昭和41年 北海道各地で分離されたブ ドウ球菌の抗生物質感受性

CHEMOTHERAPY
VOL.16NO.6
805
昭 和41年 北 海 道 各 地 で 分 離 され た ブ ドウ球 菌 の抗 生物 質 感 受性 に つ い て
吉 岡
一 ・佐 竹 良 夫 ・村 山 隆 志
北 海道大学医学部小児科学教室(主 任:山 田尚達教授)
(昭和42年12月31日
1.は
昭 和41年
し
が
き
受 付)
はmcgを
北海 道 各 地 に お い て 分 離 され た コア グ ラ ー
ゼ陽 性 ブ ドウ 球 菌 の 抗 生 物 質 感 受 性 と,ツ
ァー ジ型 を し
用いた。
フ ァ ー ジ 型 別 に 用 い た 標 準 フ ァ ー ジ は,群
部 第 一 外科
らべ,従 来 に 較 べ て 抗 生 物 質 耐 性 株 の 増 加 しっ つ あ る こ
26種
と,標 準 型 別 用 フ ァ ー ジに よ る型 別 率 が 漸 次 低 下 しっ つ
&BLAIRの
あ る こ とを 知 つ た◎ 以 下,こ れ らの 成 績 にっ い て報 告 す
7一
石 原 教 授 か ら,昭
で,第2表
和41年
標 準 法 に よ つ たi)。 結 果 の 表 現 の うち,フ
ジ 型80/81群
に つ い て は 前 報3)の 記 載 に 従 が つ た 。
III.結
料 と 方 法
る。 昭 和41年
の よ うで あ
中 に これ ら の 各地 で 化 膿 性疾 患 か ら分 離
され た ブ ドウ球 菌 は500株
で あ つ たが,コ
験 を行 なつ た とこ ろ,329株
ア グ ラ ーゼ 試
が 陽 性 だ つ た の で,こ れ ら
に つ い て のみ 以後 の検 査 を 行 な つ た。
と73株
次 に,対
は100単
ー トイ ソ フ ユ ー ジ ョン寒
以 て表 現 した。 用 い た 抗
ニ シ リンG(PC-G),ス
トレプ トマ
ロ ラム フ ェ ニ コ ール(CP),テ
チ ル フ ェ ニル イ
との 抗 生 物 質 につ い て
株
北
大
病
院
札幌 社 保 中 央 病 院
数
241(73.3%)
12
第2表
性 の 分 布 で あ る 。MPI--PCとCERで
型 別 に 用 い た 標 準 フ ァー ジ
29,52,52A,79,80
2c,3b,3a,55,71
6,7,47,53,54,75,77,D,B5,42E,
77ad,83A,1380
42D
81,187
PC-G
2
噌1
Qり
329(100%)
の ピ ー クの あ る こ と が わ か
た いす る抗 生物
MIC
抗生 物質
16
5
そ れ ぞ れ 高 い 分 布 を 示 し,耐
質 のMIC
16
5
上 と02mcg!
