国語(現代文・古文・漢文) 金沢大学 人間社会学域(法学類M方式除く) (前期) <総括> 出題数 現代文 1題・古文 1題・漢文 1題 1/4 試験時間 90 分 アイヌ語が衰退していった事情とその再生の可能性について考察した文章からの出題。文章は昨年より読み やすかった。ただし、設問は答えづらいものがあり、全体としては、難易度は昨年並である。 <本文分析> 大問番号 一 出 典 (作者) 『バイリンガルな夢と憂鬱』 (西成彦) 頻出度合 ・的中等 普通 分 量 前年比較 分量(減少・変化なし・増加) 昨年は 3682 字、今年は 3813 字で 131 字増加。 難 易 前年比較 難易(易化・変化なし・難化) <大問分析> 大問 ジャンル 設問 設問形式 難易度 一 評論 問一 問二 漢 字 の 書 標準 き取り 記述 標準 問三 記述 難 問四 記述 標準 問五 記述 やや難 コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 標準的なレベルである。 「アイヌ人」と「和人」の違いに注目し、 「不均衡」 である点を明確に説明する必要がある。 「本文中の記述を用いながら説明」することが求めら れているが、傍線部の理由を、本文中の記述を用いて 的確に説明することが難しい。 傍線部前後の表現をふまえつつ、傍線部に至る事情を 「ひと」と「アイヌ語」それぞれについて説明する。 本文に根拠となる内容が明確に書かれていないので、 本文に準拠した解答を作成しづらい。 ※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断し ています。 <学習対策> 論述を中心とした典型的な国公立大二次型の問題なので、学習対策としては、論述型の問題集で評論文の記 述問題を中心に、本文の正確な理解を前提とした適切な解答作成の練習を積んでおくとよい。 国語(現代文・古文・漢文) 金沢大学 人間社会学域(法学類M方式除く) (前期) <総括> 出題数 現代文 1題・古文 1題・漢文 1題 2/4 試験時間 90 分 『芭蕉を移す詞』からの出題。松尾芭蕉の俳文だが、江戸時代の文章からの出題は稀である。俳文は、スト ーリー性が乏しく、修辞が多用されているために煩雑で読みづらい場合が多い。今回も注も多くて読むのに 時間がかかったことであろう。 設問は、現代語訳が一問、字数制限付き説明問題が一問、制限なしの説明問題が二問の合計四問である。本 文のどこに注目するのかはわかるが、うまくまとめるのは難しい。 <本文分析> 大問番号 二 出 典 (作者) 『芭蕉を移す詞』 (松尾芭蕉) 頻出度合 ・的中等 出典は有名だが、入試の出題は稀 分 量 前年比較 分量(減少・変化なし・増加 )昨年は 560 字、今年は 741 字で 181 字増加。 難 易 前年比較 難易(易化・変化なし・難化) <大問分析> 大問 ジャンル 設問 設問形式 難易度 二 俳文 問一 記述 標準 問二 記述 標準 問三 記述 やや易 問四 記述 やや難 コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 「風土芭蕉の心にやかなひけむ」と判断する根拠を答 えさせる問題。傍線部の後に解答に該当する箇所があ るので、それに気づけるかどうかがポイント。 内容説明問題。 「遠き旅寝の胸」に積もる心情を説明 させる問題だが、 「簡潔に」という設問にどの程度答 えてよいのか迷うところ。 現代語訳問題。基本的な古語と語法及び、 「この」の 指す内容を補って答えるだけなので、それほど難しく はない。 筆者の、芭蕉(植物)に対する考え方を答えさせる問 題。傍線部の前後にある事例をまとめ、芭蕉のあこが れる荘子の考え方を加えて答える必要がある。 ※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断し ています。 国語(現代文・古文・漢文) 金沢大学 人間社会学域(法学類M方式除く) (前期) 3/4 <学習対策> 例年、出題される文章は、難易度の高いものではない。まずは、基本的な文法事項を習得し、一つでも多く の古語を覚えること。そのためには、少しでも多くの古文にあたり、そのつど、単語・文法を確認するとい う姿勢を保つことが大切である。また、さまざまなジャンル・時代の古文を読むというオーソドックスな練 習が、読解力養成のためにも、もっとも効果を発揮する方法である。その際、人物関係・登場人物の行動・ 心情などに注意を払い、常に場面を思い浮かべながら読むことを意識する。また、例年、少々解答しづらい 説明問題などがあるので、 「読む」だけでなく、 「書く」 「まとめる」という練習も忘れずにしたい。読解でき ていても、説明できないのでは得点につながらない。 国語(現代文・古文・漢文) 金沢大学 人間社会学域(法学類M方式除く) (前期) <総括> 出題数 現代文 1題・古文 1題・漢文 1題 4/4 試験時間 90 分 本文は、親の諱(本名)に含まれる文字を口にすることを憚る習慣の世で、話し相手に対してそれぞれの父 親の諱を用いて巧みにやり返した王慈の機知について述べたものである。本文の文字数は昨年に比べやや増 加し、内容も読み取りにくくなった。設問数は昨年より 1 問減り 3 問になった。すべて記述式の問題である。 昨年出題された語の読みの問題・書き下しの問題がなくなり、現代語訳が三問問われた。 <本文分析> 大問番号 三 出 典 (作者) 『南史』巻二十二(唐・李延寿) 頻出度合 ・的中等 稀 分 量 前年比較 分量(減少・変化なし・増加) 昨年は 90 字、今年は 106 字で 16 字増加。 難 易 前年比較 難易(易化・変化なし・難化) <大問分析> 大問 三 ジャンル 史伝 設問 設問形式 難易度 問一 記述 やや易 問二 記述 標準 問三 記述 やや難 コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 現代語訳の問題。A「未即」は「すぐには~ない」 と訳す。B「何如」は送り仮名から選択形「いづれ ぞ」と判断する。 現代語訳の問題。 「大人」は王慈の父親である王僧虔 を指す。 「鶏」と「鳳」は存在の優劣をあらわす言葉 として用いられている。 内容説明の問題。(1)蔡約の発言は王慈の父の諱「僧 虔」を踏まえたもの、(2)王慈の発言は蔡約の父の諱 「興宗」を踏まえたもの、この二点を核として答案 を作成する。 <学習対策> 基本句形や重要語などの基本に習熟することが大切。これまでに硬質の論説や史伝・説話・漢詩などの様々 なジャンルの文章が出題されているので、多様な文章の読解を積み重ね、平易な現代語に改める練習や、要 約の練習、登場人物の発言や行動の意味を考える練習をする必要がある。問題集や他の国公立大学の過去問 を数多く解くなど、二次対策の問題練習を重ねるのがよい。
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