週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 2 月 19 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
2 月 20 日から 2 月 26 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):短い周期で日本付近をトラフが通過し、天気は数日の周期で変わる。期間のはじめは、低気圧が発達しなが
ら日本付近を進むため、全国的に雨または雪の降る所が多く、荒れた天気や大荒れの天気となる所がある。また、期間の中頃は、
低気圧が日本海と本州の南岸を進むため、北日本や西・東日本の太平洋側で雨または雪が降る所がある。低気圧通過後は一時的に
冬型の気圧配置となるが、長続きしない。沖縄・奄美は、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、オホーツク海付近に寒冷渦があり、中国東北区から黄海付近がトラフ、日本のはるか
東がリッジとなり、北日本や東日本は正偏差で、西日本や沖縄・奄美は正・負偏差の境界付近。予報期間は、オホーツク海付近に
寒冷渦が停滞して、バイカル湖の西でリッジ、中国東北区付近がトラフ、日本の東ではリッジとなる。日本付近は高度が上昇して、
全国的に正偏差となる。
●22~23日:5400m付近のリッジが日本海から北日本を通過して、次の5400m付近のトラフが深まりながら日本海へ進む。地上で
は、22日は高気圧が日本付近から日本の東へ移動し、東シナ海で低気圧が発生して、23日には日本の南を東進する。また、
別の低気圧が沿海州から北日本へ進む。一方、東日本の南の下層シアー上に低気圧が発生して三陸沖へ進む。天気は、22日は
北日本日本海側では寒気の影響が残り、雪の降る所がある。その他は高気圧に覆われて晴れる所もあるが、東日本の南の下層シ
アーの影響で雲の広がる所がある。また、西日本では高気圧後面となり雲が広がりやすく、九州地方は雨の降り出す所がある。
23日は全般に雲が広がりやすく、北日本日本海側で雪や雨が降る所があり、西・東日本の太平洋側沿岸では雨の降る所がある。
●24~25日:5280m付近のトラフが日本の東に進む。地上では低気圧が千島近海から千島の東へ進み、日本付近は冬型の気圧配
置となるが、25日は高気圧が朝鮮半島付近に移動し、西から冬型の気圧配置は緩む。日本海側では曇りで雪や雨の降る所があ
る。太平洋側では晴れる所があるが、日本の南の気圧の谷の影響で雲が広がる所もある。
●26日:5280m付近のトラフは日本のはるか東へ進み、5700m付近のトラフが、東シナ海付近に進む。地上では、北日本中心に冬
型の気圧配置は次第に緩み、東シナ海には気圧の谷が進む。全般に雲が広がりやすく、北・東日本の日本海側では雪や雨が降る
所がある。
●沖縄・奄美:気圧の谷や湿った気流の影響で、曇りや雨の日が多い。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:23日に予想される低気圧の位置は、日本の東が全体の約6割、日本の南が約4割。北日本付
近に低気圧を予想するメンバーは全体の約半数ある。(重複あり)
・ スプレッド:昨日資料と比べて、期間の中頃は縮小し、他は拡大した。特定高度線は、期間の中頃まで概ね揃っている。期間の
終わりは各線ともバラつきが大きくなる。
・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は概ね変わらない。
・ 予想T850時系列:北日本、東日本、沖縄・奄美は、数日の周期で正偏差と負偏差で変動する。西日本は負偏差が続く。
2.防災事項等
・ 期間のはじめは、発達する低気圧の影響で、全国的に荒れた天気となり、北日本では大荒れの天気となるおそれがある。また、
気温が平年よりかなり高くなるため、積雪の多い所ではなだれや融雪に注意。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 発達した低気圧が北海道の東から千島近海を北東進し、日本付近は冬型の気圧配置となり、西日本の日本海側から関東以北は850
hPaの-6℃以下の寒気が流れ込むが、南西諸島は大陸から東進する移動性高気圧に次第に覆われる。
・ 天気は、北日本から東日本と西日本の日本海側は冬型の気圧配置や寒気の影響で雲が広がりやすく、日本海側を中心に雪や雨が
降る。西日本の太平洋側と南西諸島では晴れる所が多い。
・ 低気圧の影響が残る北海道では風雪の強まるおそれがある。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北~西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
・ 北~西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、雨または雪
の降る所がある。
・ 沖縄・奄美は、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。
・ 最高気温・最低気温ともに、平年並か平年より高い日が多いが、期間の後半は平年より低い所がある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。