第3表StaPh.aur.var・209Pに
3
噌⊥
院 院院 院 院 院 院院 院
立 立 赤井 立
病 病 病 病 病 病 病医 病
生 赤野
路
釧
厚
市 市
市
日太 牧
日藤
広
・内 樽
川
4
見
苫 稚 小 北 滝
帯
計
で あ る。 濃 度
対 象菌 株 の 由 来
設
る◎ す な わ ち2峯
ナマイ シ
群 群
W 雑
第1表
は50mcglmlと
上 と0.2mcg/mlに,KMは100mcg/
上 と0.8mc9/mlに
群
巫
み 単 位 で 表 現 し,あ
あ とは 各 濃 度 に 一 様 な
の抗 生 物 質 の場 合 の よ うな 感 受 性 菌 の
性 菌 と感 受 性 菌 に よ る2つ
群 群
- 葺
フ ァ ロ リジ ソ(CER),メ
施
トラサ
リス ロ マイ シ ン(EM),カ
ソキ サ ゾ リル ペ ニ シ リ ン(MPI--PC)の8種
はPC-・Gの
上 が63。9%で
m1に,CPは50mcg/m1と6.2mcg/mlに,EMは
ml以
ン(KM),セ
の ブ ド ウ 球 菌 に 対 す るMIC
集 団 とみ ら れ る も の は な い 。SMで
は最 小 発 育 阻 止濃 度(MIC)を
イ ク リン(TC),エ
の よ うで あ つ た ◎
の よ う な 結 果 を 示 した 。す な わ ち,PC-G
位/m1以
100mcg/m1以
イ シ ン(SM),ク
象 と した329株
の 分 布 は 第4表
天 培地 を基 礎 培 地 とす る 平 板稀 釈 法 で 行 な い,そ の 結 果
生 物 質 の種 類 は,ペ
た い す るMIC
達 の 方 法 に よれ ば 第3表
1.6mcg/m1に,TCは100mcg/m1以
で あつ たo
抗生 物 質 感 受 性 の 測定 は,ハ
は,私
分 布 を 行 な い,他
菌株 の 由来 を,入 院患 者 と外 来 患 者 に わ け る と,そ れ
ぞ れ256株
果
1StaPhylococcusaureusvar.209Pに
対 象 と した ブ ドウ球菌 の 由 来 は,第1表
76
(23.1%)
うけ た
に 示 す よ う で あ る 。 型 別 法 はWILLIAMS
るo
II.材
馬大学医学
に分与 を
0.05単
SM
100mcg/ml以
CP
3.2mcg/ml
TC
O.05mcg!ml
EM
O.05mcg/ml
KM
O.8mcglml
CER
O.05mcg/m1
MPI-PC
0.05mcg/ml
位/m1以
下
上
SEPT。1968
CHEMOTHERAPY
806
第4表1966分
呵1、
離 株 のMIC分
TC
」PC-GISM
Q9
6
09
ハ6
-占
8
1100
7ξ
ハ0
ρ◎
-∴
4
50
Qり
0J
∩∪
リム
ハU
25
2.1
12.5
5.8
6.3
7.0
0.3
3.2
5.2
3.1
1。6
1.0
32.4
0.8
1.0
1、5
0.4
0.3
0.3
0.2
0.3
0.3
>100
CP
42・gl
EM
KM
54.5
21.5
27・4i2・1
1.2
0.6
2.ユ
0.61.2
0.3
1。5
4.6
0.93.0
0.3
0.6
1.2
0.3
0.6
2.4
37.7
0.6 22.5
1.8
O.3
1、5
50.5
O.3
9.7
2.7
1.2
i2.2
34.7
0.6
9.1'
4.3
0.3
0.9
15.2
5e.1
34.1
36.2
28.3
1i
1
6,7
沖1図
74.9
77,0
35.4
55.5
57.6
70.2
71.0
71.6
2.1
33.8
35.0
54.5
54.9
55.2
22.8
23.4
24.9
0
0
0
0
0
0
入院患者株
256
PC_G
外来患者株
73
200(78・1%)146(63・0%)
13・7
SM
り5
71.6
第6表MIC50単
位 ま た はmcg/m1ま
