マーケットレポート「メキシコ -政策金利を過去最低に据え置き-」;pdf

2015年3月27日
メキシコ -政策金利を過去最低に据え置き-
<政策金利を3.0%に据え置き>
メキシコ中央銀行は3月26日(現地時間)、政策金利
を過去最低の3.0%に据え置くことを決定しました。
声明文では「通貨安による物価上昇圧力は一部の輸
入品に留まり、他への波及は見られないことから、
インフレ率は2015年から16年にかけて安定的に推移
するであろう」としています。
また、メキシコ経済については「年初の悪天候によ
り米国製造業向けの輸出が落ち込んだことや、原油
安によるエネルギー産業の低迷などから、やや弱含
んで推移している」としています。雇用市場と経済
に“緩み”が見られることから、経済見通しはやや悪化
傾向である、ともしています。
<インフレ指標と政策金利の推移>
(%)
8
6
4
2
中央銀行の政策目標範囲(3±1%)
0
12年
<今後の見通し>
足元で、メキシコ経済は低調な原油生産や米国の悪天
候から景気は足踏みとなっています。原油価格の下落
は同国の財政やエネルギー企業にとってはマイナスで
はあるものの、国内のガソリンの多くを輸入に頼って
いることもあり、国内景気にとってはプラスの影響を
与えると見ています。また、年初の天候要因は一時的
なものであることに加えて、昨年6月の利下げ効果や
最大の貿易相手国である米国経済の堅調さを背景にメ
キシコ経済は今後も緩やかに回復していくものと予想
しています
米国の利上げが近づいてきているため、新興国通貨は
対米ドルでしばらく軟調な展開が予想されます。しか
し、メキシコの構造改革への期待感や信用力の高さな
どを背景に、中長期的にはメキシコペソは新興国通貨
の中で優位性を保つと予想します。
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13年
14年
15年
*政策金利は発表日ベース
*消費者物価指数(前年比)は2012年1月~2015年2月
<メキシコペソは小幅下落>
メキシコペソ(以下ペソ)は、米国の利上げ観測と原
油価格の下落を受けて対米ドルで大きく下落して来ま
した。リーマンショック時の水準にまで下落したこと
から、11日には為替介入の実施(3月11日~6月8日
まで実施)が発表され、ペソは上昇に転じています。
政策金利の据え置きは予想通りであったため発表後の
ペソはほとんど反応しませんでしたが、その前に発表
された米国の経済指標が良かったため、前日比では小
幅 下 落 し て い ま す 。 26 日 の 海 外 終 値 は 1 米 ド ル
=15.14ペソ、1ペソ=7.87円となっています。
(2012/1/2~2015/3/26)
メキシコ政策金利
メキシコ消費者物価指数(前年比)
<メキシコペソ為替の推移>
10
(円)
9
メキシコペソ/円(左軸)
米ドル/メキシコペソ(右軸)
(メキシコペソ)
11
(メキシコペソ高)
13
8
7
15
6
(2012/1/2~2015/3/26) (メキシコペソ安)
5
12年
13年
14年
17
15年
<メキシコのGDP成長率の推移>
8
(2010/1-3~2014/10-12)
(%)
メキシコ実質GDP成長率(前年比)
6
4
2
0
10年
11年
12年
13年
14年
出所:Bloomberg
大和住銀投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号
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