上の点P(x1,y1) における接線は、y1y=2p(x+x1)

数学散歩 Ⅱ‐10
2015.4. β
岐阜市 村山錞司
― 代数学と幾何学(矢野健太郎 裳華房)を読み直して ―
ご感想やご意見、間違いのご指摘などあれば、お聞かせください。
(問題文は表現など一部を修正。証明問題の「・・・証明せよ。・・・を示せ。」など省略。)
第11章 2次曲線(PART 1)
○ 英語による表現はどうなのか調べてみた。
2次曲線(quadratic curve、conic) 円錐曲線(conic section))
放物線(parabola) 楕円(ellipse) 双曲線(hyperbola)
焦点(focus) 焦点距離(focal distance) 準線(directrix)
頂点(vertex)
軸(axis)
主軸(plincipal axis) 長軸(major axis) 短軸(minor axis)
切軸(transversal axis)
共役軸(conjugate axis)
直角双曲線(rectangular hyperbola)
漸近線(asymptotic line、asymptotes) 離心率(eccentricity) 離心角(eccentric angle)
(関連語句)
quadrangle(四角形、四辺形) cone(円錐) vertex(最高点、頂上、山頂)
conjugate((動詞を)活用(変化)させる。) eccentric(風変わりな、変人、軌道が円でない)
transverse(横切る、横の) rectangle(長方形) a-(の状態で) symptom(兆候、きざし)
<221p>
問題 2
2
放物線 y =4px 上の∠POQ=π/2 であるような二点をP、Q とするとき、P、Q の中点の軌跡は
y2=2p(x-4p) の放物線である。
(方針) P(pt12,2pt1) 、 P(pt22,2pt2) とし、∠POQ=π/2 とすれば、軌跡の式が得られる。
<226p>
問題 6
一定の長さをもった線分が、その両端を互に直交する二直線上におきつつ動くとき、この
線分上の定点の軌跡はどうか。
(略解) 直交二直線をx、y軸とし、線分ABを点Aをy軸、点Bをx軸にとり、定点をP(x,y) とする。
AP=a、BP=b 、∠ABO=θ とすれば、x=acosθ、y=bsinθで、楕円 x 2/a2+y2/b2=1 が得られる。
(本の答 直交二直線上に軸をもつ楕円)
問題 7
二定点を通る円群へ、方向一定なる接線を引くとき、その接点の軌跡はどうか。
本の答は「双曲線」とあるのみでそっけない。いろいろ試みたが、二定点の座標をどのように
おいても xy の項が残り、座標軸を回転した。全く別の意外な解法がありそうに思われる。
(概略) 二定点を(±a,0)、円群を x2+(y-t)2=a2+t2 …① とおく。
円の中心 C(0,t)、接点 P(x,y)
とし、CP の傾き(方向一定の接線に垂直)を m(一定)とすれば、 y=mx+t …②
①、②より t を消去して、x2+2mxy-y2=a2 …③で xy の項が残る。
座標軸の回転(数学散歩Ⅱ‐4)を行う。XOY を原点Oの周りに角θ回転してX'OY'へ移す。
x=x'cosθ-y'sinθ
③に代入して、
y=x'sinθ+y'cosθ
x'2(cos2θ+m sin2θ)+2x'y'(m cos2θ-sin2θ)-y' 2(cos2θ+m sin2θ) = a2
x'y' の係数 = 0 とすれば、 tan2θ=m、cos22θ= 1/(m2+1) だから、
よって、直角双曲線
x'2 - y'2 =±a2/√m2+1
<230p> §4 接線
二次曲線 F(x,y)≡ax2+2hxy+by2+2gx+2fy+c=0…(1) 上の点P(x1,y1)における接線は、
ax1x+h(x1y+xy1)+by1y+g(x+;x1)+f(y+y1)+c=0…(2)