たはそれ以
上 の 耐 性 菌 の入 院 外 来 別 の 頻 度(329株)
11.0
1.8
1.0
<0.05
EMl
KMl
MPI-pciI
CERl
0.9
1.2
2.7
0.9
0.05
cpi
19.2
1:110.3
0.1
PC-G
SM
Tci
0.3
各濃 度の耐性菌 の頻 度
25mcg(u)ノ
100m、cg(u)ノ
50mcg(u)/
たは
m1ま
た は m1ま
た は mlま
それ以上
それ以上
それ 以 上
MPICER
PC
0.6Bl.6
1.5
第5表
布(329株)(%)
1器:1鋤
TC
抗 生 物 盾 の 最 小発 育 阻 止 濃 度 分 布
70
】966
PCG
EM
禿
ε0
KM
φ紛
50
97て)
40
一 般 に 非 常 に高 率 を示 した。
耐 性 菌 の頻 度 を,入
網勧
30
ぐ、 亀
つ
20
難:鶏
97(37.9%-14(19.2%)
160(62.5%>i20(27.4%)
65(25.4%)i12(16.4%)
CP
る と,第6表
院 患 者 と外 来 患 者 の 由来 別 にわ け
の よ うに,い ず れ の 抗 生 物 質 に 対 して も入 院
株 の ほ うが 耐 性が 高 く,こ の 差 異 の特 に 著 しい の はSM,
CPお
ぞ
10
よびEMで
あつた。
北 大 病 院 と,札 幌 市 以 外 の 各 地 か ら集 め ら れ た 株 に分
け て比 較 す る と,第7表
o
\GO5Q,"
)「
1.6
吟
ε3
25100100く
mcgノ 認
2.菌
は,そ
れ ぞ れo・2mcg/mlとo・4mcg/m1に
殆 ん どの
も の が 集 中 し,耐 性 菌 と見 られ る もの は な い。 これ ら を
図 に あ らわ す と第1図
の よ うで あ る。
の よ うに,札 幌 以 外 で 分 離 され
た 菌 株 に お い て は耐 性 が 極 め て低 い こ とが わ か る。
の フ ァー ジ 型 別 の 結 果 は 第2図
4,9%,皿
群5、2%,混
合 群3.1%で
入 院 外来 別 に わ け る と,第8衷
次 に,各 種 の抗 生 物 質 に対 す る 耐 性 株 の 出 現 頻 度 は 第
に示 す よ うに,
型 別 率42.9%,80/81群26.7%,1群3.1%,E群
37・5%と57.5%で
あ つ た。
の よ うに,型 別 率は
外 来 患 者 が 高 く,80/81群
に 関 して
5表 の よ うで あ る。 多 くの 抗生 物 質 に た い す る耐 性 濃 度
は 両 者 の百 分 率 が ほ ぼ 等 しい か ら,こ の 差 は 外 来 患 者株
は100単
に フ ァー ジ型 工,∬ お よび 皿群 が 多 い とい う こ とが 理 由
位 ま た はmcg/ml以
単 位 また はmcg/m1以
上 の こ とが 多 い が,50
上 を とつ て も100単
位 また は
に な つ て い る。 地 区 別 で は 第9表
mcglml以
上 を とつ て もそ の 頻 度 は ほ ぼ 等 し い 。 しか
株 の 型 別 率 は35.2%,札
し,CPに
限 り耐 性 株 は50mcg加1の
が 高 く,内 訳 は80/81群
mcglm!以
上 の もの は 少 な い。 こ れ ら の 理 由 か ら一 般
に,耐
性 菌 はMICで50単
もの が 多 く,100
位 また はmcg/mlま
たは
が や や 多 い こ と,∬ 群,皿 群 の
の 全 菌 株 の うち,外 来 株 は73株(22.2%)で
に,北 大 病 院 株 で は233株
PC-Gに
外 の地 区 の もの で は76株
71.0%,CPは33.8%,EMは54.9%,KMは23.4
%,MPI-PCま
た はCERは0%と,後2者
後者
頻 度 が 高 い こ とが 特 徴 で あ つ た。 前 述 した よ うに329株
