カナダ -政策金利据え置き、景気は年央から回復

2015年4月16日
カナダ
–政策金利据え置き、景気は年央から回復–
<政策金利を据え置き>
4月15日、カナダ中央銀行は政策金利を0.75%に据え
置くことを決定しました。
声明文では前回同様「インフレリスクはより均衡化し、
金融安定リスクも想定通りで、現在の金融政策の刺激
度合いは適切な水準である」としています。
同時に発表された中銀による経済見通しでは、原油価
格の下落や米国経済の一時的な減速などの影響により、
第1四半期の経済成長率は前回の見通しから引き下げ
られましたが、第2四半期以降は非エネルギー関連の
輸出増や投資の増加、労働市場の改善により回復し始
めると予想されています。
<政策金利の推移>
2.0
(%)
1.5
カナダ政策金利
1.0
0.5
0.0
10年
11年
12年
13年
14年
15年
<カナダドルの推移>
<カナダドルは上昇>
カナダドルは原油価格の下落を背景に対米ドルで弱含
んで推移して来ましたが、足元では原油価格の下げ止
まりもあり横ばいで推移していました。
声明文の内容がカナダ経済の見通しに対して楽観的な
内容であったことから、カナダドルは対米ドル、対円
ともに上昇しました。4月15日海外終値は、1米ドル
=1.229カナダドル、1カナダドル=96.94円となって
います。
(2010/1/4~2015/4/15)
(円)
110
(2012/1/2~2015/4/15)
加ドル/円(左軸)
米ドル/加ドル(右軸)
(加ドル)
(加ドル高)
1.0
100
1.1
90
1.2
80
1.3
<今後の見通し>
カナダ中央銀行は現状の金融政策が適切であるとのコ
メントを繰り返しており、しばらく政策金利は据え置
かれるものと予想しています。
最大の貿易相手国である米国経済が悪天候などの一時
的な下振れから脱しつつあることや、これまでのカナ
ダドル安が輸出を後押しすることが期待されるため、
カナダ経済は比較的早く回復に向かうと予想されます。
足元では、米シェールオイルのリグ稼働数が半減する
なか、原油の供給過剰懸念が徐々に後退しつつあり、
原油価格の底打ちは近いと思われ、今後、原油価格下
落によるカナダドル安の局面は少なくなっていくと予
想されます。また、米国の利上げ観測を背景とした円
安米ドル高傾向が続くと見ており、対円では底堅く推
移するものと見込まれます。
0.9
(加ドル安)
70
12年
13年
14年
1.4
15年
<消費者物価指数>
5
4
(%)
(2012/1~2015/2)
カナダCPI(前年比)
カナダコアCPI(前年比)
3
2
1
0
12年
13年
14年
15年
※網掛けは中央銀行の政策目標
出所:Bloomberg
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