(H19.7 夏)カーフチェック(子牛の血液検査)

カーフチェック(子牛の血液検査)
血液検査による子牛の栄養状態を確認しませんか?
みなさんのおうちの子牛たちはすくすくと育っていますか?
病気になりやすいのはいつ頃ですか?
だいたい離乳して落ち着くまでが心配ですよね。
生まれたての子牛は、まったく免疫 がありません。つまり、バイ菌 に対する抵抗力
がゼロなのです。ですから、免疫物質をたくさん含んだよい初乳をお腹いっぱい飲ませ
てあげる必要があります。よい初乳を出してもらうには、お母さん牛にストレスがかかっ
ていないこと、お母さん牛がお産の前にカゼや下痢のワクチンが注射されていること、
鉱塩(E250)をしっかり舐められていること、そして一番大事なのはよい牧草(カ
ビが生えていたら最悪!!)を腹いっぱい食べていることです。ストレスや悪い牧草しか食
べていないと、ワクチン注射が流産の引き金になったりすることもあるようですよ。こ
のように、よい初乳を飲めた子牛は、抵抗力が十分にあるので病気になりづらく、すくすく
発育してくれます。
ビタミンE
コレステロール
700
離乳してない牛
250
600
離乳してない牛
200
500
3ヶ月で離乳した牛
150
200
100
3ヶ月で離乳した牛
危険ゾーンに
突入してる!!
100
50
0
2
4
6
8
月齢
コレステロールは、栄養状態を表します。
100以下は栄養不足です。
危険ゾーンに突
入しかけてる!!
10
0
0
2
4
6
8
10
月齢
ビタミンEは、良質の草の摂取量を反映します。
尿素体窒素
次の問題は、 離乳 の時です。離乳の時は、
おっぱいから離されるストレスなどから相当
子牛はつらいようですね。ですから、何日間
25
離乳してない牛
20
はベーベー鳴いているので、かわいそうだ
15
なぁとか、近所迷惑になるなぁとかいろいろ
10
考えたりして・・・
それはさておき、こんなつらい気持ちの子
3ヶ月で離乳した牛
青草を食べていれば20を超える。食
べていなければ10~20の範囲で、
月齢が進むにつれゆっくり上昇する。
5
0
2
4
6
8
尿素体窒素は、タンパクの摂取量を表します。
10
月齢
低すぎると摂取量不足また高すぎると尿石や尾枕の要因になります。
牛たちですから、お腹がすいていてもエサを
十分には食べません。離乳前にあんまり配合飼料を食べられていなかった子なら、なおさら
飢餓状態になってしまいます。
血液中で、体の免疫物質のもとになるコレステロールや、バイ菌に対する抵抗力をも
つビタミンEもエサを食べなければどんどん下がっていってしまいます。コレステロー
ルやビタミンEが度を越して下がってしまうと、下痢や肺炎のバイ菌に対する抵抗力が
なくすぐにかかってしまいます。そんな子牛たちは、食い込みが良くなるまでには時間もか
かり、特に粗飼料の食い込みが足りず、体高が無いのに尾枕がついているといった
牛になってしまいがちです。これではせっかくの子牛たちの市場での評価が心配ですよね。
NOSAI では、今年度より子牛の血液検査(カーフチェック)を行い、子
牛の栄養状態を確認して現在の飼養状況から改善できることを一緒に考えていく事
業を行なっています。検査時期として、子牛の離乳前・後、育成中期および出荷前の4回実
施することを勧めています。
興味のある方は一度担当の獣医師にご相談ください。