そ れ 以上 の もの を 指 す の が 妥 当 で あ る。 こ の 材 料 で は
対 す る耐 性 菌 は74.9%,SMは55.5%,TCは
の よ うに 北 大 病 院 分離
幌 以 外 の も の は57.9%と
中38株(16,3%),札
中31株(40.8%)と
あつたの
幌以
札幌以
外 の地 区 の も の では,外 来 株 の 頻 度 が 高 い か ら,こ の こ
を 除 く と,
とが 外 来 株 と札 幌 以 外 の地 区 の株 との 間 の 近 似 性 の1因
CHEM◎[rHERAPY
VOL.16NO.6
807
第9衷
ブ ドウ球 菌 の 地 区 別 由来 と フ ァー ジ型
,>1・i2図1966分 離 株 のワァージ 型
i雑
北大病院分離株
51(22.8%)
7(3.0%)
8(3.4%)
9(3.9%)
7(3.0%)
80/81群
/厨_∵,、
1群
皿群
傷
/
皿群
嚇 ∴
齢 ㌦諜
混合群
多
糟
型 別不能i
以外駆 の分
124(31
.6%)i
3(3・9%)}
(・
・ll%)i;lg:謝(・
・41%)
13(3.9%)1
151(64.2%)
32(42.1%)
計
233(100%)
76(100%)
第10表
各 抗 生 物 質 に耐 性 の 株 数 と フ ァ ー ジ型
型 宕リ率42,9%
第7表MIC50単
位 ま た はmcg/mlま
た は それ 以
上 の 耐 性 菌 の 由来 地 区 別 の頻 度(309株)
北大病院分離株
233
型 別 可 能 の もの
札 幌 以外 の地 方 か
らの分 離 株
76
瓢
8・/8・群i8981譜
株
数
能1計
8853}188329
{-1
PC-G
1・9・(8・
SM
36(47.4%)
・5%)
1157(67.2%)
}188(81.0%)
}102(44 .0%)
168(72.0%)
73(31.5%)
TC
CP
EM
KM
第8表
24(31.6%)
7(9。2%)
6(8.2%)
969(3
。5%)
11(4.3%)i
混合群
計
11i123
20・8%卜65・5%
TC
79
90.0%
24、5%
CP
26
29、5%
4
7.6%
81
42.5%
111
33.8%
EM
43
49.0%
10
18.9%
125
(66.5%)
180
54.7%
KM
21
23.9%
5
9.4%
42
(57.5%)
8(11.0%)
3(4.1%)
160(62.5%)
31(42.5%)
256(100%)
73(100%)
77
23.4%
49
26.ユ%
0
0
0
0
CER
0
0
0
0
百 分 率 は 各 群 の株 数 に た い す る耐 性 菌 の頻 度
抗 生 物 質 の うち,1剤
とな つ て い る の で あ ろ う。
3.ブ
141233
75.0%70.9%
MPI-・PC
m1以
の よ うで あ る。 フ ァ ー ジ型 を80181
群 と80181群 以 外 の もの に 大 別 す る と80!81群
て耐 性 の 頻 度 が 高 い 。 これ に 較 べ て80/81群
は きわ め
以 外 の もの
以上 に対 して50単 位 また はmcg/'
上 の耐 性 を示 した も の は329株
%)で あ つ た。1剤
ドウ球 菌 の 抗 生物 質 感 受 性 と フ ァー ジ型 の 関 係
につ い て は 第10表
13
182
55.4%
5(6。9%)
7(2・7%)1
型別不能
48
54。5%
20(27.4%)
.5%)(37
皿群
SM
2(2。6%)
外来患者株
4(1.6%)1
皿群
17142i246
32・1%75・5%1748%
3(3。9%)
外 来 ・入 院 別 由来 と フ ァ ー ジ型
65(25.4%)1
1群
き7
98.9%
16(21.1%)
入 院患者株
80181群
PC-G
中260株(79.0
