軸対称シェルの最適トポロジーにおける 対称性と唯一性

軸対称シェルの最適トポロジーにおける
対称性と唯 性
対称性と唯一性
和多田 遼(竹中工務店)
大崎 純(広島大学)
1
補剛リブ形状最適化問題

軸対称球形シェルモデル
2
トポロジー最適化
SIMP法によるpenalization
1
0
コンプライアンス
体積制約関数
:ペナルティパラメータ

中間的密度⇒要素剛性にペナルティ

中間値の解は不経済⇒0,1の値に収束

目的関数の多峰化⇒初期値依存性
s
stiffness

penalize
p
Continuation(反復計算)の利用
3
トポロジー最適化

SIMP法によるpenalization
0
1
目的関数
体積制約関数

Continuation
収束解更新
計算開始
終了判定
最適化計算
収束解⇒
初期値:任意(依存しない)
パラメータ更新
ラメ タ更新
⇒
次の初期値:
yes
?
計算終了
最適解:
no
4
板厚を変数としたSIMP法

通常のSIMP法⇒密度を変数




定式化が容易
平面応力を受ける板・・・板厚を変数とするモデルと一致
シェルなど曲げ応力が生じる問題・・・異なる
シェルなど曲げ応力が生じる問題
異なる
 解の一部の要素密度が中間値⇒実構造物として再現できない
板厚を変数とする方法



板厚を上限値と下限値のいずれかに収束させる
下限値の値により トポロジー最適化や補剛リブ形状最適化
下限値の値により、トポロジー最適化や補剛リブ形状最適化
解の一部に未収束の中間値⇒実構造物として再現できる
5
板厚変数モデル

板厚変数モデル
要素
の板厚
penalize
板厚変数
媒介設計変数
大⇒
⇒
解の一部で
解の
部で
は0か1に収束
は
か
に収束
が0または1に未収束
⇒実構造物として考慮できる
penalize
に微小 ⇒ トポロジ
トポロジー最適化問題
最適化問題
比較的大 ⇒ リブ形状最適化問題等
6
Continuationの解経路

最適化問題
目的関数
体積制約関数

Continuationにより得られる解⇒ により
により一様に定まる
様に定まる

解
は
に関する解経路を構成
経路の支配式を導出

最適化問題のラグランジュ関数
 ,  Uj ,  Lj : ラグランジュ乗数
7
解経路の支配式

ラグランジュ関数のKKT条件(最適性の必要条件)
:
を満たす要素集合
中間値変数の数
停留条件
体積制約条件
解経路の支配式(釣合式)
ラグランジアンの勾配
8
解経路の増分形式(導出過程)

支配式をペナルティパラメータで微分
式の数はs+1個
変数が中間値を
変数
中間値を
取る要素集合
未知数はs+1個
9
増分形式と分岐理論

解経路の増分形式
: ラグランジアンの
に関するヘシアン
: 体積係数からなる正定数ベクトル
分岐理論を適用
の固有値による
経路状態の分類
: Lagrangian
L
i ffunction
i
10
増分形式と分岐理論

解経路の増分形式
: ラグランジアンの
に関するヘシアン
: 体積係数からなる正定数ベクトル
の固有値が全て正
Bは正則
Bは正則⇒
安定点
は 意に定まる
は一意に定まる
解の変化は微小かつ連続的(安定経路)
最適化問題の収束解は必ず安定点
⇒continuationの解経路は安定経路の一部
: Lagrangian
L
i ffunction
i
11
増分形式と分岐理論

解経路の増分形式
: ラグランジアンの
に関するヘシアン
: 体積係数からなる正定数ベクトル
の固有値の一部に負値
不安定点
支配式(最適性の必要条件)を満たすが
Lが凸ではない点(鞍点や凹点)
最適化問題の収束解では到達しない
: Lagrangian
L
i ffunction
i
12
増分形式と分岐理論

解経路の増分形式
: ラグランジアンの
に関するヘシアン
: 体積係数からなる正定数ベクトル
の固有値の一部が零
特異点
零固有値に対応する
固有ベクトル方向に釣合経路が不定
安定経路からの特異点
分岐点
解経路(解の位相)に大きな変化
⇒方向は零固有値に対応する固有ベクトル方向
: Lagrangian
L
i ffunction
i
13
数値例題1:補剛リブ形状最適化問題

軸対称球形シェルモデル
要素 の板厚
14
数値例題1:最適解

得られた最適解 (値をグレースケール表示)
分布
1
0
分布(正規化)
continuation
分布
分布(正規化)
15
数値例題1:最適解と固有値

最適解分布の変化
p=0.20

p=0.63
1
p=0.64
p=1.12
p=1.13
安定経路
行列Bの固有値
有値
0
p=2.50
分岐
p=0.63
0 63
1 12
- 0 + p=1.12
行列Bの零固有値に対する固有ベクトル
16
数値例題1:最適解と対称性

最適解分布の変化
p=0.20

p=0.63
行列Bの固有値
有値
1
p=0.64
p=1.12
p=1.13
0
p=2.50
安定経路
分岐
分岐方向:対称性が1/2に減じる方向のみ
(全ての数値例題で共通)
全
数値例題 共通
⇒モデルの変数、分割数によらず同じ
⇒ の性質(Continuationの問題点)
多様な位相の解を得る手法の提案
(異方性フィルタリング)
17
最適解の変化
1
0
フィルターを用いた場合
結論

位相最適化問題に板厚変数を用いたSIMP法を適用



上下限値に未収束な解も実構造物として再現できる
トポロジー最適化問題、リブ形状最適化問題等に適用
最適 問題、リ
状最適 問題等 適用
Continuationによる最適化に経路の分岐理論を適用



解の対称性の変化を分岐現象として理解
分岐方向の決定項を定式化
C ti
Continuationが解の対称性を制限してしまう
ti が解の対称性を制限してしまう
20