日本 伝 染 病 学 会難 誌 488 遠 藤 赤変 性Salmonella菌 第1編 第32春 第7号 に関す る研 究 標 準 菌 株及 び 当院分 離 保 存 菌株 よ りの赤型 菌 の検 出 名 古 屋市 立 東 市 民病 院(院 長 亀 井 敦 (昭 和33年8月22日 (本 論 文 の 要 旨 は 昭 和30年10月22日 昭 和31年4月4日 目 緒 第29回 第70回,昭 次 第1節 供試菌株 第2節 使用遠藤培地 第3節 検 出方法 第74回 名 古 屋 医 学 会 総 会, う と述 べ て い る. の 集落 を形 成 す る菌 株 及 び発 育 しない 菌 株 が あ る こ とを報 告 した.添 田の は 保 存 腸 チ フ ス菌 株 よ り 遠 藤 培 地 上 赤 色 の集 落 を検 出 し,嫌 気 性 培 養 及 び 好 気 性 培 養 に よ る比 較 試 験 の結 果,集 落 の着 色 は 実験成績 第1節 第2節 予備実験 赤型 菌の検 出状況 乳 糖 の分 解 と無 関係 で,細 菌 の 呼 吸作 用 に 関 係 す る と述 べ て い る.敷 波5)は 腸 チ フス患 者 の 血液 よ 第1項 標 準菌 株 よ りの赤型菌検 出状 況 り同様 の菌 株 を検 出 し,集 落 の 着 色 は乳 糖 の分 解 第2項 当院入院患者 よ り分離 保存菌 株 よ りの とは無 関係 で,普 通 寒 天 斜 面 に継 代 保 存 中 に遠 藤 赤 型菌検 出状況 培 地 上 の集 落 の着 色 が漸 次減 退 す る と述 べ て い 括 る.而 第3章 小 緒 論 乳 糖 非分 解 性 細 菌 が遠 藤 培 地 で乳 糖 を分 解 す る こ と な く赤 色 の集 落 を形 成 す る変 異 につ い て は, 1923年 柿 下1)が 腸 チ フ ス菌 に つ い て始 め て報 告 し て い る.即 ち起 原 不 明 の陳 旧保 存 腸 チ フ ス 菌株 よ り,遠 藤 培 地 上 赤 色 の集 落 を形 成 す る菌株 を発 見 し,集 落 の着 色 は乳 糖 の分 解 と は 無 関 係 で あ る が,そ 和32年10月19日 島 田3)は 保 存腸 チ フ ス菌 株 中,遠 藤 培 地 上 赤 色 実 験材料 及び実験方法 第2章 受 付) 日本 細 菌 学 会 総 会 に お い て 発 表 し た). 論 第1章 落 合 国太 郎 博 士) の赤 変 性 は フ ク シ ン を吸 着 した 》め か,又 他 の原 因 に よ る もの か不 明 で あ る と述 べ て い る. そ の後Reinhard2)は 患 者 よ り検 出 した保 存 腸 チ して そ れ ら赤 色 集 落 菌 は 正 常 菌 に 比 較 し て,形 態 学 的 生 物 学 的 及 び免 疫 学 的 に著 明 な差 異 を認 め なか つ た とい う.寺 田6)は 腸 チ フ ス患 者 の 糞 便 及 び胆 汁 よ り,遠 藤 培 地 上赤 色 の集 落 を形 成 す る菌 株 を検 出 して い るが,集 落 の着 色 は乳 糖 の 分 解 とは無 関係 で,フ ク シ ンの還 元 に よ る も の と し,赤 色 集 落 菌 は鞭 毛 を欠 除 す るか又 は そ の数 が 少 く,凝 集 素 産 生 力,免 疫 血 清 に対 す る被 凝 集 性 及 び凝 集素 吸収 力 が 著 し く低 い こ とを認 め,正 常 菌 に 比 較 して形 態 学 的 並 び に免 疫 学 的 に差 異 を認 め てい る.そ してそ れ ら赤 色 集 落 菌 に つ い て,集 フ ス 菌 株 よ り,遠 藤 培 地 上 赤 色 の集 落 を形 成 す る 落 の着 色 が乳 糖 の分 解 と無 関係 で あ る こ とは 上 記 菌 株 を検 出 し,集 落 の着 色 は 酸 の発 生 に よる も の の学 者 と一致 して い るが,そ れ 以 上 着 色 の本 態 に で な く,恐 ら くは フ ク シ ン摂 取 に よ る もの で あろ つ い て 追 究 して い ない. 489 昭 和33年10月20日 aberdeen, 当院 の落 合7)は 保 存 パ ラチ フ スA菌 株 よ り,遠 藤 培地 上 赤 色 の集 落 を形 成 す る菌 株 を検 出 し,集 S. minesota及 びS. wichitaよ り同 様 の 菌 株 を検 出 し,正 常 菌 に 比 較 して フ ク シ ン始 落 の着 色 は 乳 糖 の分 解 と無 関 係 で,形 態 学 的 に正 め他 の色 素 並 び に薬 剤 に対 して一 般 に抵 抗 性 が低 常 菌 に比 較 して普 通 寒 天 培 地 で は変 形 を認 め な い い と述 べ て い る. が,遠 藤 培 地 で は菌 体 の大 小 不 同,延 長,連 鎖 形 成 以 上述 べ た諸 家 の 研 究 か らみ れ ば,か 等 不 規 則 な変 形 を認 め,菌 体 内 に赤 色顆 粒 を発 見 赤 変 性 変 異 は,他 して い る.