Q&A

第5回講義の質問
Q. Gabriel法の最後のところがわからなかった。
Q. Gabriel法の酸+水というところの反応がわかりません。
A. 3つの反応が進行します。
(1)エステルの加水分解、(2)脱炭酸、(3)イミドの加水分解
5
3
4
1
ストレッカー
Q. Strecker反応でヒドロキシ基が脱離するところについて、
プロトン化した後に水として脱離しないのか?
A. 鋭いですね。その経路も十分考えられます。
脱離能はヒドロキシ基<<オキソニウムです。
ただ、反応条件がNH3+HCNで弱酸性~中性条件なので
ヒドロキシ基のプロトン化がそれほど速くない可能性が
あります。
2
加熱
(–CO2)
2
プリントの反応機構
–EtOH
–フタル酸
質問者の
反応機構
2
2
2
2
Q. Gabriel法の詳しい反応機構は覚えるべき?
A. 授業でも質問コーナーでも扱ったのでぜひ覚えて下さい。
Q. 光学分割はどのくらいの精度でラセミ体を分割できるのか?
A. 化合物によります。うまくいけば1回の再結晶によって
光学的に純粋(>99%ee)になることもありますが、大抵は
数回再結晶しないといけません。
Q. 99%eeの「99%」はR体とS体の差と説明しましたが、これは
99.5%がR体で0.5%がS体であってますか?
Q. ペニシリン作るところの反応機構を詳しく知りたい。
Q. ペプチドの分子内縮合がわからなかった。
A. カルボン酸と第二級アミンの縮合です。反応機構は
分子間の場合と全く同じです。
色つけた部分をRーCO2HとRーNHーRと置き換えて下さい。
A. あってます。厳密には「どっちか多い立体と少ない立体の差」を
「R体とS体の和」で割ってやった値です。
百分率の時には「R体とS体の和」=100なので計算がラク。
Q. ニトリル基とホルミル基って何ですか?
A. ニトリル基=CN
ホルミル基=CHO
です。
Q. フェニル基とベンジル基って何ですか?
A. フェニル基=Ph
ベンジル基=CH2Ph
です。
Q. こっちの反応の方が5員環作るので
速そうですが反応しないんですね。
A. おそらくアミドの水素の酸性度が
小さいので遅いと思われます。
OPh
OPh
H
N
O
Cy
N
N
H
S
O
O
HN
S
O
CO2K
NHCy
H
O
HN
CO2K
Q. BnBrはアミノ基を保護できますが、Boc2OやCbzClは
カルボキシ基を保護できますか?
A. できますが、あんましやりません。
できる生成物が無水物の形になり、求核剤に対してかなり
弱い構造になってしまうためです。
ただし、カルボキシ基の酸性水素だけなくしたい時には
Boc2Oによる保護法は使えるかもしれません。
カルボン酸同士の
酸無水物
カルボン酸と炭酸の
酸無水物
Q. Bn基がカルボキシ基よりアミノ基に先に入る理由をもう1度。
A. アミノ基とカルボキシラートの求核性の差です。
アミノ基>カルボキシラートです。
さらに言うとBnBrを使ってアミノ基部位をBn化しようとしたら
1個Bn基が入ったアミノ基がまだ求核性を持っているので
過剰なBn化が進行してあんましうまくいきません。
ただし、使う試薬や条件を工夫すればカルボキシ基側だけに
Bn基を導入することも可能です。
Q. Bn基つけるときに、前もってCbz基をアミノ基につけられない
のはなぜですか?
A. つけれます。NをCbz保護してからOをBn保護するのが基本。
Q. 下の反応式で、Boc基も外れないのか?
A. 外れません。Boc基は水素添加条件だと反応しません。
Bn基だけ特殊で水素添加で外れます。
酸性条件だとNがプロトン化されて
求核性がなくなることを利用
Q. ジペプチドは本当に8000通りもありますか?相性の悪い
アミノ酸とかありますか?