のみ に 耐性 の ものは 少 な くて8.1%,
2剤 が11.9%,3剤,4i剤,5剤,6剤
20%を
が そ れ ぞれ 約
示 した。
4剤 以 上 の 耐 性 を示 す もの は フ7一 ジ型80/81群
のも
の と,型 別不 能 の もの に と くに頻 度 が 高 く見 られ た 。 な
は感 受 性 が よ く,両 者 の 間 に は 明 確 な 差 が 認 め られ る。
か で も注 目す べ き こ とは,5剤,6剤
注 目す べ き こ とは 型 別 不 能 株 の 耐 性 頻 度 の 高 い こ とで あ
の もの の 多 い こ と で あ つ て,5剤
つ て,80/81群
以 外 の もの に 較 べ て は も ち ろ ん,SM,
株 が,6剤
CP,EM,KMで
は80/81群
の で あ つ た 。 交 叉 耐 性 で頻 度 の 最 も高 い のはPC-Gと
よ りも,む
しろ 耐 性 株 の頻
TCで,こ
度が 高 い 。
フ ァ ージ 型 と薬 剤 耐 性 の パ タ ー ソ との関 係 は,第11表
の よ うで,PC-G,SM,TC,CP,EMお
よびKMの6種
で は54株
の うち38株
耐性株に型別不能
では53株
の両 者 に 同時 に 耐 性 の も のは228株
剤 以 上 の総 耐 性 株 数(260株)の87.7%,次
の
の うち42
まで が 型 別 不 能 の も
せ はPC-G,TC,SMで169株,65.0%で
あ り,1
に 多 い組 合
あつ た 。
CHEMO「
808
第11表
ドH巨RAPY
SEPT。1968
第12表
抗 生物質耐性の バター
一ソ と フ ァ ー ジ型
型 別 可 能 の もの
型 別不 能
の もの
年 度 別 型 別 率 の推 移
型 別可能
計
株
数
数
IS・/8・
群1蟹 聯
(88)(53)(188)
5
﹁▲
6
δ
SM
1
100
60.6
1966
329
141
42.9
21(8.1%)
5
の百 分 率 を 比 較 した のが,第3図
31(11.9%)
-
SMKM
1
噌上
EMKM
1
00
して考 え る に は 若 干 の問 題 が あ る よ う
∠4
に 思わ れ る。 ブ ドウ球 菌 は,そ
52(20。0%)
9紹
PC-GCPEM
F◎
噌1
SMTCEM
-凸
9一
5
1
ヅ ド数 約800)を
の で あ る な どの 点 で,一 般 的 な傾 向 と
孟
4
緩﹂
PC-GTCCP
2
0り
1
噌上
2
1
1
螺ゑ
3
霞リ
ハδ
Q︾
ハ◎
-盛
帽■
9編
1∴
PC-GTCCPEM
'PC -GTCKMEM
PC-GTCSMCP
01
︾
-▲
F◎
2
PC-GTCSM孟CPEM
PC-GTCSMKMEM
﹁4
PC-GTCCPKMEM
PC-GTCSMCPKMEM
14
2
に つ い て 論 ず る場 合,サ
9臼 達
4
4
2
◎︾
2
{五
1
PC-GTCSMEM
1
38
う◎ この 点 で 日本 全 体 の傾 向 と し て
49(ユ8.8%)
は,御
数 の増 加 に つ れ て 耐 性 菌 は 増 加 し,.ま
53(20.4%)
た,入
54i54(2・
・8%)
は,私
は,通
上 と考 え られ てい る。
に亘
つ て 日 本 各 地 で 蒐 集 した ブ ドウ球菌
示 す株 の 年 度 別 比 較(%)
窃
協
上 のMtcを
国 で 市 川 ら2)が 全
協
忌
蓼剛
協
腐
I
I
O
.
⋮
窃 38 酔
髪
,
κ
ξ
ρ00
阿
ρ○
θ
㏄
冨 鷹τ
・
∼
塾蹄
I
II
I
I
馬N
難
阿 藍
ー
雛
、.
.
晦
撚1
繍
示 す もの
4宕
瞬
の3年 度 の株 の,こ れ ら の 抗生 物 質 に
上 のMICを
猫翻
O
i
さ ら に こ の報 告3)と,本 論 文 中 の 株 を 較 べ る た め,昭
一
20
讐
響
辮b難.
