2015/06/19 確率変数 2つのサイコロを投げて出た目の和が偶数であ る(丁)か奇数である(半)かをみる試行におい て標本空間Ωは 統計学1 Ω={丁、半} となります。いま1回に1000円賭けて、丁であれ ば1500円もらえ、半であれば0円もらえるとして 標本点に対して賞金の金額を対応させる変数X を確率変数という。 確率変数 起こりうる結果 賞金X バイ ヤーが受け取る 金額Y 確率 半 1500 -500 1/2 丁 0 1000 1/2 確率変数 確率変数 確率変数には、確率変数の各値をとる確率 が与えられており、数学で用いる変数とは少 し異なる。確率変数Xの値とその値をとる確 率を表したものを確率分布と呼び、確率を 例:2つのサイコロの和 1から6の目が出る確率が等しい2つのサイコロ を振り、出た目の和をXとする。このときXは確率 変数であり、確率分布は下表のようになる。 出た目の和X 確率 サイコロ1 サイコロ2 1 2 3 4 5 6 で表す。また、確率変数Xは確率分布に従う という。 離散型確率変数 前述のように、確率変数のとる値が1個2個3 個・・・と数えられる場合、その確率変数は離散 型確率変数という。 離散型確率変数Xの取り得る値が であるとき、 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1/36 2/36 3/36 4/36 5/36 6/36 5/36 4/36 3/36 2/36 1/36 1 2 3 4 5 6 2 3 4 5 6 7 3 4 5 6 7 8 4 5 6 7 8 9 5 6 7 8 9 10 6 7 8 9 10 11 7 8 9 10 11 12 離散型確率変数の確率計算 表と裏が出る確率が等しいコインを3回投げた とき表の出る回数をXとする。 表の出た回数X 確率 0 1/8 1 3/8 2 3/8 3 1/8 表が2回以下しか出ない確率は となる。 となる。 1 2015/06/19 表の出た回数X 賞金Y 確率 期待値(平均) 先ほどのコイン投げにおいて、掛け金に応じて 表が出た回数倍の賞金がもらえるとする。例え ば1000円かけると賞金は下表のようになる。 表の出た回数X 賞金Y 確率 0 0 1/8 1 2 3 1000 2000 3000 3/8 3/8 1/8 0 0 1/8 1 2 3 1000 2000 3000 3/8 3/8 1/8 1回当たりの期待される賞金は であり、1500円の賞金がもらえるかもしれない。 一般的な賭け事では、 (掛け金)>(1回当たりの期待される賞金) である。 1回当たりの期待される賞金は 確率変数X 確率 宝くじ1枚の中身(宝くじ公式サイトより) 140円 121円 x1 p1 x2 p2 ・・・ ・・・ xn pn 一般に確率変数Xが上表のような確率分布に 従うとき、確率変数Xの期待値(平均)は で与えられる。また、確率変数 の期待値は 4円 36円 で与えられる。 確率変数の分散 3回のコイン投げでは 確率変数の散らばり具合を表す指標として分 散がある。 2 2015/06/19 連続型確率変数 確率変数の値が連続的に変化する場合、その 確率変数は連続型という。 右図のような溝に球を転が し止まった座標をXとする。 ただし、球は区間のどの点 に止まることも同程度に期 待できるとする。 連続型確率変数はある値になる確率は0であり、 取り得る値に幅を持たせると確率は0ではなくな る。 この例では、0から10のどこにも同程度で止まる ことが期待できるので、下図のような確率のよう なものを考えることができる。 連続型確率変数の確率 球が区間3≦X≦5に止まる確率は となる。球がX=4に止まる確率は になる。 この線の下側面積が確率に対応していることが わかる。この関数のことを確率密度関数という。 一般的には確率密度関数は曲線で、非負関数 である。 連続型確率変数の場合、確率変数の値が連続 的に変化するため、a≦ X ≦b の確率を 連続型確率変数の期待値・分散 期待値は で表す。離散型確率変数と同様に 分散は である。 3 2015/06/19 確率変数の分散 確率変数Xの分散は、数学的な計算をすると 3回のコイン投げでは でした。 と書くことができる。 変換後の期待値と分散 演 習 確率変数Xを、定数a,bを用いてY=aX+bと変換し たとき、変数Yも確率変数となる。変換した確率 変数の期待値や分散は 2つのさいころを投げる試行において、出た目を大きさ の順にY≦Xとする。このとき、確率変数XとYの期待値を 求めよ。(例えば、4と5が出た場合X=5,Y=4、2と2が出 た場合X=2,Y=2 ) となる。 X 1 2 3 4 5 6 確率 /36 /36 /36 /36 /36 /36 Y 1 2 3 4 5 6 確率 /36 /36 /36 /36 /36 /36 4
© Copyright 2024 ExpyDoc