法と教育学会 第 6 回学術大会 第 10 分科会-④ 裁判員制度を機軸とした大学における法教育プロジェクト 平野 潔(弘前大学人文学部) 前田 歩(弘前学院聖愛中・高校) 1.はじめに 弘前大学では、2009 年の裁判員制度施行以降、裁判員制度を機軸とした「裁判員教育」を実践 してきた。その一端は、2011 年度の法と教育学会で報告している。本報告は、その延長線上にあ るものである。 2.裁判員制度プロジェクト 弘前大学人文学部現代社会課程法学コースの学生を中心として、2014 年度より裁判員制度プロ ジェクトを立ち上げ、様々な活動を展開している。 ・司法関連機関への施設見学 ・裁判員制度関連のシンポジウムへの参加 ・裁判員裁判の傍聴と傍聴記の作成 ・裁判員経験者インタビュー など これらの活動に関しては、その成果を学生が中心になってまとめ『青森県の裁判員裁判と司法 関係機関の姿-弘大生による調査報告-』として、昨年度末に刊行している。本報告では、その 活動内容の一部を紹介する。 3.裁判員経験者インタビュー 上記の活動の中から、裁判員経験者インタビューを取り上げて、その成果について検討を加え たい。 裁判員経験者インタビューは、裁判員経験者に対して、学生 2~4 名がインタビューを行うもの である。学生は、当該裁判員経験者が担当した事件について、当時の新聞記事などを探して概要 を把握した上で、裁判員ごとに質問項目を考える。その項目を中心にしながら裁判員経験者に対 して、インタビューをするというのが、この活動の概要である。 このインタビューを通じて、学生がどのようなスキルを身につけ、制度に関してのどのような 視点を獲得したかについて、学生に対するアンケート結果をもとに考察をする。また、インタビ ューに応じてくださった裁判員経験者にも別にアンケートを実施しており、裁判員経験者がどの ように学生との対話の意義を捉えていたのかについても明らかにしたい。 4.おわりに 本報告では、上記のアンケート結果などを用いながら、 「大学生」に対する「課外活動」として のプロジェクト活動の意義・成果を、法教育的試験から検討してみたいと考えている。
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