マーケットレポート「メキシコ -原油価格とメキシコ経済-」

2015年2月23日
メキシコ -原油価格とメキシコ経済-
<原油下落でメキシコペソは対⽶ドルで下落>
世界的な供給過剰による需給悪化から原油価格は
昨年後半以降⼤きく下落しました。メキシコは有
数の原油産出国であることから、その通貨である
メキシコペソ(以下ペソ)は原油価格との連動性
が非常に高くなっています。そのため、メキシコ
ペソも昨年後半以降、対ドルで⼤きく下落しまし
た。足元のメキシコペソは1米ドル=15ペソ前後
と、リーマンショック直後の⽔準にまで下落して
います。一方、円も日銀の追加緩和により対米ド
ル高で円安が進んだことから、対円では1ペソ=8
円前後と昨年とほぼ同じ⽔準で推移しています。
<メキシコペソ為替の推移>
10
メキシコペソ/円(左軸)
米ドル/メキシコペソ(右軸)
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10
11
12
13
6
14
(2012/1/2〜2015/2/20)
(メキシコペソ安)
4
12年
13年
14年
15
16
15年
<原油価格と設備稼働数の推移>
(米ドル)
140
(基)
2,500
WTI原油先物(左軸)
米国の石油掘削設備稼働数(右軸)
120
2,000
100
80
1,500
60
(2012/1/6〜2015/2/20)
40
12年
<回復に転じたメキシコ経済>
メキシコ中央銀⾏は経済の回復ペースが鈍いことを
懸念して2014年6⽉に政策⾦利を3.0%に引き下げ
ました。20日に発表された第4四半期の実質GDP成
⻑率は前年⽐+2.6%と、第3四半期から改善してい
ます。6⽉の利下げの効果や最⼤の貿易相⼿国であ
る米国経済が堅調に推移しており、メキシコの経済
成⻑率の回復傾向が鮮明となってきています。原油
価格の下落は同国の財政やエネルギー企業にとって
はマイナスではあるものの、国内のガソリンの多く
を輸入に頼っていることもあり、国内景気にとって
はプラスの影響を与えることから、メキシコ経済は
今後も順調に回復していくものと⾒込まれます。
(メキシコペソ高)
8
<足元の原油価格は下げ止まり>
昨年末に一本調⼦で下落してきた原油価格も足元
では下げ止まってきています。供給過剰の要因の
一つとして挙げられている米国のシェールオイル
は生産コストが高いため、現状の原油価格では採
算を確保することが難しくなってきています。原
油価格が下落し始めた当初、米国の石油掘削設備
の稼働数に⼤きな変化は⾒られませんでしたが、1
バレル60米ドルを下回ってきた年明け以降、急激
に稼働数が減少してきています。これを受け、44
米ドルまで下落していた原油価格はやや持ち直し、
足元では50米ドル台前半で推移しています。
(メキシコペソ)
(円)
13年
14年
1,000
15年
<メキシコのGDP成⻑率の推移>
8
(2010/1-3〜2014/10-12)
(%)
メキシコ実質GDP成⻑率(前年⽐)
6
4
2
0
10年
11年
12年
13年
14年
出所:Bloomberg
大和住銀投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号
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