Spider covers for prize-collecting network activation problem 福永 拓郎 国立情報学研究所 JST, ERATO, 河原林巨大グラフプロジェクト 2015 年 1 月 24 日 研究成果 スパイダー被覆アルゴリズム ネットワーク設計のための貪欲法 • 点重みシュタイナー木問題 • 点重みシュタイナーネットワーク問題 • ネットワークアクティベーション問題 1 違反ペナルティ付き ネットワークアクティベーション問題 2 点連結度 ネットワークアクティベーション問題 2/21 概要 スパイダー被覆アルゴリズム 組合せ的な解析 スパイダー分解定理 density(S) ≤ OPT φ(G) ネットワークアクティベーション問題 違反ペナルティ付きネットワークアクティベーション問題 3/21 概要 スパイダー被覆アルゴリズム 組合せ的な解析 線形計画 (LP) による解析 スパイダー分解定理 • LP 緩和問題の定式化 density(S) ≤ OPT φ(G) • 主双対アルゴリズム ネットワークアクティベーション問題 違反ペナルティ付きネットワークアクティベーション問題 3/21 組合せ最適化問題と線形計画問題 (LP) 整数最適解 4/21 組合せ最適化問題と線形計画問題 (LP) 組合せ最適化 = LP + 整数性 整数最適解 LP 最適解 4/21 組合せ最適化問題と線形計画問題 (LP) 組合せ最適化 = LP + 整数性 整数最適解 LP 最適解 • LP ∈ P, 組合せ最適化 ∈ NP 困難 • LP 最適解 ≤ 整数最適解 (最小化問題の場合) 4/21 組合せ最適化問題と線形計画問題 (LP) α× LP 最適値 組合せ最適化 = LP + 整数性 整数最適解 LP 最適解 • LP ∈ P, 組合せ最適化 ∈ NP 困難 • LP 最適解 ≤ 整数最適解 (最小化問題の場合) • 「整数最適解 ≤ α×LP 最適解」⇒ α 近似アルゴリズム (整数ギャップ) 4/21 LP 緩和を用いたアプローチ 組合せ的アルゴリズム LP を用いたアルゴリズム • 計算速度は速いことが 多い • 汎用 LP ソルバー ⇒ 計算速度で不利 (?) • 問題に特化した解析 • 拡張しやすい オーダーメイド 汎用的なフレームワーク LP を用いたアルゴリズムの難しいところ • LP 緩和問題の定式化は一意ではない (良い定式化 ⇒ 良い近似比) • 整数解と LP 最適解の比をどのように抑えるか 5/21 ネットワークアクティベーション問題 • 無向グラフ G = (V , E ) • 点重み x : V → W (0 ∈ W ⊆ Z+ ) • ∀uv ∈ E : 単調アクティベーション関数 ψ uv : W × W → {true, false} x が uv ∈ E をアクティベート ⇔ ψ uv (xu , xv ) = true 6/21 ネットワークアクティベーション問題 ネットワークアクティベーション問題 • 解 点重み x : V → Z+ • 制約 • 目的 連結度 (si , ti ) ≥ di , ∀i = 1, 2, . . . P v∈V x(v) → 最小化 連結度 - ネットワークの耐故障性, 安定性を表現 辺連結度 = 辺を共有しない (si , ti ) パスの最大本数 点連結度 = 辺を共有しない (si , ti ) パスの最大本数 連結度 = 1, si = sj ⇒ シュタイナー木アクティベーション問題 7/21 応用: 無線ネットワーク シグナル弱 コスト小 シグナル強 コスト大 ネットワークアクティベーション問題 = シグナルの強さを決定 8/21 違反ペナルティ付き問題 違反ペナルティ付きネットワークアクティベーション問題 連結度 (si , ti ) ≥ di or ペナルティ πi を支払う for ∀i 目的関数: 重み + ペナルティ → 最小化 例 拠点間の通信のために 「自前で回線を引く」or「既存の回線を有料で使用する」 9/21 アルゴリズムの違反ペナルティ付き問題への拡張 ペナルティなし 連結度 (si , ti ) ≥ di ⇔ (si , ti ) カット ≥ di ペナルティあり • 変数 yi ∈ [0, 1] • 目的関数= 重み + P i πi yi 制約: (si , ti ) カット ≥ di · (1 − yi ) アルゴリズム • yi < 1/2 ⇒ yi := 0 (連結度制約を満たす) • yi ≥ 1/2 ⇒ yi := 1 (ペナルティを支払う) ペナルティなしの整数ギャップ α ⇒ ペナティありへの 2α 倍近似 10/21 スパイダー被覆アルゴリズム (for シュタイナー木) スパイダー • 木 • 次数 3 以上の点は高々一つ • 全ての葉は端点 スパイダー被覆アルゴリズム while(# 端点 > 1) • スパイダー S (のようなもの)と, S をアクティベートする点重み x のペ アで密度最小のものを求める • S を縮約 密度 (S, x) P x(v) := v∈V #端点 in S それまでの重みを全て足し合わせて出力 11/21 スパイダー分解 定理 [Klein, Ravi 1993] 任意のシュタイナー木は次のようなスパイダーの集合に分解できる • スパイダー同士は互いに点を共有しない • 各端点はいずれかのスパイダーに含まれる ∃S, x : 密度(S, x) ≤ OPT #端点 in G 12/21 スパイダー被覆アルゴリズムの LP による解析 既存の解析 (辺連結度制約) ∃ S, x x(v) OPT ≤ #端点 in S # 極小要求カット P v∈V LP に基づく解析 ∃ S, x x(v) LP ≤ #端点 in S # 極小要求カット P v∈V 整数ギャップ = O(k log n) 13/21 LP の素朴な定式化 変数 u x(u, ω) ∈ [0, 1]: u に ω を割り当て? y(uv, ω) ∈ [0, 1]: uv を xu = ω でアクティベート? v x(v, ω 0 ) ∈ [0, 1]: v に ω 0 を割り当て? • y(uv, ω) = 1 ⇒ x(u, ω) = 1 x(u, ω) ≥ y(uv, ω) • y(uv, ω) = 1 ⇒ ψ uv (ω, ω 0 ) = true なるいずれかの ω 0 に対し x(v, ω 0 ) = 1 X x(v, ω 0 ) ≥ y(uv, ω) ω 0 :ψ uv (ω,ω 0 )=true 14/21 LP の素朴な定式化 min W XX ω · x(v, ω) v∈V ω=0 s.t. W X X y(uv, ω) ≥ 1 要求カット X uv∈δ(X ) ω=0 x(u, ω) ≥ y(uv, ω) X uv ∈ E , ω = 0, . . . , W , x(v, ω 0 ) ≥ y(uv, ω) uv ∈ E , ω = 0, . . . , W , ω 0 :ψ uv (ω,ω 0 )=true x(v, ω), y(uv, ω) ∈ [0, 1] 15/21 素朴な定式化の整数ギャップは大きい • 要求カット X • 全ての辺は xu = ω でアクティベートされる X v1 v2 v3 v4 vm y(uvi , ω) = 1/m .. .. x(u, ω) = 1/m u LP 解 x(u, ω) = 1/m ⇒ 目的関数 = 整数解 u に ω を割り当て ⇒ 目的関数 = ω/m ω 16/21 素朴な定式化の整数ギャップは大きい • 要求カット X • 全ての辺は xu = ω でアクティベートされる X v1 v2 v3 v4 vm y(uvi , ω) = 1/m .. .. x(u, ω) = 1/m u なぜ? x(u, ω) ≥ maxv y(uv, ω) ⇒ x(u, ω) 小 P P uv∈δ(X ) ω y(uv, ω) ≥ 1 LP 解 x(u, ω) = 1/m ⇒ 目的関数 = 整数解 u に ω を割り当て ⇒ 目的関数 = ω/m ω 16/21 もう一つの試み x(u, ω) ≥ maxv y(uv, ω) → x(u, ω) ≥ P v y(uv, ω)? x(u, ω) = m y(uvi , ω) = 1 X1 X2 LP 解 x(u, ω) = m ⇒ 目的関数 = 整数解 u に ω を割り当て ⇒ 目的関数 = Xm mω ω 17/21 提案 LP 試み 1 試み 2 P x(u, ω) ≥ v y(uv, ω) P P uv∈δ(X ) ω y(uv, ω) ≥ 1 x(u, ω) ≥ maxv y(uv, ω) P P uv∈δ(X ) ω y(uv, ω) ≥ 1 解での高い次数が大きい整数ギャップの原因 提案 LP 変数 y(uv, ω, M) for ∀uv ∈ E , ∀ω ∈ Ω, ∀極小要求カット M 「要求カット X : M ⊆ X を被覆するために uv をアクティベート?」 X x(u, ω) ≥ max y(uv, ω, M) M uv∈E 18/21 提案 LP min W XX ω · x(v, ω) v∈V ω=0 s.t. W X X y(uv, ω, M) ≥ 1 極小要求カット M, X : M ⊆ X , uv∈δ(X ) ω=0 x(u, ω) ≥ max M x(v, ω) ≥ max M X y(uv, ω, M) u ∈ V , ω = 0, . . . , W , uv∈E X y(uv, ω 0 , M) v ∈ V , ω = 0, . . . , W , uv∈E ω 0 x(v, ω), y(uv, ω, M) ∈ [0, 1] 19/21 LP ≤ ネットワークアクティベーション問題 • y(·, ·, M) は {X : M ⊆ X } の極小被覆を表現 • {X : M ⊆ X } はリング族 (∩, ∪ について閉じている) 辺集合 F がリング族の極小被覆ならば, グラフ (V , F ) を向き付けしたグラフで 最大入次数 & 最大出次数 ≤ 1 定理 提案 LP ≤ OPT 20/21 まとめ スパイダー被覆アルゴリズム 組合せ的な解析 線形計画 (LP) による解析 スパイダー分解定理 • LP 緩和問題の定式化 density(S) ≤ OPT φ(G) • 主双対アルゴリズム ネットワークアクティベーション問題 違反ペナルティ付きネットワークアクティベーション問題 21/21
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