次 い で落 合 及 び 中 川8)は 遠 藤 培 地 上 の め られ る で あ ろ うこ とは予 想 され る と こ ろ で あ 赤 色 集 落 菌 に つ い て細 菌 の 超 生 体 染 色 と赤 色 顆 粒 との 関 係 を追 究 し,菌 体 内 の赤 色 顆 粒 観 察 の た め のSalmonella菌 》る遠 藤 株 に も汎 く認 る.私 は当 院 に保 存 中 のSalmonella菌 株 よ り遠 に1新 染 色 法 を考 案 して い る.な お 中川9)は そ の 藤 赤 変 性 変 異 菌 を検 索 す る と共 に,細 菌 の 生 体 フ クシ ン摂 取 が如 何 に して 行 わ れ るか を知 る た め に パ ラ チ フ スA菌 株 に つい て精 細 研 究 の結 果,赤 正 常 菌 を対 照 と して種 々比 較 検 討 を試 み た の で報 色 集 落 菌 は遠 藤 培 地 で は発 育 が悪 く,菌 体 に不 規 則 告 す る. な変 形 を認 め,遺 伝 的 に比 較 的 容易 に原 株 で あ る 第1章 実験材料及び実験方法 正 常 菌 に復 帰 し,や 》安 定 性 を欠 くと述 べ て い る. 第1節 供試菌株 そ の後 当院 に お い て 中川 及 び 上 島10)はS.sendai 当 院 保 存 中 のSalmonella の健 康 保 菌 者 の糞 便 よ り,落 合 及 び 内藤11)は腸 チ (Kauffman-White 1942標 準 菌 株101株 Schena予 研 よ り分 譲 さ れ フ ス患 者 の糞 便,血 液 及 び尿 よ り,落 合 及 び 中 島 た もの)並 び に 当院 入 院 患者 よ りの分 離 保 存 菌 株 12)はBac.proteus HX 56株 計157株 S.typhi mutabile Jacobsoa菌 19菌 株 よ り,藤 井13)は 株 よ り,そ れ ぞ 第2節 で ある。 使用遠藤培地 れ もそ の 遠 藤 培 地 は 明 治 の 中葉 遠 藤 滋16)17)によ り考 案 さ 菌 体 内 に赤 色顆 粒 を証 明 してい る 。而 して これ ら れ た が,原 法 で は フ クシ ンの飽 和液 を 用 う る た れ 遠 藤 培 地 上 赤 色 の集 落 を検 出 し,何 赤 色 集 落 菌 は 正 常 菌 に比 較 して,普 通 寒 天 培 地 で め,加 え るフ クシ ン量 が必 ず しも一定 しない し, は形 態 学 的 変 化 を認 め な い が,遠 藤 培 地 で は不 規 又 原 法 で は フ ク シ ン含 量 が 多 く,目 的 とす る細 菌 則 な変 形 を認 め,生 物 学 的 並 び に免 疫 学 的 に差 異 殊 に赤 痢 菌 の発 育 を著 し く阻 害 す る の で,そ の後 を認 め な い 。な お遺 伝 的 に比 較 的容 易 に 正 常 菌 に 多数 の 入 に よ り追 試 され,変 法 培 地 が種 々発 表 さ 復 帰 し,やゝ 安 定 性 を欠 く と述 べ て い る.但 し藤 れ て い る.遠 藤 赤 変 性 パ ラチ フスA菌 に つ い て研 井 はS.typhi mutabile 究 した 中川 は, Jacobsonの 赤色集落 菌 が,普 通 寒 天 斜 面 に保 存 中 遠 藤 培 地 上 に おい て 集 落 の着 色 が減 退 す る と同 時 に,免 疫 学 的 性 状 に 変 化 を来 す こ と を報 告 してい る. 