A. 天然α-アミノ酸のトリペプチドのことですか?(203=8000)
実はそれ以上あります。側鎖にアミノ基やカルボキシ基が
ついてるやつがペプチド結合を作ることもあります。
H
N
O
Q. Boc基、Cbz基、Bn基は常温で液体ですか?
A. Boc2O、CbzCl、BnBrのことですか?
全て液体です。ただしBoc2Oは冬に凍ります(mp = 22度)。
Q. アミノ基にBn保護した後にカルボキシ基にもBn保護すると
保護だらけになってしまう?
A. 確かにそうですね。通常は選択的に脱保護するため目的で
アミノ基とカルボキシ基の保護基の種類を変えます。
保護だらけなアミノ酸が必要な理由は今日の授業で説明予定。
H
N
H2N
O
N
CO2H
H
CO2H
Gly–Glu–Ala
H2N
O
CO2H
O
N
H
Gly– -Glu–Ala
CO2H
相性悪い組み合わせはあんましないですが、同じアミノ酸が
何個も連続したペプチドを作ろうとすると溶解度が極端に
悪くなって作りにくいことがあります。
Q. アミノ酸の構造式を描くとき、立体を考慮するときはくさび形、
考慮しない時は普通の単結合で描くという認識でOK?
A. それでOKです。
Q. 濱島先生の「エナンチオマー」のイントネーションに違和感が
あるのですが、正しい発音を教えて下さい。
´
´
(ɛnæntiəmə)です。
A. enantiomer
Q. 構造式とか反応機構をどうやってパソコンで書いてるんですか?
簡単な方法を教えて下さい。
Q. 水素のバルーンがどんなものかイメージわきませんでした。
A. 普通のゴム風船に水素を入れたものです。
赤ボンベから風船に
H2ガスを注入して使用
ここにH2が
入ってる
A. 使ってるのはChemDrawのみです。
矢印の描き方とショートカットキーを覚えると捗ります。
Q. 反応機構の問題出たらとても難しいと思うけど覚えておいた
方がいいんですよね?覚えるか迷います。
A. 迷ってる時間を覚える時間に使ってください。
Q. 急激な抗えない眠気に襲われた時はどうすればいいですか?
A. 寝てもいいですがテストの時はがんばって解いてから寝るのを
強くお勧めします。
マジレスするとカフェインの錠剤とかカフェイン飲料とか?
Q. ペプチドは何個目から「ポリ」ですか?
A. 人にもよりますが、数えるのが面倒くさくなったら「ポリ」です。
Q. 聞いて書いてを速くやるコツを教えて下さい。
A. わかりません。場数をこなすことくらいでしょうか?
Q. 電子の動かし方が難しいです。
Q. 「頑張れば合成できる」の「頑張れば」って何ですか?
筋トレですか?
A. ゴリ押しで反応させるときに使います。
有機合成は時に体力と気合勝負になる
こともあります。
TCIという試薬会社はそれを理解して
いるのか、毎年いろんな頑張ってる感を
出しているTシャツを作って配っています。
TCIのHPより引用
Q. 「芳香族性を持つ」ということはどういうことですか?
A. 例題の1-(2)ですね。ぜひとも自分で考えてみてください。
Q. 下の反応で4位に脱離基がある場合は4位で反応しますか?
A. 結構難しい問題です。反応例を調べましたが報告されて
いませんでした。4位のクロロ基が少し電子求引性なので、
たぶん無秩序に2位にも4位にも反応すると考えられます。
A. 「電子は多いところから少ないところへ動く」のが大原則です。
電気陰性度の大きさとpKaがポイントです。
Q. 薬学部に入ったからには有機に強くなるべきですか?
A. 強くなるべきです。国試にも出ます。会社入ると必要です。
Vollhardt
菅
Q. 管先生のVolhard先生と友達というのは本当ですか?
A. あのお方は「1回会って飲みながら話したら友達」という認識の
ようですのでたぶん友達です。
実際の反応例だと、NaNH2のような非常に強い求核剤を
使う必要はなく、NH3でさえ反応するようです。この場合は
4位にアミノ基が入って求核置換反応になるようです。
以下の質問はよくわかりません。
Q. 推し刀は誰ですか?(斬鉄剣?)
Q. サコク?ていとく?(試験監督?)