矧
囁
き らか に見 ら れ る。
4
省
馨
30
つ い てみ る と市 川 ら の報 告 と 同 年 度
,耐 性率 の上 昇が 各 抗 生物 質 と もに あ
協 覆甕
3
4
40
岬
とで あ るが,私3》 が 札幌 地 区 で し らべ た 結 果 で は,PC-G,
50
一
界 で 耐 性 菌 と感受 性菌 の 比 が 安 定 して きた ら しい との こ
60
縣﹁
個 的 規 模 で 調 査 した と ころ で は,昭 和36年
か ら40年
・
まで 各 種 抗 生 剤 に対 す る 耐 性 の 上 昇 は 著 明 で な く
,自 然
位 ま たetmcglml以
常70%以
例 えば 市 川 ら7)が昭 和37,38年
%鴨
堺 的 傾 向で あ る とい われ て きたが,我
対 し て50単
由来 の コア グ ラ ーゼ 陽 性 ブ ド
ウ球 菌 の 標 準 フ ァ ー ジに よ る 型 別 率
汁3図50RrCS/mi以
和39,40,41年
の成 績 と一 致 を 示 してい た 。
案
種 抗 生 物 質 に対 す るブ ドウ球 菌 の 耐 性 増 加 は 世
:SM,CP,TC,EMに
・
で あ る に関 わ らず
院 患 者 由 来 株 は 外 来 患 者 由来株
よ り常 に 耐 性 が 高 い とい い,こ の結 果
右 端 らん の 百 分 率 は 各 剤 耐 性 株 の全 耐 性 株(260株)に
た い す る もの
下 らん の百 分 率 は 各 群=のな か の1剤 以 上 の耐 性 株 数 頻 度
1.各
旅 屋 ら6)の 報 告 が 妥 当 な と ころ
で は な い か と思 わ れ る。 病 院 のベ ッ ド
2人
IV.考
ンプ リ ソグの
方 法が 厳 し く規 定 され るべ き で あ ろ
87
23
150
260
(98.9%) (43.4%) (79.8%) (79.0%)
計
の 由来
告 の示 す とお りで4・5),全体 的 な 傾 向
ー▲
1
中 心 に 集 め られ た も
に よつ て 性 状 が 異 な る こ とは 多 くの報
ーム
TCSMCP
TCCPEM
の 材 料 は,年 度 に よつ て由
3
PC-GTCEM
ただ,私
来 を 多 少異 に す る こ と,北 大 病 院(ペ
7 . ◎り
﹂4
1
PC-GTCSM
で,
な お耐 性 率 の 上 昇 が 見 られ る。
稽上
PC-GSM
4
165
00
2
◎} 1
1
PC-GTC
61.3
1965
-占
EM
66.7
87
唯上
﹁⊥
CP
64
142
1961∼63
329
fO
5
PC-G
96
1964
4
数
5
1
株
百分率
VOL. 16 NO. 6
846株 は81%が
CHEMO'T'HERAPY
型 別 され,昭
和40年
は70.7%で
あ
つ たが2),こ れ を 年 次 別 に見 る と次 第 に 型 別 不 能 株 が 増
809
札 幌 以 外 の地 区 では 北 大 病 院 株 の型 別率 が 低 か つ た。
3.菌
の フ ァー ジ型 と耐 性 の関 係 は,80/81群
の菌 に
加 の傾 向 に あ る とい う2)。私 の結 果 も 同様 で あ つ て,年
耐 性 率 が 高 いが,そ れ 以外 の1,1【,皿 お よび 雑群 の菌 で
度 別 に型 別 率 を ま とめ た の が 第12表
で あ る。 昭 和41
は 感 受 性 が よい。 これ に較 べ て型 別 不 能 菌 は む しろ 耐 性
年 の も の につ い ては 型 別率 が42.9%で
あ つ た か ら,市
川 らの成 績 に 較 べ る と型別 率 と して は 極 め て 低 い こ とに
なる。 こ の理 由は,北
大病 院 か ら の,と
くに 入 院 患 者 か
らの株 が 型 別 され に くい こ と と,全 国 的 傾 向 の ひ とつ の
表 現 と しての 型 別 率 低 下 の2つ に あ る と思 わ れ る。
北大 病 院 株 で は,型 別 率 の低 い こ と と同 時 に,耐 性 頻
度 の高 い こ とに 特 徴 が あ る。 こ とに 第11表
でのべた よ
うに,多 剤 耐 性 株 が 目立 つ て 多 い。 こ の2つ の 事 象 は,
率 が 高 く,か つ,多 重 耐 性 菌 の頻 度 が 高 い。
す な わ ち,昭 和41年
菌 株 の大 き な特 徴 は,北 大病 院
株 を 中 心 とし て型 別 不 能 の,高 度 多 重 耐 性 株 の 出 現 とそ