落 合14)は腸 チ フ ス菌,パ dai, S. kottbus, aberdeen, ラ チ フ スA菌S. S. narashino, S. nlinesota(S. S. sen- niloese, S. Kottbus以 下S. 3.0%普 通 寒 天(pH7.0)100.Occ 乳 糖1.09 5.0%フ ク シ ン・ エ タ ノー ル溶 液0.5cc 10.0%Na2SO3 1.Occ な る組 成 を有 す る遠 藤 培 地 を使 用 し,培 養20時 間 後 正 常 菌 は 発 育 良 好 で,正 常 大 正 円形 露 滴 状 白 色 minesotaま で は 詳 細 未 報 告),S. typhi mutabile の集 落 を形 成 し,菌 体 に変 形 を認 め ない が,赤 色 Jacobson及 びBac. 集 落 菌 は発 育 不 良 で表 面 粗 槌 赤 色 の 特 異 な集 落 を pfoteusHX19菌 株 の 赤色 集 落 菌 に かゝ る共 通 の 性 質 を認 め て,こ れ を乳 形 成 し,菌 体 に不 規 則 な変 形 を認 め,菌 体 内 に赤 糖 非分 解 性 細 菌 の遠 藤 赤 変 性 変 異 と し,集 落 の赤 色 顆 粒 を認 め る と述 べ て い る.そ 変 は 菌 体 が生 体 フ ク シ ン摂 取 能 を獲 得 す る こ とに の赤 色 集 落 菌 の 集 落 の着 色 が乳 糖 の存 否 と無 関 係 よ る も の と してい る.そ の後 中 島15)は標 準 菌 株 の で あ る こ とは,諸 家 の一 致 した 意 見 で あ り,中 川 S. newport は 上 記 の遠 藤 培 地 よ り乳 糖 を除 い た フ クシ ン無 水 var. puertorico, S. narashino, S. して遠 藤 培 地 上 日本 伝染 病学 会雑 誌 490 亜硫 酸 ン ー ダ寒 天 培 地 で も,正 常 菌 並 び に赤 色 集 第2章 実験成績 てい る.従 つ て私 は本 実 験 に 当 り,中 川 の乳 糖 を 第1節 予備実験 含 まない フ ク シ ン無 水 亜 硫 酸 ンー ダ寒 天 培 地 を遠 さ き に 中 島 が 検 出 し たS.newport 藤 培 地 と して使 用 し,そ の組 成 は次 の よ うで あ る. torico,S.narashino,S.aberdeen,S.minesota 3.0%普 通 寒 天(pH7.0)100.0cc 及 びS.wichitaの 5.0%フ 培 養20時 0.5cc(フ ク シ ン25.0mg/dl) var.puer- 白 赤 両 型 菌 を予 め ブ イ ヨ ン に 間 後 遠 藤 培 地 に 移 植 し,培 温 に 放 置 し て 観 察 し た.白 養20時 間 後 室 型 菌 は 一般 に 発 育 良 好 で 正 常 大 白 色 の 集 落 を形 成 した が,赤 10.0%Na2SO3 1.0cc(Na2SO3 型 菌 は概 し 100.0mg/dl) 以 下 こ の培 地 上 に おい て正 常 な 白色 集 落 を形 成 第1表 標 準 菌 株 よ り検 出 され た赤 型 菌 株 及 び そ の集 落 の検 出状 況 す る も の を 白型 菌,集 落 が赤 色 に着 色 す る もの を 赤 型 菌 と して記 載 す る. 第3節 検 出方 法 落 合 は パ ラチ フ スA菌 赤 型 菌 の 研 究 に当 り,遠 藤 培 地 で 集落 が 赤 色 に着 色 す る と同時 に菌 体 に不 規 則 な変 形 を認 め,食 塩 水 懸滴 標 本 又 は塗 抹 乾 燥 火 焔 固 定 後 直 ち に鏡 見 して菌 体 内 に赤 色 顯 粒 を発 見 し,こ れ が集 落 赤 変 の本 態 で あ る と述 べ て い る.次 い で落 合 及 び 中川 は メ チ レ ン青 稀 薄 生 理 食 塩 水溶 液 超 生 体 染 色 を考 案 し,赤 型 菌 菌体 内赤 色 穎 粒 観 察 の 一方 法 と して い る.そ の 方 法 は 次 の よ うで あ る.即 ち メチ レ ン青 飽 和 水溶 液 を予 め生 理 食 塩 水 で5倍 に稀 釈 し,そ の稀 釈液 の小 滴 をの せ ガ ラス の 上 に お き,被 検 集 落 菌 を 加 え 攪 拌 混 和 後,僅 か に加 温 しつ ゝ速 や か に乾 燥 火 焔 固定 後 鏡 見 す る. なお これ を水 洗 せ ず カ ナ ダ ・バ ル サ ム で封 入 覆 い ガ ラ ス をか け れ ば 半永 久 標 本 が 出来 る. 