週間天気予報解説資料 2016 年 2 月 29 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 3 月 1 日から 3 月 7 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):明日(3月1日)にかけて深いトラフが日本付近を通過し、千島近海で低気圧が発達して、北日本では大荒 れや大雪となるおそれがある。その後は期間の前半は、高気圧に覆われて西・東日本を中心に晴れる所が多くなるが、3日は北日 本に低気圧が接近して天気の崩れる所がある。期間の後半は、日本付近は高気圧が日本の東に離れて、発達した低気圧がサハリン 付近へ進むため、南からの暖湿気の影響を受けやすくなる。天気は、北日本と東日本日本海側は期間のはじめと終わりは雲が広が りやすく、雪または雨の降る日がある。東日本太平洋側から沖縄・奄美にかけては、期間の前半は高気圧に覆われて概ね晴れる。 後半は曇や雨の日が多い。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、アムール川下流に寒冷渦があり、中国東北区にトラフがのびる。日本の東で高度が高 く、北日本は負偏差。西日本と東日本は正偏差と負偏差の境界付近。沖縄・奄美では正偏差。予報期間は、華北およびアリューシ ャンの南がトラフとなり、日本付近はリッジとなる。日本付近は広く正偏差となる。 ●3月3日:西北西の流れの中を5400m付近のトラフが浅まりながら北日本に進み、5640mのトラフが西・東日本付近を通過する。後 面ではリッジが中国東北区に進む。地上低気圧もやや浅まりながら日本海北部から北日本付近に進む。北日本付近では雲が広が りやすく雪または雨の降る所がある。その他は5640m付近のトラフの影響は一時的で、高気圧に覆われて晴れる所が多い。 ●4~5日:西北西の流れが続くが、5日後半にはリッジが日本付近に進み、5400m付近のトラフが深まりながら中国東北区に進ん で、次第に西南西の流れとなる。地上では、高気圧が日本付近を東へ、5日には日本の東へ移動して、日本付近は次第に高気圧 の後面となる。一方、低気圧が発達しながら中国東北区に進む。4日は、高気圧に覆われて晴れる所が多い。5日は、西・東日 本では、雲が広がりやすくなり、雨の降り出す所もある。北日本では概ね晴れる。 ●6~7日:リッジが日本の東に進み、寒冷渦がアムール川中流付近へ進み、日本付近は西南西の流れが続く。寒冷渦を回る5400m 付近のトラフは、6日にサハリン付近へ進み、次のトラフが7日には朝鮮半島付近へ進む。地上では、高気圧が日本のはるか東 へ移動し、発達した低気圧が沿海州からサハリン付近を通ってオホーツク海へ進む。日本付近は高気圧の後面や低気圧に向かう 暖湿気の影響を受けやすい。6日は雲が広がりやすく、雨の降る所が多くなる。7日は全般に雲が広がりやすい。 ●沖縄・奄美:期間の前半は高気圧に覆われて晴れる所が多い。期間の後半は、気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、 雨の降る所がある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:6日の低気圧の位置は、アムール川下流~沿海州付近に予想するメンバーは全体の約6割、サ ハリン付近に予想するメンバーが全体の約4割ある。7日に日本の南~小笠原諸島近海に低気圧を予想するメンバーは全体の約 5割、北緯30度より北で関東の南東付近に予想するメンバーは全体の約1割ある。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、2~5日目は拡大、6、7日目は縮小した。特定高度線は、期間の後半、5400m線や5700m線の バラつきが大きくなる。 ・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は、3日北日本で縮小、5日西日本で拡大、6日西日本で縮小したが、東・北 日本で拡大した所がある。 ・ 予想T850時系列:全国的に期間のはじめは負偏差で、その後は正偏差に転じる。 2.防災事項等 ・ 明日(3月1日)にかけては、発達する低気圧の影響で、日本海側の地方を中心に荒れた天気となり、北日本では大荒れとなり、 大雪となる所もある見込み。 ・ 期間の終わりは、北日本を中心に荒れた天気となるおそれがある。今後の資料に留意。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 発達した低気圧は千島の東を東進し、次第に遠ざかり、日本付近は東シナ海から九州付近に進んでくる高気圧に次第に覆われる。 ・ 天気は、北日本や北陸は低気圧の影響が残り、雲が広がりやすく、北日本の日本海側を中心に雪が降る。その他の地方は晴れる 所が多い。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本と東日本日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多いが、期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる日 がある。 ・ 東日本太平洋側と西日本、期間の前半は高気圧に覆われて概ね晴れるが、後半は気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやす く、雨の降る所もある。 ・ 沖縄・奄美は、期間のはじめと終わりは気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨。中頃は高気圧に覆われて晴れる所がある。 ・ 最高気温・最低気温ともに、全国的に期間のはじめは平年並か平年より低いが、その後は平年並か平年より高く、期間の後半は 平年よりかなり高い所がある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
© Copyright 2025 ExpyDoc