2016年3月11日 ECB –想定以上の追加緩和発表も打ち止め発言– <全ての政策金利を引き下げ> 3月10日、ECB(欧州中央銀行)理事会は3つの政 策金利を引き下げるなど想定以上の追加緩和策を 発 表 し ま し た 。 ECB 預 金 金 利 は 市 場 予 想 通 り ▲0.30%から▲0.40%に引き下げられましたが、 主要政策金利であるリファイナンス金利(0.05% から0.00%へ)や、限界貸出金利(0.30%から 0.25%へ)の引下げは想定外でした。 さらに資産買い入れ額を600億ユーロから800億 ユーロに拡大するとともに、買い入れ対象に社債 を含めることも発表されました。 ドラギ総裁は記者会見で「物価安定という政策目 標が大きなリスクにさらされており、それに対抗 するために包括策を決めた」と追加緩和決定の理 由を述べています。ただ会見では「現在の見通し に基づけば、一段の金利引き下げが必要だとは考 えていない」と発言し、これが利下げ打ち止めの 可能性と受け取られました。 <ユーロは打ち止め発言受け上昇> 市場の想定以上の追加緩和策発表を受けて、ユー ロは対米ドル、対円ともに下落しましたが、ドラ ギ総裁の記者会見での発言を受けて、一斉にユー ロが買い戻されました。3月10日の海外終値は対 米ドルで1ユーロ=1.1177米ドル、対円で1ユーロ =126.55円となり、前日よりも上昇しました。 <政策金利の推移> 今回の追加緩和策が市場予想を上回る内容であっ たことから、効果を見極めるためECBは現状の金 融政策をしばらく維持するものと見込まれます。 ECB限界貸出金利 ECB政策金利 ECB預金金利 2.0 1.0 0.0 -1.0 *政策金利は発表日ベース 11年 12年 13年 14年 15年 16年 <ユーロ為替の推移> (円) 160 (2011/1/3~2016/3/10) ユーロ/円:左軸 (米ドル) 1.6 ユーロ/米ドル:右軸 1.5 140 1.4 120 1.3 1.2 (ユーロ高) 100 1.1 (ユーロ安) 80 1.0 11年 12年 13年 14年 15年 16年 <消費者物価指数> <今後の見通し> ユーロ圏の2月の消費者物価指数は前年比▲0.2% とECBの目標とする水準(前年比2%をやや下回る 水準)を大きく下回っています。ECBはデフレに 陥るリスクを回避するため、今後も緩和的な政策 を続けていくものと見込まれます。 (2011/1/3~2016/3/10) (%) 3.0 4 (2011/1~2016/2) (%) ユーロ圏消費者物価指数(前年比) 3 2 1 0 -1 11年 12年 13年 14年 15年 16年 出所:Bloomberg ■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであり、特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。 ■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料に記載されている今後の見通 し・コメントは、作成日現在のものであり、事前の予告なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来 の運用成果等を約束するものではありません。■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
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