中川 は パ ラチ フ スA菌 赤 型 菌 の研 究 に 当 り,赤 型 菌 集 落 の大 多 数 は遠 藤 培 地 に 培 養20時 間 後 す で に多 少 と も赤 色 に着 色 す るが,培 養 直 後 白 色 集 落 の み よ りな る もの で も,時 日の 経 過 と共 に赤 変 を 来 す もの が あ る こ とを報 告 してい る.よ つ て私 は 当院 保 存 中 のSalmonella菌 つ い て観 察 した.そ 註1.赤 色集 落 株 を予 め ブ イ ヨ ンに 培 養20時 間 後 上 記 遠 藤 培 地 に移 植 し,培 養20時 間 後 室温 に放 置 して,1週 第7号 顆 粒 の 有 無 を確 認 し た. 落 菌 の集 落 並 び に菌 体 につ い て 同様 な成 績 を認 め ク シ ン ・エ タ ノー ル溶 液 第32巷 2.着 色 度 間 に わ た り集 落 の色 調 に 〒 して集 落 の着 色不 明 瞭 の場 合 +淡 に は メ チ レン青 單 染 色 を行 う と同 時 に メチ レ ン青 超 生 体 染 色 に よ り,菌 体 の変 形 並 び に 菌体 内 赤 色 〒 大 多数 〒 略 々 半数 +少 数 〒 濃赤色 ± 以 下 これ に準 ず 赤色 赤色 遅 れ て赤 変 491 昭 和33年10月20日 て 発 育 梢 々 不 良 で 小 さい 淡 赤 色 乃 至 赤 色 の 集 落 を 々 同程 度 に着 色 し,白 型 菌 集 落 との間 に移 行 型 を 形 成 し た. 示 した もの は ない.白 赤2様 鏡 検 上 白型 菌 は 中等 大 の桿 菌 で普 通 寒 天 培 養 菌 と同 様 菌 体 に 変 形 を認 め な い が,赤 則 な 変 形 を 認 め た.メ り,白 型 菌 には 不 規 チ レン青超 生体 染 色 に よ 型 菌 で は 菌 体 に 着 色 を 認 め ず,赤 認 め な い が,赤 色顆粒 を 型 菌 で は メ チ レン青 に着 色 した菌 体 内 に 赤 色 顆 粒 を認 め た.こ の よ うに赤 型 菌 は 白 の集 落 が相 接 して発 生 した場 合 で も,両 者 の 間 に劃 然 と した境 を認 め た.概 して遅 れ て赤 変 を認 め た もの程,集 落 の着 色 が薄 か つ た.培 養20時 間 直後 す で に集 落 に多 少 共 着 色 を認 め た もの は菌 体 の変 形,メ チ レ ン青 超 生 体 染 色 に よ る着 色 及 び 菌体 内赤 色 顆 粒 を認 め た が,遅 れ て赤 変 した集 落 で も軽 度 な が ら菌体 の変 型 菌 に 比 較 し て 集 落 の み な らず 菌 体 に 明 瞭 な 差 異 形,メ チ レ ン青 超 生 体 染 色 に よ る菌体 の着 色及 び を認 め た. 菌 体 内赤 色 顆 粒 を認 め た.そ して集 落 の着 色 が薄 第2節 赤 型 菌 の検 出 状 況 い もの程 又 赤 変 が遅 い もの程 菌体 の 変 形 が 軽 度 第1項 標 準 菌 株 よ りの 赤 型 菌 検 出 状 況 で,メ チ レ ン青 超 生 体 染 色 に よ る着 色 が 薄 く,菌 遠 藤 培 地 に 培 養20時 間 直 後S.heiderberg,S. 体 内赤 色 顆 粒 が少 な か つ た. reading,S.derby15145,S.paratyphiC(vi-) 第2項 Hirschfeld,S.mikawashima,S.braenderup 3022,S.newport 赤 型 菌 検 出状 況 var.puertorico,S.kottbus 遠 藤 培 地 に培 養20時 間 直後S.newport3株, 4179,S.narashino,S.berta,S.panama,S. newington C2,S.niloese S.minesota S.narashino2株 1236,S.aberdeen, 21及 びS.wichita 当 院 入 院 患 者 よ り分 離 保 存 菌株 よ りの 9の16菌 の総 て及 びS.nagoya8株 5株,S.sendai3株 中 中1株 に多 少 共 赤 色 に着 色 株にお い て はす で に多 少 共 赤 色 に着 色 し た集 落 を 認 め 第2表 当院入院 患者 よ り分離 保存菌 株 よ り検 出 された赤型菌 株及びその集落 の検 出状況 た.