医師と患者のコントロールに対する認識の差が2 型糖尿病の最適な管理

2015 年 9 月 18 日(スウェーデン現地時間 9 月 15 日発表)
PRESS-15-26
日本語翻訳・再編集版、内容や解釈については資料の正式言語である英語が優先します。
医師と患者のコントロールに対する認識の差が 2 型糖尿病の最適な管理を妨げる
-第 51 回欧州糖尿病学会(EASD)年次学術集会で新しい研究結果を発表-
ノボ ノルディスク社(社長兼 CEO:ラース レビアン ソレンセン、本社:デンマーク)は 9 月 15 日、スウェーデン・ストック
ホルムで開催されている第 51 回欧州糖尿病学会(EASD)年次学術集会において、患者と医師の間にコントロールに対
する認識に差があるという理解が高まれば、両者間でより良いコミュニケーションがとれ、糖尿病管理を改善できる可能性
があることを研究結果が示したと発表しました。1 コントロールに対する認識(Perceptions of Control: POC)研究から
得られた新たな知見では、基礎インスリンによる治療でコントロールが得られていない成人の 2 型糖尿病患者は、医師が
想定する以上に、コントロールの定義が広く、コントロール維持に多くの障壁を感じ、また生活に大きな影響を受けている
ことが示されました。1
POC研究のlead investigatorのメリル ブロド医師は次のように述べています。「医師と患者のコントロールに対する
認識には、定義、障壁、そして基礎インスリンによる治療でコントロールが得られないことによる患者の日常生活への影響
といった点に大きな隔たりがあります。診察の際に、よりオープンな対話をすることで、こうした重要な点についてより深い
理解が得られ、糖尿病の管理を改善し、一人ひとりにより効果的な治療計画を行うことが可能になります」
今回の研究結果から、コントロールの定義について、医師は低血糖の頻度・重症度(医師 93% vs 患者 69%,
p<0.001)、合併症(同 89% vs 同 75%, p<0.001)、HbA1c(同 85% vs 同 79%, p<0.05)1 といった測定可能
な臨床用語で定義し、基礎インスリンによる治療でコントロールが得られていない 2 型糖尿病の患者にとってもこれらは重
要であるものの、患者はコントロールをより広く定義していることが示されました。例えば、1 日のインスリン投与量(単位)
(患者 78% vs 医師 29%, p<0.001)、摂取エネルギー量(同 75% vs 同 33%, p<0.001)、そして、自身の病気に
ついてどれだけ考えなくてはならないか(同 68% vs 同 31%, p<0.001)などで医師との差がみられました。1
基礎インスリンによる治療でコントロールが得られていない2型糖尿病の患者は、コントロールの達成に対し医師より多
くの障壁を感じており、例えば、ストレス(患者75% vs 医師54%, p<0.001)、薬剤による副作用(同70% vs 同
56%, p<0.001)、そして患者支援団体の不足(同56% vs 同11%, p<0.001)という結果が示されました。1
基礎インスリンによる治療でコントロールが得られていないことによる影響、および、それがいかに生活に影響を与える
かについては、患者は医師が思う以上にその影響を大きく感じていることが示されました。例えば、機嫌・感情(患者63%
vs 医師33%, p<0.001)、予定を立てること(同62% vs 同16%, p<0.001)、そしてその日にどれだけのことを達成
したか(62% vs 23%, p<0.001)などで有意な差がみられました。1
コントロールに対する認識(POC)の研究について
POC の研究は、英国(n=医師 100 名、患者 620 名)、スウェーデン(n=同 100 名、同 240 名)、そしてスイス(n=同
100 名、同 152 名)の医師 300 名および基礎インスリン(HbA1c>8%(64mmol/mol)医師により確認)でコントロール
が得られていない成人の 2 型糖尿病患者 1,012 名に対するウェブ調査から収集された情報に基づいて行われました。1
また、対照群として、基礎インスリン(HbA1c<7.5%(59mmol/mol)医師により確認)によってコントロールが得られて
いる英国の成人 2 型糖尿病患者 295 名からも情報が収集されました。1 合計で、1,607 名の患者と医師からデータが収
集され解析されました。本研究の目的は、この患者集団がコントロールをどのように認識しているか、そして、それが医師
のコントロールに対する認識と異なっているかどうかを調査することでした。1
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Reference
1. Brod M, et al. Perceptions of diabetes control among physicians and patients with uncontrolled type 2
diabetes using basal insulin. Poster presentation (#890) at the 51st European Association for the
Study of Diabetes (EASD) Annual Meeting, 16 September 2015.
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、デンマークに本社を置くグローバルヘルスケア企業であるノボ ノルディスク社の日本法人で
す。ノボ ノルディスク社はインスリンの発見から間もない 1923 年にインスリンの製造販売を開始し、以来 90 年以上にわたり継続的な
研究開発と世界の国々への安定供給を通じ、糖尿病ケアの革新をリードしてきました。また、糖尿病領域における研究開発の歴史によ
り培われた数々の強みを活かし、成長障害や血友病など長期にわたり医薬品を必要とする疾患においても、その治療法の革新に取り
組んでいます。ノボ ノルディスク社は現在 75 カ国に約 39,700 人の社員を擁し、製品は 180 カ国以上で販売されています。日本法
人は 1980 年に設立されています。
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