の 頻 度 の 増 大 で あ る。
山 田 尚達 教 授 の御 校 閲 を謝 す る。
こ の論 文 の 要 旨は,第15回
日本 化 学 療 法学会総会
(名古 屋)で 報 告 した。
菌 株 の 蒐 集 と研 究 実 施 に 当 っ て は 以下 の 方 々 の 御 協 力
型 別不 能 の も の の うち に,特 別 な遺 伝的 性 状 を もつ た菌
を い た だ いた 。 心 か らの謝 意 を表 す る。
の集 団が 存 在 す る可 能 性 を 示 唆 して い る。 この こ とに つ
のブ ド
釧 路 日赤 病 院 勝 俣 正 孝 博 士,釧 路 太 平洋 病 院 奥 田 欽
一 博士
,稚 内 市 立 病 院 西 村 喜 夫 博 士,留 萌 市 立 病院 久
度耐性
米 敏 夫 博 士,北 見 市 藤 井 一 男 博 士,北 見 日赤 病院 和 田
いてはBULLOCKら8)も
の べ る とこ ろ で,213例
ウ球菌 敗 血症 で,44%ま
で がPC-G,TC,CP高
の型別 不 能 株 に よつ た とい う。
惟 敬 博 士,滝 川 市 立 病 院 板 垣 道 夫 博 士,帯
臨床 的 な 意 味 か らす る と,大 病 院 にお け る ブ ドウ球 菌
の耐性 傾 向 を,広 範 囲 に 集 め られ た 菌の 耐 性 傾 向 を指 標
広厚 生 病 院
後 藤 三 雄i博士,苫 小 牧 王 子 病 院 沖 浩 一 博 士,堀
技 師,小 樽 市 立 病 院 飯 塚 晃 博 士,札
勝
幌 社 会 保 険 中央 病
に して想 像す る こ とは 危 険 で あ り,大 病 院 には そ れ ぞ れ
院 南 部 春 生 博 士,北 大 小 児 科 児 島 宏 典 学 士,西 村 雅 子
特 有な 病 院株 が まん 延 して い る こ とを考 え るべ き で あ ろ
補 手。
文
う。
3,抗
生 物 質 感 受 性 の うち で 特 記 す べ き こ とは,CER
とMPI-PCに
対 す る耐 性 株 が1株
1)
も見 られ な か つ た こ
とであ る。 これ は 御 旅 屋 ら6)ものべ て い る よ うに 全 国 的
2)市
な傾 向 で あ ろ う。 これ らに 対 す る耐 性 株 が 出現 す るか ど
うか,ま た 出現 す る とすれ ば い つ か,な
1.昭
和41年,北
3)吉
大病 院 を は じめ,北 海 道 各 地 か ら
高 率 であ つ た。MPI-
4)板
垣 道 夫,小
究,臨
5)
6)御
児 の
床小児医
児 期 の ブ ド ウ球 菌 感 染 症 に 関 す る 研
床 小 児 医 学,ユ2:99,昭39
G. WALLMARK and M. FINLAND, Phage types
and antibiotic
susceptibility
of pathogenic
staphylococci, J. A. M. A., 175 : 886, 1961
旅 屋 寛 一,井
上 恵 美 子,各
種抗生物質及びサ ル
フ ァ剤 に対 す る ブ菌 並 び に 大 腸 菌 の耐 性 調 査 報
対 す る耐 性 菌 は全 く存在 しな か つ た。
耐 性 率は 外 来 患 者 よ りも入 院患 者 由来 の 菌 に,ま た,
7)市
告,最
新 医 学,22;2544,昭42
川 篤 二 ほ か,ブ
ド ウ 球 菌 の 薬 剤 耐 性,1,本
邦各
地 か ら分 離 さ れ た ブ ド ウ球 菌 の 薬 剤 耐 性 と そ の フ
札 幌 市 以外 の株 よ りも北 大 病 院株 に 高 か つ た◎
群は26.7%で
に 札 幌 地 区 で,小
学,14:441,昭41
上 の 高度 耐 性株 の 頻度 はpc-Gが
準 フ ァー ジ に よる型 別 率 は42・9%,う
一,1961∼1965年
生 物 質 感 受 性 と フ ァ ー ジ 型 に つ い て,臨
74・9%,SMが55.5%,TCが71.0%,CPが33,8%,
2.標
岡
ブ ド ウ 球 菌 感 染 症 か ら 分 離 さ れ た ブ ド ウ球 菌 の 抗
2カ 所 に 山 を もつ2峯 性 分 布 を示 す こ とが 多 く,50単
PCとCERに
邦各
ジ 型 と の 関 係 お よ び 新 薬 に 対 す る 耐 性 に っ い て,
び
抗 生物 質感 受 性分 布 を し らべ る と,低 濃 度 と高 濃 度 の
EMは54.9%,KMは23.4%と
ド ウ球 菌 の 薬 剤 耐 性,4.本
Chemotherapy,15:195,昭42