そ の 後 室 温 に 放 置 して 観 察 した と こ ろ,こ れ ら の 集 落 が 漸 次 そ の 着 色 を増 加 し た の み で な く,培 養20時 burg 間 直 後 白 色 集 落 の み で あ つ たS.branden647,S.abortus ovis 4195,S.paratyphi C(vi-)Eastafrica,S.muenchen,S.anatum 293,S.selandia びS.abony74の8菌 た.従 7482,S.onderspoort282及 株 に も集 落 の 赤 変 を 認 め つ て 標 準 菌 株101株 の う ち24菌 株 に 赤 型 菌 を検 出 し た こ と に な る. 次 に遠 藤 培 地 上 に認 め られ た赤 型 菌集 落 の多 寡 を み る と,S.mikawashimaの 僅 か に2乃 至3コ 如 く 一平 板 面 上 に 過 ぎ な い も の か ら,S.wichita した 集 落 を 認 め た.そ 9の 如 く 発 生 集 落 の 殆 ど 全 部 が 赤 変 し た も の ま た と こ ろ,こ で 菌 株 に よ り一 様 で な い.赤 し た が,他 型 菌 集 落 の 色 調 も亦 菌 株 に よ り同 一 で な く,S.onderspoort282並 にS.abony74の び 如 く,室 温 に 放 置 し て 数 日後 漸 く僅 か に 赤 変 を認 め た 程 度 の も の か ら,S.mikawashima並 び にS.wichita9の 如 く 培 養20時 の 後 室温 に放 置 して観 察 し れ らの 集 落 は 漸 次 そ の 着 色 度 を 増 加 のS.nagoya3株 並 び にS.sendai 2株 に は 集 落 の 赤 変 を 認 め な か つ た の み な ら ず, S.typhi murium14株,S.thompson17株,S. postdam1株,S.enteritidis5株,S.onarimon 2株 及 びS.anatum1株 に は 観 察1週 後 に至 る 間後 す で に濃 赤 色 に着 色 した もの まで種 々様 々 で ま で 全 然 赤 色 集 落 を 認 め る こ と が で き な か つ た. あ る.そ 従 つ て 入 院 患 者 よ り分 離 保 存 菌 株56株 し て1菌 株 か ら発 生 し た 赤 型 菌 集 落 は 略 の う ち赤 型 492 日本 伝 染 病学 会雑 誌 菌 を検 出 した も のは11菌 株 で あ る. 第7号 そ して標 準 菌 株 で は赤 型 菌 を検 出 した もの と検 次 に遠 藤 培 地 上 に認 め られ た赤 型 菌 集 落 の多寡 をみ る と,S.newportの 第32巷 如 く一平 板 面 上僅 か に 出 しない もの が あ り,入 院 患 者 よ りの分 離 保 存 菌 株 で はS.nagoyaの 如 く供 試 菌 株8株 の う ち5 数 コ にす ぎない も のか ら,発 生 集 落 の略 々半 数 が 株 まで に赤 型 菌 を 検 出 し た も の か ら,S.typhi 赤 変 した もの,又 同 一菌 株 で もS.nagoyaの murium並 如 び にS.thompsonの 如 く供 試 菌 株10 く一 平 板 面 上 僅 か に数 コ に す ぎない もの か ら,発 数 株 の う ち1株 も検 出 し なか つ た もの まで,赤 型 生 集 落 の殆 ど全 部 が赤 変 した もの まで,菌 株 に よ 菌 の検 出 は 菌 の種 類 に よ り,又 同種 の菌 で も菌 株 り一 様 で な か つ た.` に よ り一様 で な い. 赤 型 菌 集 落 の色 調 はS.newportの 如 く淡 赤 色 赤 型 菌 を検 出 した標 準 菌株24株 の うち16株 は 培 如 く 養20時 間 直後 す で に集 落 の着 色 を認 め た が,他 の 淡 赤 色 の も の を認 めず 赤 色 乃 至 濃 赤 色 で,同 種 の 8株 は更 に1週 間室 温 に放 置 して観 察 中遅 れ て赤 乃 至 赤 色 の もの を認 め ず,又S.magoyaの 菌 で は菌 株 に よ り多 少 の差 は あ つ た が,略 々一 定 した着 色 を認 め た.こ れ は菌 株 は数 あ つ て も,そ 変 を認 め た. 