6 ゴールデンイーグル国際外語学院 Ⅰ 日本語教育機関の所在地及び代表者 1 所 在 地 〒810-0072 福岡市中央区長浜 1-3-1 電話 置 者 092−711−1126 2 設 学校法人 3 役職・代表者名 Ⅱ 研究内容 1 研究課題 測定評価の方法―面接法/検査法(テスト)について 2 研究組織 (代表者名) 理事長 高木学園 高木 (研究員名)池永文世 邦格 3 吉田早慧子 馬原亜矢 須沢美紀 研究目的 日本語能力試験やテキストについての記述式の試験では測定できない会話能力、運用能 力を問うためにどのようなテストを行ったらいいかについて研究する。 Ⅲ 研究成果の概要 1 研究の目的 日本語能力試験や日本留学試験などの記述式試験では測定が難しい会話能力や運用能力 を問うために、どのようなテストを行ったらいいかについて研究する。 本校では、次のような点で改善が必要ではないかと、以前より考えていた。 第一に、日本語能力試験で高得点を取り、上級レベルのテキストの語彙や文法を習得し ていても、なかなかそれを会話に生かせず、流暢さに欠ける学生が多かった。 第二に、各講師の考え方や作成プリントがさまざまで、統一性に欠けていた。 第三に、自宅学習ではできない、日本語学校ならではの発話練習がもっと必要である。 そこで、本校では 1999 年より、オーラルテストを導入することに決めた。 2 現行テストに至るまでの過程 2000 年3月(1999 年度秋学期末) 、初級クラス『みんなの日本語Ⅱ』巻末テストに、オ ーラルテストを導入。同時に、中級クラス『テーマ別 中級から学ぶ日本語』の巻末テスト においてもオーラルテストを実施。 2000 年 10 月(2000 年度秋学期)からは、新入生のプレースメントテストにおいても、 筆記テスト、聴解テストと並行してオーラルテストを導入し。筆記テストの得点がよくても、 聴解テストやオーラルテストで基準に達しなければ、0初級クラスでしばらく勉強させ、学 生本人の習熟度を見ながら、よりレベルの高いクラスへの移籍を認めることとした。 2001 年度の春学期からは、中上級、上級クラスにおいても、巻末テストにおけるオーラ ルテストを開始、 『日本語中級 J301』、 『中級から上級への日本語』、 『テーマ別 上級で学ぶ 日本語』、それぞれの巻末テストにもオーラルテストを導入し、全学生が定期的にオーラル テストを受ける体制が一応整った。 3 会話テスト導入に伴う変化および成果 1)指導方法 日本語学校での学習の一番のメリットは、会話が学べる点にあると考え、学校ではペン を持たずに話すことに力を入れるようにした。これは、初級クラスでは徹底して行い、中 級、上級クラスにおいてもできる限り学生に発話させるように努める。なお、初級におい ては、課末の筆記テストでも会話文を書かせる問題を盛り込み、習った会話文をそのまま 覚えさせるように指導している。 学生が毎日覚えるべき語彙や表現は、数多くあるが、その中でも特に覚えさせたいもの を 100 分の授業のうち、多くて 10 程度に絞り、それを短文にして、授業の終わりには、 必ずその文に立ち返って、確認することとした。 さらに、これを徹底させるために、それぞれのテキストに合わせて、各課の文法・表現、 文字・語彙、漢字プリントを作成、使用プリントを統一することにした。こうすることで、 学生がその時間に覚えるべき文も統一できるようになった。 本校では、少なくとも初級から中級にかけては、まず正しい日本語を覚えさせるという 点に主眼を置き、自由な発想による独創的な作文は、中上級以降の課題と位置づけている。 2)学生の変化 初級の頃から、授業中は発話練習を徹底してさせるため、中級や上級になってからも、 発話の習慣が身についている。 この学習態度は、日本語能力試験対策としての1、2級の文法クラスでもみられ、学習 した文型や表現をすぐに使おうとするので、試験勉強が普段の会話にも生かされているよ うだ。 文法・表現はもちろん、語彙もできるだけ短文にして、覚えさせるので、どのレベルの 学生も、単語単位ではなく、文単位で話す習慣がついてきた。 また、頻繁に使える文を覚えさせていくため、中級や上級クラスにおける作文や小論文 でも、オーラルテスト施行前のような意味不明な日本文を書く学生が減った。 さらに、聴解問題における成果も見られ、日本語能力試験の聴解問題の得点が総体的に 上がった。 4 まとめ 本校におけるオーラルテストを中心とする評価方法が着実に成果をあげつつあることは 確認された。しかし、検討し、手も加えている段階で、現段階では、十分な運用力を備え ているかを測る方法としては問題点もあるので、次年度の課題として、さらに改良を重ね、 より適切な評価方法を目指したい。
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