IAIR 認定プラクティショナー ベーシックⅠ ∼脊柱∼

IAIR 認定プラクティショナー ベーシックⅠ
∼脊柱∼
脊椎を矯正する意義
・ 脊柱管内の流れをよくする
(脳脊髄液、神経伝達)。
・ 骨構造的安定性を改善する。
理論的背景:
関節は老化が進むと詰まって広がるという性質を持っている。
これにより神経根が圧迫され筋の機能、内臓の機能障害を起こ
すとされている。また、椎骨の変位による硬膜のねじれによっ
て脳脊髄液の循環に影響を及ぼす。
■脊椎の評価
ポイント:
・ 脊柱の歪みはつり橋の様に全体の相互関係によって生じている。
・ 頚椎と腰椎の歪みは関係が深く、胸椎はその両方に影響を及ぼす。
・ 歪みの方向左右。時計回り。反時計回り。前方後方。
・ 大きく歪んでいる椎骨はその上下に問題があることが多い。(サブラクセーション)
・ 大きく歪んでいても硬さが無い部位はバランシングの為に歪んでいる場合があるので矯
正しない。(カンパイセーション)
方法:
① スタティックパルぺーション
・ 上から下までの棘突起をなぞる様にして歪みを評価する。
・ 示指と中指を使用し相手の姿勢を崩さない程度に強く触れる。
② モーションパルぺーション
・ 歪みのある椎骨を一つずつ動かして固さと歪みの方向を評価する。
・ 固い箇所は矯正の対象とする。
歪みが大きくても固くない場合(カンパイセーション)は矯正せず、
他部位の矯正後にその変化を再確認する。
■脊椎の治療
<ポイント>
・左右の歪みをとって椎間を広げる。
・回旋+上下にしっかりと遊びを取る事が重要。
・特定部位の歪みに拘らず全体的な変化を診る。
・一度で完全に治そうと思わない
・固着が強い場合は矯正時強い痛みを感じることがある。
被術者にその事をしっかり説明する。
・矯正が進むにつれて被術者の身体が温まることを感じる。
方法:
①直接法
歪んでいる部位を直接的に矯正したい方向に動かす。
②間接法
歪みを強める方向に一度振ってから矯正する。
刺激に弱い方や歪みが強固な際に適している。
実技:座位(頚椎、胸椎、腰椎)
歪んでいる方から指を当て、
歪みの同方向に体幹を回旋伸展させて遊びを取り、
アジャストで椎間を広げる。
理論的背景:
第一頸椎は、約8㎏の頭部を支える最重要椎骨である。また、脊椎の中で最も小さい椎骨
であるが、最大の可動性を持つ。さらには、第一頸椎の解剖学的位置は脳幹、小脳、脊髄神
経に間接する位置にある。この構造から、外力に対して容易にサブラクセーションを起こし
やすい。脊椎全体の歪みは、あらゆる神経系のアンバランス、内蔵機能低下などの自律神経
問題があり、これらの支配中枢が位置している第一頸椎は脊椎全体のサブラクセーションに
影響する。(アトラス・オーソゴナルカイロプラクティックより)
■
実技
目的:椎間を広げる
<腹臥位>
①歪んでいる方から母指を当て、両母指で棘突起を挟む。
側方変位を取り、椎間孔を広げ(上方へ)待つ。
②下部胸椎∼腰椎部では、手根部を使うこともある。
③腰椎の前方変位では、腰椎上の皮膚を引っ張り
腰椎を引き出す。
また、皮膚の強い癒着のある場合は患者の腹部に
術者の両上肢を回し、上下に揺する。
その後、皮膚を引っ張り同様に腰椎を引き出す。
* 頸椎の場合、特に床方向への圧は頸椎の
前方変位を招くため避ける。
* 強い固着のある脊椎に対してはアジャストをかける。
■
胸郭テクニック
目的:胸郭の可動性向上
方法
・背臥位、もしくは側臥位。
・胸郭(肋間)を捻るように広げる。
※胸郭がアップライトするように、動きを加えていく。
■脊椎のメジャーポイントの評価
キネシオロジーテスト(筋反射テスト)を用いて、脊椎の中で最も問題のある脊椎(メジ
ャーポイント)を見つける。
※筋反射テストとは: 人間の身体、脳は自分自身に不利益(害)のある刺激、に対して筋
の緊張を高め、防御する能力があります。例えば人に殴られそうになった時、瞬間的に身体
を強ばらせ防御します。この無意識的な反応を利用して、身体の中の悪い部分(内臓、脳、
骨格、筋など)や心理的問題(トラウマなど)に対する質問をし、自分又は対象者の筋緊張
の変化を持って評価する方法。
■脊柱治療全体のポイント
・骨をとらえる
・しっかり詰めて歪みをとる
・アジャストする
■ 参考文献
・ 「アップライドキネシオロジー入門」Robert Frost (著) 栗原 修 (翻訳)
・ 「図説AKのテクニック―アプライド・キネシオロジーの理論と治療法」脇山 得行 (著)
・ 「アプライドキネシオロジーシノプシス」
栗原 修 (著)