<第7回 担当:田島 Case 13 – 2015> <症例提示> Case 13-2015:A 27 7-Year-Old Woman with Arthralgias and a rash(担当:田島) 【患者】27 歳 女性 【主訴】関節痛 発疹 【現病歴】 2014 年のある夏の日、27 歳女性が関節痛と発疹を認め救急部を受診した。 5 日前まではいたって健康であった。現在は背部、頸部、後眼窩に痛みを伴う手指、手首、 肩の対称性の関節痛を認める。痛みを認めた日以降、悪寒、嘔気、食欲不振、のどの痛み、 充血を伴う 39℃の発熱を認めている。また、膣潰瘍、舌縁潰瘍、味覚の減退、頸部と鼡径 部リンパ節の腫脹と圧痛に気づいている。 翌朝には右前腕に発疹を認めた。発疹はピンク色で搔痒はあるが痛みはなく、発疹は平 らなものから蕁麻疹のような盛り上がりを認めるものもあり多彩であり、1 時間以内に体患 両腕、両下肢へと広がった。症状よりウイルス性疾患だろうと診断され、別の病院を紹介 され一度退院となった。 さらにその翌日には関節痛は持続しながら肘、膝、足首、つま先にまで痛みが広がり、 手指や手首は指輪やブレスレットをはずさないといけないくらいに腫れ、歯磨きの時には 容易に歯肉からの出血を認めていた。発熱や発疹はこの日の夕方には少し軽快を認めてい る。 その後 2 日にかけて関節痛は持続するも他の小徐湯については軽快していった。 しかし、 5 日目には手掌から始まる腕、胸部、腹部、背部、下肢にまで新たな搔痒を伴う紅斑性発疹 が出現し、イブプロフェンとジフェンヒドラミンを内服後に救急部を受診した。 【既往歴】虫垂炎(切除済み) 【内服薬】マルチビタミンを毎日飲んでいる 【アレルギー】なし 予防接種は受けている 【嗜好品】喫煙:今まで一度もなし アルコール:機会飲酒程度 【家族歴】自己免疫疾患の家族はいない 【社会的背景】夫と一緒にニューイングランドの郊外に住んでいる。一夫一妻である。職 業は化学者として働いている。症状が起こる 3 日前にタークスカイコス諸島への旅行から 帰国しており、旅行中にはビーチで過ごすことや蚊に多く刺されたとのこと。 1 <第7回 担当:田島 Case 13 – 2015> 【身体所見】 BT:36.4℃、HR:69 回/min、BP:135/87mmHg、RR:18 回/min、spO2:98%(room air) 手の軟組織の腫脹あり、関節への滲出液の漏出なし、手指と手首の関節可動に軽度の不快 感を伴う。胸部、腹部、背部、上肢、下肢にびまん性で消退する斑状の発疹を認める。手 掌には癒合した斑を認めるも足の裏にはなかった。 その他身体所見は正常であった。 2.5 分間の駆血帯の圧迫では点状出血を認めることはなかった。 Na などの電解質、カルシウム、リン、マグネシウム、グルコース、総タンパク、アルブ ミン、グロブリン、アルカリホスファターゼ、直接ビリルビン、腎機能は正常であった。 その他の結果は table 1 に示した通りである。 尿検査では、黄色、透明で比重は 1.011、pH 5.0 で潜血、白血球エステラーゼ、ビリル ビン、ウロビリノーゲンは陰性であった。尿中ヒト絨毛性ゴナトトロピンも陰性であった。 鑑別診断は?行うべき検査は? 2
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