帰納的定義 数列と漸化式の関係は, 文章題と方程式のようなものといえる。植木算や鶴亀算などの文章 問題も,方程式を立てることを知れば, 一般的な方法で解くことができる。数列の場合も,漸 化式ができれば一般項が機械的な計算で求まることもある。 少なくとも,順次代入することで 必要な番号の値を知ることはできる。 漸化式は,漸化式が問題の中で与えられたときに解くだけのものだけではなく, 確率や場合 の数を求める場合に漸化式を立てて求める。数列を求めるために漸化式を立てる,ということ が大切だといえる。 例えば、確率や場合の数を求める場合の漸化式について考えよう。 自然数 に対して事象が 変化し, その事象の総数や確率が定まっていくような場合である。 その総数や確率の漸化式を立てるにあたって大切なことは, 起こりうるすべての場合を数列 に置くということである。こうすれば, のときのどの状態も 回試行を増やすことで, のときのいずれかの状態になるので, のときの事象が のときの事象からどのように定 まるかを, 樹形図や場合分けを考え,その相互関係を求めることで必ず漸化式ができる。 漸化式を立てるのは方程式を立てるのと同じ意味をもつことといえる。 神戸大学(確率と帰納的定義) 動点 が,図のような正方形 の頂点 から出発し,さいころをふる ごとに,次の規則により正方形のある頂点から他の頂点に移動する。 出た目の数が 以下なら辺 と平行な方向に移動する。 出た目の数が 以上なら辺 と平行な方向に移動する。 を自然数とするとき,さいころを にいる確率を 回ふった後に動点 が にいる確率を とする。次の問いに答えよ。 を求めよ。 さいころを を 回ふった後,動点 は または にいることを証明せよ。 を用いてそれぞれ表せ。 をそれぞれ求めよ。 大阪大学理系(箱に入れる確率) を 以上の整数とする。 個の球 に, と の順番に,球を箱に まず,球 を箱 に入れ,箱 個の空の箱 つずつ入れていく。 のどれか つに無作為に入れる。次に,球 が空でなければ残りの 個の空の箱のどれか について,球 が空ならば箱 一般に, 個の空の箱のどれか が入る箱は が がある。以下のよう を,箱 を,箱 が空ならば箱 つに無作為に入れる。 に入れ,箱 が空でなければ残りの つに無作為に入れる。 または である。これを証明せよ。 に入る確率を求めよ。 大阪大学理系(さいころの目の積の余りの確率) さいころを繰り返し投げ, す。 を 回目に出た目を で割った余りが である確率を とする。 回固までに出た目の積 とし,余りが を のいずれかである確率を で表 とする。 を求めよ。 を と 用いて表せ。 とおいて 求めることにより, を の式で表せ。 京大理系(場合の数) 先頭車両から順に から 色,青色,黄色のいずれか り方は何通りか。 まで番号のついた 両編成の列車がある。 ただし, とする。各車両を赤 色で塗るとき, 隣り合った車両の少なくとも一方が赤色となるような色の塗 京都大(数列と整数問題) を 以上の自然数とし, を次の性質 , をみたす数列とする。 に対して, が偶数のとき が奇数のとき このときどのような自然数 に対しても が成り立つことを示せ。 京都大(数直線上を動く確率) 投げたとき表が出る確率と裏が出る確率が等しい硬貨を用意する。数直線上に石を置き,この硬貨を投げ て表が出れば数直線上で原点に関して対称な点に石を移動し,裏が出れば数直線上で座標 の点に関して 対称な点に石を移動する。 石が座標 の点にあるとする。 回硬貨を投げたとき,石が座標 石が原点にあるとする。 を自然数とし, の点にある確率を求めよ。 回硬貨を投げたとき,石が座標 を求めよ。 東大文(数列と整数問題) 次方程式 の二つの実数解のうち大きいものを , 小さいものを とする。 に対し, とおく。 , , を求めよ。また, に対し, は正の整数であることを示し, 以下の最大の整数の の を と で表せ。 の位の数を求めよ。 の位の数を求めよ。 阪大理系前期(数列と整数問題) 素数 に対して によって整数 と を定める。ただし, が がすべて より大きい公約数 とする。 をもつならば, の倍数であるような のうちで積 であることを示せ。 が最小となるものを求めよ。 の点にある確率
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