である。
(以下の説明は、本と異なる。)
(1) をx で微分する。 2ax+2hy+2hxy'+2byy'+2g+2fy'=0 より、 (ax+hy+g)+(hx+by+f)y'=0
よって点 P における接線は、 (ax1+hy1+g)(x-x1)+(hx1+by1+f)(y-y1)=0 …(3)
また、 点 P は曲線上だから、 F(x1,y1)≡ax12+2hx1y1+by12+2gx1+2fy1+c=0…(4)
ax1x+h(x1y+xy1)+by1y+g(x+;x1)+f(y+y1)+c=0…(2) を得る。
(3)+(4)により、
y1y=2p(x+x1)
上の点P(x1,y1) における接線は、
(イ) 放物線
y2=4px
2
2
x
y1y
x
y
1x
(ロ) 楕円
+ 2 = 1
〃
+ 2 = 1
2
2
a
b
a
b
2
2
x
x
y
x
y
1
1y
(ハ) 双曲線
- 2 = 1
〃
- 2 = 1
2
2
a
b
a
b
<232p>
問題 16
焦点Fなる放物線上の任意の一点 P における接線が軸と交わる点を T とすれば、FP = FT
(概略) 放物線を y2=4px とし、 点 P(pt2,2pt) とすれば接線は ty=x+pt2 ・・・・
問題 17
放物線上の任意の一点における接線へ、焦点から下した垂線の足の軌跡を求む。
(概略) 放物線を y2=4px とし、 任意の一点 P(pt2,2pt) とすれば軌跡 x=0 が得られる。
(本の答 頂点における接線)
問題 19
楕円上の一点における接線にその一つの焦点から下した垂線の足の軌跡を求む。
(概略) 楕円を x2/a2+y2/b2 = 1 とすれば、軌跡は 円 x2+y2= a2 が得られる。
(本の答 長軸を直径とする円)
問題 20
双曲線上の一点における接線にその一つの焦点から下した垂線の足の軌跡を求む。
(概略) 双曲線を x2/a2-y2/b2 = 1 とすれば、軌跡は 円 x2+y2= a2 が得られる。
(本の答 切軸を直径とする円)
<234p>
問題 25、26
25 楕円または双曲線において、互に直交する接線の交点の軌跡は円である。
この円を準円(director circle(of conic))という。
26 楕円に一つの長方形を外接させるとき、その対角線の長さは一定である。
二接点を、P1(x1,y1)、P2(x2,y2) としては上手くいかない。
(証明)
<楕円25> 接線の傾きをmとすると接線は、y=mx±√a2m2+b2 -mx+y=±√a2m2+b2…①
直交接線の傾きは-1/m だから接線は、m→-1/m として、 x+my=±√a2+b2m2 …②
交点の軌跡は、①2+②2 より、 円 x2+y2= a2+b2 を得る。
<双曲線25> 同様にして、
円 x2+y2= a2-b2 を得る。
2
2
a ≦b のとき、直交する二接線はない。
<26> <楕円25>より、長方形の四頂点は準円x2+y2= a2+b2 上にあって、
対角線の二頂点は原点対称で直径の両端になり、対角線の長さは
2√a2+b2 (一定)
<238p>
問題 31 <極座標系では>
焦点を極、焦点から準線へ下した垂線を始線にとれば、放物線、楕円、
l
r=
(*)
1-e cosθ
双曲線の極座標系における方程式は、e を離心率として次の形に書かれる。
何を出発点(前提)とするのかはっきりしない。(それぞれの曲線の標準形からか、
離心率 e からなのか、等々) また、楕円、双曲線には焦点が二つあり、取り方によって
異なる形になる。以下の記述の内容について点検をお願いしたい。
(解答概略)<離心率 e から>
H
L
P
焦点 F(F') 、準線 H(H')K、曲線上の点 P 、PF=r、
(H')
∠PFx=θとし、KF(F')=H(H')L=k とすれば、