赤 型 菌 を検 出 した 当院 入 院 患 者 よ り分 離保 存 菌 の 系 統 が一 つ で あ つ た ゝめ で は な い か と 思 わ れ 株11株 は培 養20時 間 直 後 す で に集 落 に 着 色 を認 る.そ め,遅 れ て赤 変 を来 した もの は ない. して赤 変 集 落 菌 で は何 れ も菌 体 の変 形,メ チ レン青 超 生 体 染 色 に よ る着 色 及 び菌 体 内赤 色 顆 1菌 株 よ り発 生 す る赤 型 菌集 落 の 多寡 は,標 準 粒 を認 め た が,同 種 の菌 で も菌 株 に よ り集 落 の着 菌 株,分 離 菌 株 共 に菌 株 に よ り一様 で ない. 色 が 薄 い もの程 菌 体 の変 形 が軽 度 で,メ チ レ ン青 超 生 体 染 色 に よ る菌 体 の着 色 が薄 く,菌 体 内赤 色 赤 型 菌集 落 の 色 調 も概 して 菌 株 に よ り一 様 で な い.そ して 同種 の 菌 で は 菌 株 に よ り多 少 の 差 を認 顆 粒 が少 な か つ た. め るが 略 々 一定 した着 色 度 を示 した. 第3章 3.0%普 小 括 通 寒 天100.0cc,5.0%フ 1菌 株 よ り発 生 した 赤 型 菌 集 落 も略 々同 程 度 に ク シ ン ・エ タ ノー ル溶 液0.5cc,10.0%Na2SO31.0ccか ら 成 る乳 糖 を含 まない フ ク シ ン無 水 亜 硫 酸 ンー ダ寒 天 培 地 を遠 藤 培 地 と して,こ れ にSalmonella標 準 菌 株101株 並 び に当 院 入 院 患 者 よ りの分 離 保 存 菌 株56株 計157株 着 色 し,白 型 菌集 落 との 間 に移 行型 を認 め る こ と は ない.概 して遅 れ て集 落 の赤 変 を認 め る も の程 着 色 が薄 い. 赤 型 菌 で は何 れ も菌体 の変 形,メ チ レン青 超 生 体 染 色 に よ る着 色及 び 菌 体 内赤 色 顆 粒 を 認 め る を培 養 し,赤 色 の 集 落 を 形 成 が,集 落 の着 色 が薄 い もの程 又 赤 変 が 遅 い も の し,菌 体 の変 形 並 び に 菌体 内赤 色 顆 粒 を認 め る菌 程,菌 体 の変 形 が軽 度 で,メ チ レン青 超 生 体 染 色 株 す な わ ち赤 型 菌 を前者 か ら24株 後 者 か ら11株 計 に よ る着 色 が 薄 く,菌 体 内 赤 色 顆 粒 が少 い. 35株 を検 出 した. 昭 和33年10月20日 493 Studies on the Endo Medium Reddening I. Isolation Salmonella of red colony producing Strains strains Atsushi KAMEI Nagoya Municipal Higashi Shimin Hospital (Director: Hundred were fuchsin cultured one standard on the strains and Endo medium Kunitaro OCHIAI) 56 strains without ethanol sol. 0.5cc, 10.0% Na2SO3 1.0cc). of Salmonella lactose(3.0% Twenty isolated normal agar in our hospital 100.0cc, 5.0% four red colony producing strains (red type strains) were isolated from the former and 11 from the latter. The color tone and the rate of red colonies varied from strain to strain. The red color , however, was unequivocally recognizable for the red type strains, as compared with white type strains (white colony producing strains).
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