肢体不自由のある子への指導Q&A

肢体不自由のある子への指導Q&A
Q
肢体不自由のある子への体育の授業はどのように行っているのか?
→本校では、ボールを使った活動であれば個に応じて扱いやすいボールを使った
り、投げる距離を変えたりするなど個々に適したルールを作って、活動できる
ような配慮をして指導を行っている。
→子どものできる活動の中で、できることを伸ばしていく。例えば、ボールを転
A
がすことができれば、そのボールでピンを倒せばボウリングができる。
→目標(細かな段階・目標)を決めて取り組む。
→できない種目はできるように変えて取り組む。
(例:バレーボール→ゴロレーボール、風船バレーボール等)
→体育の評価は個別の評価基準に基づいて評価している。
Q
書字の難しい子への支援や代替手段はどんな方法があるか?
→見え方を確認して、書見台などを利用して、子どもが書きやすい環境を整え
る。
→本校では、パソコンを活用することもある。ハーティーラダーというソフトと
A
ジョイスティック(マウスに変わる道具)を使用している。スイッチ類を工夫
すれば、ある程度文字入力が可能。
→テストなど時間に制約があるときには聞き取りによる代筆を行うこともある。
→iPadなどのタブレット端末の活用も考えられる。
Q
足に不自由(かかとがつかない・内股など)のある子どもへの自立活動の内
容を知りたい。
→ボディイメージがうまくできないと、体の動かし方が分からない。また脳から
の伝達が体に正しく伝わらないと思いどおりに動かすことができないというよう
に子どもの障害についてとらえ、正しい動きを覚えていけるように指導の工夫を
するとよい。
→体が硬い場合は股関節まわりの硬さが緩むように、腰を揺らしたり、ストレッ
A
チをしたりする。また、足指からかかとまで手で包み込むようにしたり、足首を
ゆっくり動かしたりする。その後、仰向けに寝た状態で、片足ずつゆっくり膝の
曲げ伸ばしをする。このとき膝が内に入らないように気をつける。
→速く歩くことができてもゆっくり歩くことが苦手なことが多いので、片足立ち
や後方歩き、大股歩きなどにも取り組む。
→集会などで立位を保つことが目標のときには、足を肩幅に開いて立つスペース
を決めて練習するとよい。
Q
着替えなど一人でできることを増やしてあげたいが、支援方法が分からない。
→着替えについては、着脱の方法を一定にして定着を図ったり、服装を工夫(七
分袖やゆったりとした服、大きめのボタンかマジックテープ、フォックのないゴ
ムのズボンなど)したりするとよい。
→困難に感じている子どもに最初から取り組ませるのではなく、途中まで支援
し、最後の部分を自分で取り組むことで「できた」という喜びを感じることがで
きるようにするとよい。そして、少しずつ、支援するところを減らしていく。
Q
左手がうまく動かせないので訓練的なことを少し取り入れてあげたいが、方法
が分からない。
→生活場面で手指を使う(掴む、引っ張るなど)機会を意識的に設定するとよ
い。遊びの中で行うと子どもも意欲的にできると思う。
→自分の体に対する意識がはっきりとしていないことが多いので、体の部位を意
A
識できるように言葉を掛けながら手指や足に触れる時間を意識的に作ることも大
切である。日常生活の様々な場面で体に触れる時間が作れるとよいので、家庭で
もお風呂の時間に楽しみながら手足に触れるなど協力をしてもらえるとよいので
はないか。