r
PF
PF'
又は
(以下、略)
= e
k
θ
PH
PH'
x
K
F(F')
PF=ePH だから、r=e(rcosθ+k)
ke
l
∴ r=
=
(ke= l)
1-e cosθ
1-e cosθ
(イ) e = 1: 放物線
l
θ 0 π/3 π/2 2π/3 π 4π/3 3π/2 5π/3 2π
r =
1-cosθ
l
2l/3 l/2 2l/3
l
2l ∞
r ∞ 2l
0
π/2
π 3π/2 2π
(ロ) 0<e<1: 楕円 θ
P
H
l
l
l
l
r
r =
r
l
l
1-e cosθ
1-e
1+e
1-e
楕円の場合はPF'、PH' による。PF、PH であれば、r=e(k-rcosθ)
θ
k
x
ke
l
F
K
r=
=
となって問題の形(*)と異なる。
1+e cosθ
1+e cosθ
(e=0.5 などとして概形を考えるとよい。)
(ハ) e>1: 双曲線
cosα= 1/e (0<α<π/2) とすると、
l
① 0<θ<α、2π-α<θ<2πのとき、r<0 (極対称)で双曲線の
r =
1-e cosθ
左側部分(第2、3象限) ② α<θ<2π-αのとき、r>0 で双曲線の右側部分(第1、4象限) 0
…
α
π/2
π 3π/2 2π-α …
2π
θ
-l
l
-l
r
∞
l
l
∞
-
r
∞
l
l
∞
e-1
1+e
e-1
双曲線の場合については、PF、PH による。PF'、PH' であれば、r=e(k-rcosθ) で、
ke
l
r=
=
となって問題の形(*)と異なる。
1+e cosθ
1+e cosθ
いずれの場合も r>0 とすれば双曲線の半分のみ。(e=3 などとして概形を考えるとよい。)
<標準形から>
(ニ) 放物線
焦点 F(p,0)、準線 x=-p
P(x,y)、x=rcosθ+p、y=rsinθ、
y2=4px
2
2
P
代入して、 r sin θ=4p(rcosθ+p) より、
r>0 だから、 r = rcosθ+2p
r
r2=(rcosθ+2p)2
2p
θ
r=
0 F
1-cosθ
(ホ) 楕円 b2x2+a2y2=a2b2 (0<b<a)焦点 F'(-ae,0)、準線 x=-a/e
P
ae=√a2-b2 、 b2=a2(1-e2)、0<e<1、P(x,y)、x=rcosθ-ae、y=rsinθ、
代入して r について解いて、
r
a(1-e2)(ecosθ±1)
a(1-e2)
θ
r=
r>0
だから、
r=
1-ecosθ
F'(-ae,0) 0
1-e2cos2θ
焦点 F(ae,0)、
準線 x=a/e の場合、P(x,y)、x=rcosθ+ae、y=rsinθ、
代入して r について解いて、同様にすれば、
a(1-e2)
r>0 より、 r=
1+ecosθ
2 2
2 2
2 2
(ヘ) 双曲線
焦点 F(ae,0)、 準線 x=a/e
b x -a y =a b
P
ae=√a2+b2 、 b2=a2(e2-1)、e>1、P(x,y)、x=rcosθ+ae、y=rsinθ、
代入して r について解いて、
r
a(e2-1)(ecosθ±1)
a(e2-1)
θ
r=
r>0 だから、 r=
2
2
0
1-ecosθ
F(ae,0)
1-e cos θ
焦点 F'(-ae,0)、準線 x=-a/e の場合、
P(x,y)、x=rcosθ-ae、y=rsinθ、
代入して r について解いて、同様にすれば、
a(e2-1)
r>0 より、 r=
1+ecosθ
<238p>
§6 極(Pole)と極線(Polar line) (「数学散歩Ⅱ-9 2015.4.α 円」参照)
一点P1(x1,y1)と、2次曲線 F(x,y)≡ax2+2hxy+by2+2gx+2fy+c=0 …(1) が与えられている。
点P1(x1,y1)を通る任意の直線がこの2次曲線と交わる点Q、R の
