線 を x 軸 や y 軸 の ま わ り に 回 転 し て で き る 回 転 体 の 曲 面 の 表 面積 を 求 め る 公 式 についても解説しておこう。 回転体の表面積の公式 ( Ⅰ) 区 間 [ a , b ] で 連 続 , 区 間 ( a , b ) で 微 分 可 能 な曲線 y = f ( x ) と x 軸 y = f (x) とで挟まれる図形を x 軸のまわり に回転してできる回転体の曲面の 表 面 積 S は,次式で計算できる。 S = 2π x b a 2 + とで挟まれる図形を y 軸のまわり に回転してできる回転体の曲面の 表 面 積 S は,次式で計算できる。 y x = g(y) d c ∫ x √ 1 ( dd yx ) d x d c 2 + (Ⅰ) について,微 小区間 [ x , x + Δ x ] に お け る 微 小 な 曲 面 の 表 面 積 Δ S は,図 1 2 より Δ S ≒ 2π y ・ Δ L ……… ① と 表 せ る 。 ここで,微小な曲線の長さ ΔL は 図 12 回 転 体 の 表 面 積 Δ S ≒ 2π y ・ Δ L ΔS x Δy Δ ( √ Δ x ) x ……… ②より = 1+ ΔL y = f (x) Δ L ≒ √ ( Δ x )2 + ( Δ y ) 2 y 2 Δx ② を ① に 代 入 して √ ( ) Δx y ΔS ≒ π 2 y 1 ( よって, Δx √ ΔΔ x ) y Δ S ≒ 2π y 1 + Δ Δx 2 + 148 x x+Δx b ∫ y √ 1 ( ddxy ) d x ( Ⅱ) 区 間 [ c , d ] で 連 続 , 区 間 ( c , d ) で微分可能な曲線 x = g ( y ) と y 軸 S = 2π a 2 Δy ΔL Δx ● 積分法とその応用 こ こ で , Δ x → 0 のとき, √ ( ) となるので, dy dS = π 2 y 1+ dx dx 2 この両辺を x で,区間 [a,b] で積分することにより,この x 軸のま わ り の 回 転 体 の 曲面の表面積 S が,次式で求 め ら れ る ん だ ね 。 ∫ y √ 1 ( ddxy ) d x = 2π ∫ y √ 1 y´ d x = 2π ∫ y √ 1 { f ´( x )} d x S = 2π b 2 + a b + a b ∫ = 2π ∫ S = 2π 2 a b √ y 2 ・ ( 1 + y´ 2 ) dx b a √ y 2 + ( y y´ ) 2 d x として, y 2 + ( y y´ ) 2 を 求 め る こ と が 多 い 。 2 + a 実際の 計 算 で は , (Ⅱ) についても同様に,微小区間 [ y , y + Δ y ] 図 13 回 転 体 の 表 面 積 Δ S ≒ 2π x ・ Δ L に お け る 微 小 な 曲 面 の 表 面 積 Δ S は, 図 1 3 よ り , 近 似的に Δ S ≒ 2π x ・ Δ L ……… ③ と 表 せ る 。 y Δy ΔS ここで,微小な曲線の長さ ΔL は, y ΔL ≒ √(Δx)2 + (Δy)2 ΔL x = g(y) x √ ( ΔΔy ) Δ y ………④より, ④を③ に 代 入 し て x S x Δ S ≒ 2 π x ・ 1 ( √ ΔΔ y ) Δ y よって, ΔΔ y ≒ 2π x √ 1 ( ΔΔ y ) 2 = 1+ 2 + 2 + √ ( ) となるので, dS = π x dx 2 1+ dy dy こ こ で , Δ y → 0 のとき, 2 こ の 両 辺 を y で , 区 間 [ c , d ] で 積 分 す る こ と に よ り, こ の y 軸 の ま わ り の 回 転 体 の 曲面の表面積 S は,次の式で 計 算 で き る ん だ ね 。 