2015年8⽉27⽇ メキシコペソの下落と今後の⾒通し <資源安とリスク回避の動き> 世界的に株式市場が軟調に推移する中、メキシコペ ソ(以下、ペソ)も軟調に推移しました。ペソの8 ⽉26⽇の海外終値は1⽶ドル=17.01ペソ、1ペソ =7.05円となりました。 他の資源国と同様、中国による8⽉11⽇の⼈⺠元切 り下げ発表以降、同国の経済指標の下振れなどを背 景とした原油安なども加わり、資源国通貨が売られ たことで、ペソ安も進みました。また、世界的な株 式市場の下落によりリスクオフの動きが強まったこ とを受け、安全資産とされる円が買われ、円は対⽶ ドルでも上昇しました。その結果、ペソは対⽶ドル、 対円でともに軟調に推移しました。 <メキシコ経済について> メキシコ中央銀⾏は8⽉12⽇に公表した四半期インフ レ報告で、輸出の下振れや、国内⽯油⽣産の不振を背 景に2015年の経済成⻑率⾒通しを5⽉公表時の2-3% から1.7-2.5%へ下⽅修正しました。しかし、25⽇に メキシコ地理統計院が発表した第2四半期経常収⽀は 市場予測を下回る⾚字に留まっており、新興国の中で は健全な⽔準を維持しています。 <今後の⾒通し> 短期的には、中国不安が払拭されるまでは⾦融市場の 動揺は収まらず、他の新興国通貨と同様にペソも不安 定な推移が予想されます。ただし、メキシコ中央銀⾏ は昨年末以降、為替介⼊策を実施・強化しており為替 の安定化にコミットする姿勢を強く打ち出しています。 加えて外貨準備⾼も2009年12⽉末の約900億⽶ドル から、2015年8⽉21⽇時点で約1,870億⽶ドルと約2 倍に拡⼤し、過去5年間で潤沢に積み上げていること からも⼤きな混乱を伴う急落リスクは極めて低いとみ ています。中⻑期的には、⾃動⾞産業など⽶国との結 びつきが強い産業が牽引役となりメキシコ経済は拡⼤ 基調が続くとみられ、ペソは新興国通貨の中で優位性 を保つと⾒ています。 ■当資料は情報提供を⽬的として⼤和住銀投信投資顧問が作成したもので あり、特定の投資信託・⽣命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘する ものではありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源か ら作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。■当資料に記載されている今後の⾒通し・コメントは、作成⽇現在の ものであり、事前の予告なしに将来変更される場合があります。■当資料 内の運⽤実績等に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運⽤ 成果等を約束するものではありません。■当資料内のいかなる内容も、将 来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 <メキシコペソ為替の推移> (円) 10 (2012/1/2〜2015/8/26) メキシコペソ/円(左軸) ⽶ドル/メキシコペソ(右軸) (メキシコペソ) (メキシコペソ⾼) 9 10 12 8 14 7 16 6 (メキシコペソ安) 5 12年 13年 14年 15年 <メキシコのGDP成⻑率の推移> (%) (2010/1-3〜2015/4-6) 8 7 メキシコ実質GDP成⻑率(前年⽐) 6 5 4 3 2 1 0 10年 11年 12年 13年 14年 15年 出所:Bloomberg 大和住銀投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号 加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 18
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