県学習状況調査を活用した学力向上に係る取組 越谷市立東中学校 〈取組〉 1.TTの導入 過去3年間の埼玉県学習状況調査の平均を調べてみると、観点として「関心・意欲・態度」に おいて僅かであるが、県平均を上回っている。この理由の一つとして、TTの導入が考えられる。 本校では、中学校スタート学年で基礎基本の定着を徹底したいという思いから、第1学年にお いて2名の数学科教員で1クラスをみるTTを実施している。5クラスを計3名の教員で指導し ているため、学習内容や進度等、教員間での連携も綿密に行っている。授業規律はもちろんのこ と、苦手な生徒にもT2の教員がより密に支援することができた。 2.小学校「算数」との繋がりを意識した授業作り 本校では、小学校との連携を図り、授業に還元しようとしている。小学校「算数」との既習事 項の関連性を踏まえ、図形の移動や立体の名称、体積の学習など、時には算数の教科書を活用し、 振り返らせながらの授業展開を行った。本年度は、特に、授業を相互に参観する取組が指導法改 善に有効であった。今後、小中合同学力向上会議を開催し、小学校との連携をより密にしていく 予定である。 3.実物やICT機器の活用 過去3年間の埼玉県学習状況調査の平均を調べてみると、内 容として「図形」において、県平均を 3.7 ポイント下回ってい た。この課題に対して以下の取組を行っている。 図形の分野において実物に触れさせることや、ICT機器を 通して軌跡を映し出すことで、思考の深化・拡大や知識の補完 を行いながら指導した。例として、ICTを活用し「図形の移 動」の回転移動をモニターに映し出すことで、実際にどのよう な移動をさせれば良いのかということを示し、理解させること ができた。また、錐体や球体の「体積」の学習において、水を 【50inch テレビを使った 入れられる実物の教具を使うことで、体積の求め方と公式の関 等積変形の授業】 係をより強く実感させることができた。 4.確認テストの実施 題材ごとの確認テストなどを計画的に実施し、理解が不足している学習内容を把握し、授業内 容の見直しを行っている。 5.計算力コンテストの実施 過去3年間の埼玉県学習状況調査の平均を調べてみると、内容として「数と式」において、僅 かではあるが、県平均を上回っている。この理由の一つとして、計算力コンテストの取組が考え られる。 〈取組の成果〉 本校では、3学期に計算力コンテストを実施している。約2週間にわたる取組で、プレテスト を行ったり、朝の時間を活用して練習に取り組んだりしている。各学級の係活動を活用し生徒自 らが関われるようにするなど全校を上げての取組である。問題は、正負の数の四則演算から始ま り、文字と式や方程式、関数、平方根などの基礎的な内容である。満点を目指し意欲的に取り組 んでいる。 <成果> ・TTの導入によって、 「個に応じた指導」への対応が今まで以上にできるようになり、 「分かる」 生徒が増えた。また、授業規律を常に整えることができたり、質問等がしやすい環境づくりがで きたことにより、苦手な生徒も課題解決をより図ろうとする姿が増えた。 ・算数との繋がりを意識しながら学習することで、より本質を理解させることができた。 ・確認テストにより把握できた学習内容を、より重点的に大切に扱ったり、演習や復習の時間を 多くとるなどの実践を行ったことが学力向上につながった。
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