納得いった ? ∫ x √ 1 ( dd yx ) d y = 2π ∫ x √ 1 x´ d y = 2π ∫ x √ 1 { g´ ( y )} d y S = 2π d c d c d c 2 + + + 2 2 実際の 計 算 で は , ∫ = 2π ∫ S = 2π c c d √ x 2 ・ ( 1 + x´ 2 ) d dy √ x 2 + ( x x´ ) 2 d y として, x 2 +( x x´ ) 2 を 求 め る こ と が 多 い 。 149 それ で は , 具 体 的 に例題で,回転体の表面積を 求 め て み よ う 。 y x 2+ y 2 = 1 ……… ① を 2 ( − √ 2 ≦ x ≦ √ 2 ) だ円 1 x 軸 の ま わ り に 回 転 してできる 表面積 S 公式 よ り S = 2π ∫ − √2 √2 y √ 1 + y´ 2 d x = 2π √2 ∫ − √2 √ y 2 (1 + y ´ 2 ) = √ y 2 + (y y ´ )2 √y 2 + ( y y´ ) 2 +y =1 0 −√2 回転 体 の 表 面 積 S を求めよう。 x2 2 d x ……… ② と な る 。 x x + 2 y y ´ = 0 よ り y y ´ = − ー ……… ③ 2 2 ③の 両 辺 を 2 乗 して, y をたすと, x2 1− ( ① )より 2 − ( ) − x ( ② )より 2 x 2 2 = 1− x2 + x2 = − x2 1 2 4 4 ……… ④ ④ を ② に 代 入 す ると, S = 2π ∫ √1 √2 − √2 − x2 dx = π 4 4 ∫ √1 √2 0 − x2 dx ……… ⑤ 4 偶関数 π x = θ とおくと, x : sin 0 → √ 2 の と き ,θ : 0 → 4 2 また , d x = 2 cosθ dθ より,⑤は, ここ で , S = 4π = 4π ∫ 0 [θ π 4 √ 1 − sin 2θ ・ 2 cosθ dθ = 4π cosθ + 1 sin2θ 2 ] π 4 0 = 4π ( 4π 12 ) + ∫ 0 π 4 ( 1 + cos2θ ) dθ 2 cos 2θ = π (π + 2 ) と な っ て , x 軸 の ま わ り の だ 円 の回転体の表面積が求まる ん だ ね 。 150 √2 −1 ここ で , ① の 両 辺を x で微分して, 2 y2 + (yy´)2 = 1− x + 2 2 x ● 積分法とその応用 では次,y=x 2 (0 ≦ x ≦ √3),すなわち y 曲 線 x = √ y ……… ( a ) ( 0 ≦ y ≦ 3 ) を 3 y 軸のまわりに回転してできる回転体 x = √y の曲面 の 表 面 積 S を 求めてみよう。 0 公式よ り S = 2π ∫ 3 0 x √ 1 + x ´ 2 d y = 2π (a) を y で微分して ∫ 0 3 √3 x √ x 2 + ( x x ´ ) 2 d y ……… ( b ) と な る 。 1 1 x ´ = 1 y − 2 = ……… ( c ) よって 2 2√y ( ) 2 x 2 + ( x x ´ ) 2 = y + 1 = y + 1 ……… ( d ) となる 。 2 4 1 1 y ((a )より) √ y ・ = ( ( a )( b ) より) 2√y 2 ( d ) を ( b ) に 代 入 す ると S = 2π ∫ √y 3 0 = 1 d y = 2π 4 )] 4 π 13 ( 41 ) } 3 {( 4 ) = 2π ・ = + 2 3 [( y+ 1 4 3 2 − 3 2 ∫ (y 3 0 + 1 4 ) 1 2 dy 3 0 3 2 4 π 1 (13 13 − 1 ) ・ 3 √ 3 42 23 = 8 = π ( 1 3 √ 1 3 − 1 ) となって, y 軸のまわりの放 物 線 の 回 転 体 の 表 面 の 面 6 積も求 め ら れ る ん だ ね。 これで , 曲 線 の 回 転体の表面積を求める問題の 解 法 に も 慣 れ て 頂 け た と 思う。 151
© Copyright 2025 ExpyDoc