和歌をもとに物語を作る 国語 田中 潤 1 はじめに 私は物語を読むのが好きだ。自分の経験したことのない感情や、奇想天外な発想を、文字を読むだ けで知ることができるからだ。しかし、古典の物語はそうはいかない。 「昔の言葉」という先入観が あるため、なかなか物語の内容に入りこめない。だから、和歌と和歌の間に現代風の物語を挟み、意 味が分かりやすいように表現した。 2 研究内容 (1) 百人一首 今回使用した百人一首は、鎌倉時代、京都の小倉山に住んでいた藤原定家が百人の人の最も代 表的な和歌を一首ずつ選んだもの。 (2) 今回使用した和歌 ア 「しのぶれど色に出でにけりわが恋は物や思ふと人の問ふまで」 イ 「風をいたみ岩うつ波のをのれのみくだけてものを思ふころかな」 ウ 「ながらえばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき」 エ 「君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな」 オ 「忘らるる身をば思はずちかひてし人の命の惜しくもあるかな」 カ 「あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびのあふ事もがな」 (3) 物語概要 ア 同じクラスのまこ美ちゃんに恋する中田。 イ ある日、中田はまこ美ちゃんと2人で勉強することに。 ウ 中田は自分の気持ちを抑え、まこ美ちゃんの誘いを断る。 エ 色々あって告白。 オ 両思いだとわかり、楽しい日々を過ごす。 カ 卒業後、中田とまこ美は離れ離れに。 キ まこ美の病が発覚。 ク まこ美、病室で静かに息をひきとる…。 3 完 おわりに 今回、和歌を使い物語を作ったことで、文化や生活様式は変わ っても、昔も今も人間の感情は変わっていないということがよく わかった。授業で学ぶ古文も、文法は現代とは違っても、内容は 今の私たちにも共感することのできる文章である。苦手意識をも たず読むと、理解し易いのかもしれない。
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