パウロの告別説教 2 使徒の働き 20 章 28∼35 節 1 警戒すべきこと 28∼32節。パウロはエペソ教会に、狂暴な狼が入り込んで群を荒 し回るので、警戒するように命じています。狼は人々による迫害 や霊的な攻撃が考えられますが、教会はこの世にあるかぎり、こ のような戦いにさらされています。それだけでなく、教会の内部 からも曲がった教えによって分裂を引き起こすこともあります。 ですから、パウロは霊の目を開き、パウロから伝え聞いたことを よく思い出し、何が真理であり、従うべきなのかをよく考える必 要があると命じています。そして、そのような戦いの中で、もっ とも有益なのが神様のみことばです。 「みことばは、あなたがたを育成し、すべての聖なるものとされた 人々の中にあって御国を継がせることができるのです。 」 (32節) みことばを学ぶことのが大切なのは、外部からの攻撃、また、 内部からの分裂を招く間違った教えに勝利することができるのは、 真理のみことばだけだからです。このみことばに従う時、聖なる ものとされた人々の中で御国を継ぐことができます。 2 模範とすべきこと 33∼35節。教会での信徒の交わりで大切なことがあります。それ は、弱い者を助けるということです。この世では弱い者はしいた げられます。しかし、神様は弱い者を見捨てることなく、あわれ んでくださるお方です。イエス様も貧しい者に福音を宣べ伝え、 弱い者に寄り添ってくださいました。また、パウロも使徒として 報酬を受けて当然の立場にあるにもかかわらず、自分の必要のた めに、また、一緒にいる人たちのためにも労働して糧を得ていま した。パウロは、イエス様が『受けるよりも与えるほうが幸いで ある。 』と言われたことを、教会のすべての人が思い出し、一部の 裕福な人が恵まれるのではなく、貧しいもの、弱い者もキリスト にある兄弟姉妹、神の家族として同じように恵みを受けるために、 彼らのために模範を示してきました。また、告別の言葉として、 長老たちに語りました。 適用:皆が一緒に成長する教会 『受けるよりも与えるほうが幸いである。 』とイエス様が言われ たとありますが、これは福音書には記録されていませんが、伝承 として伝えられていたみことばでしょう。このイエス様が語られ たみことばにありますように、教会は自分だけが恵まれれば良い というところではありません。もちろん、救いを受けること、主 のみことばに応答して従うことは、私たち個人と神様との関係で す。しかし、イエス様はひとり一人が勝手に生きることを良いと は言っておられません。イエス様が弟子たちに与えられた戒めも、 「互いに愛し合いなさい。」(ヨハネ13:34)であったように、 主にある兄弟姉妹、神の家族であるクリスチャンが、互いに愛し 合い、助け合って主に従い、成長することを神様は願っておられ ます。そのために、使徒、預言者、牧師、教師、また、長老たち が立てられ、みことばを互いに学び、日々の生活を助け合い、皆 が一緒に成長し、御国を継ぐことができるように備えてくださっ ています。ですから、私たちも自分自身と群の全体とに気を配り、 この世にあって困難に直面する時も、内部で問題が起こる時も、 パウロが教会を委ねた神様により頼み、恵みのみことばにより頼 んで歩んで行きたいと願います。 28 節 あなたがたは自分自身と群れの全体とに気を配りなさい。 聖霊は、神がご自身の血をもって買い取られた神の教会を牧させ るために、あなたがたを群れの監督にお立てになったのです。 2015 年 3 月 1 日 木下淳夫牧師
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