点P1に関する調和共役点P
の軌跡は 直線ℓ:ax1x+h(x1y+xy1)+by1y+g(x+x1)+f(y+y1)+c=0 …(2) である。
点P1を直線ℓの極という。)
(ℓを円に関する極線、
<点Q、Rの点P1 に関する調和共役点P について>
2
1
1
=
+
P
P
P
Q
P
「数学散歩Ⅱ-4 2014.11 (ラストの)問題ε(調和に分かつ)」
1
1
1R
P1を通る直線は方向余弦を(λ,μ)として、x=x1+λt、y=y1+μt …(3)
(説明など)
2次曲線(1)に代入して
P2
(aλ2+2hλμ+bμ2)t2+2{(ax1+hy1+g)λ+(hx1+by1+f)μ}t+F(x1,y1)=0
t1、t2 は点Q、R を与える2根だから、点P に対する t は、
t1+t2
2{(ax1+hy1+g)λ+(hx1+by1+f)μ}
P1(x1,y1) 2
Q
1
1
=
+
=
=t1t2
F(x1,y1)
t1
t2
P
t
分母を払って整理すると、
(ax1+hy1+g)λt+(hx1+by1+f)μt+F(x1,y1)=0、(3)よりλt=x-x1、μt=y-y1
P3
R
を代入して整理すれば、
直線ℓ:ax1x+h(x1y+xy1)+by1y+g(x+x1)+f(y+y1)+c=0 (接線と同じ式)を得る。
(*) 点P1(極) が曲線上にあれば、極線はその点における接線になる。
極線 y1y=2p(x+x1)
(イ) 放物線
焦点 (p,0)
準線 x=-p
y2=4px
2
2
2
2
x1x
y1y
焦点 (±ae,0) (ae=√a -b )
x
y
(ロ) 楕円
+ 2 = 1
極線 2 + 2 = 1
2
準線 x=±a/e
a
b
a
b
2
2
2
2
x
x
y
焦点
x
y
(±ae,0) (ae=√a +b )
1
1y
(ハ) 双曲線
- 2 = 1
極線 2 - 2 = 1
2
準線 x=±a/e
a
b
a
b
<240p>
問題 34、35、36
34 放物線、楕円、双曲線の焦点の極線は準線である。
35 2次曲線に関して、点P1 の極線p1 が点P2 を通れば、 点P2 の極線p2 は点P1 を通る。
36 2次曲線の準線上の任意の一点の、この2次曲線に関する極線は常に焦点を通る。
(証明) (いづれも略、それぞれ確認されたい。)
<岐阜市立図書館で手にした本に面白いと思った問題がありました。>
「感動する数学(桜井進)」から2題
<103p>
B
y
A
x
∠ACB=30°
∠ACD=50°
∠BDC=60°
∠BDA=20°
のとき、
∠BAC=x、∠ABD=y
x、yは何度か?
<118p>
ピタゴラスの定理(三平方の定理)
a2+b2=c2 で、a=3、b=4、c=5
以外を見つける方法として、
32= 9= 4+ 5 ⇒ 32+ 42= 52
52=25=12+13 ⇒ 52+122=132
72=49=24+25 ⇒ 72+242=252
○を奇数の自然数として、・・・・・・
○2=△+□(□=△+1) ⇒ ○2+△2=□2
以上について等式の変形で確認してください。
20°
30°
60°
D
50°
C
以前、どこかで見かけたよう思いますが。
<118p>
<103p>
(2n+1)2 = 4n2+4n+1
= (2n2+2n)+ (2n2+2n+1)
= {(2n2+2n) + (2n2+2n+1)} × 1
A
x
= {(2n2+2n) + (2n2+2n+1)} × {(2n2+2n+1)- (2n2+2n)}
= (2n2+2n+1)2 -(2n2+2n)2
だから
(2n+1)2 + (2n2+2n)2 = (2n2+2n+1)2
B
y
E
20°
30°
60°
50°
D
C
辺BC上に、△AED が正三角形になるように
点E をとれば、・・・・・・・・
∠BAC=x=80°
∠ABD=y=30°