329株 の病 巣 分 離 ブ ドウ球 菌 を 蒐 集 した 。
位 また はmcg/ml以
川 篤 二 ほ か,ブ
地 か ら分 離 さ れ た ブ ド ウ球 菌 の 薬 剤 耐 性 と フ ァ ー
ど の点 は 非 常 に
興 味の もたれ る と ころ で あ る。
V。 結
献
J. E. BLAIR and R. E. 0. WILLIAMS, Phage
typing of staphylococci, Bull. Wld. Hlth. Org.,
24 : 771, 1961
ァ ー ジ 型 別 に つ い て,Chemotherapy,14:1,
ち80/81
あつ た。 入 院 患 者 と外 来 患 者 に 菌 の 由 来
を わ け る と,前 老 に 型 別率 が 低 く,ま た,北 大病 院 と,
昭41
8)
W. B. BULLOCKet al., A staphylococcal isolation service, Ann. Intern. Med., 60 : 777, 1964
810
CHEMOTHERAPY
ANTIBIOTIC
SUSCEPTIBILITY
STAPHYLOCOCCI
HAJIME
of Pediatrics
Hokkaido University
1968
OF PATHOGENIC
IN HOKKAIDO
YOSHIOKA, YOSHIO SATAKE
Department
SEPT.
and
TAKASHI
(Chief : Prof.
MURAYAMA
N. YAMADA) ,
School of Medicine,
Sapporo.
Antibiotic susceptibility and phage types were studied in 329 strains of staphylococci isolated in Hokkaido during a period from January to December 1966. To penicillin G 74.9% of the strains were
resistant, to streptomycin 55.5%, to tetracycline 71.0%, to chloramphenicol 33.8%, to erythromycin
54.9% and to kanamycin 23.4% at a concentration of 50 units or mcg per ml. No resistant strain
was found against methyl-phenyl-isoxazolyl penicillin or cephaloridine. Strains from the Hokkaido
University Hospital (with 800 beds) were found to be more resistant than those from other hospitals
of smaller bed sizes.
Only 42.9% of strains was typed by means of the basic phage set with an occurrence of the phage
type 80/81 in 26.7%.
The incidence of untypable strains was higher in those isolated in the
Hokkaido University Hospital than those from other smaller bed size hospitals. A significant correlation was found between antibiotic susceptibility and phage types. The strains of 80/81 group were
highly resistant to the above mentioned antibiotics, while the phage-typable strains other than 80/81
were generally sensitive. Most of the untypable strains were multi-resistant, suggesting the] prevalence of new groups of staphylococci which are highly resistant and phage-untypable.