国語(現代文) 千葉大学 国際教養・文・法政経学部 (前期) 1/3

国語(現代文)
千葉大学 国際教養・文・法政経学部 (前期) 1/3
<総括>
出題数
現代文1題・古文1題・漢文1題
試験時間
90分
民俗学者・柳田國男の文章からの出題。千葉大ではかねてから文芸評論・詩歌論・古典文学論などが多く取
り上げられており、今年もそうした傾向に適った出題だといえる。柳田の文章のなかでは読みやすい部類だ
が、独特の文体になじみにくさを感じたという受験生も少なくないだろう。ただし設問は、おおむね素直で
ある。かつてときおり出題されていた文学史問題が、今年はまた出題されている。
<本文分析>
大問番号
第一問
出
典
(作者)
柳田國男『口承文芸史考』
(1947 年)の一節。
頻出度合
・的中等
入試でしばしば出題される筆者の文章である。
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 約 3300 字 昨年より約 700 字減。
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
第一問
ジャンル 設問
設問形式
難易度
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
文学論
一
二
記述
記述
やや易
標準
三
記述
やや難
四(1)
記述
標準
(2)
記述
標準
五
記述
標準
六
記述
標準
七
記述
やや難
漢字の問題。例年どおり、読み書き合わせて 10 題。
抜き出し問題。指定された字数内で傍線部を「言い換
え」ている箇所を抜き出す。
傍線部にある比喩表現の意味を答える問題。どこまで
「具体的に」書けばよいのかで迷う。
指示語の内容説明。(2)で答える傍線部後半の内容と
の整合性を意識したい。
傍線部理由説明。
「そういうことをしない」ことが「研
究」に「有利」だといえる理由を説明する。
文学史問題。
『古事記』の語り部が女性だったという説
は一般的ではないので、戸惑った受験生も多いだろう。
傍線部内容説明。
「印刷」
「定本」についての記述をふ
まえ、文字で書かれた文芸の普及について答える。
傍線部内容説明。直前の「下染」の内容をふまえ、
「文
献」のみを研究対象とすることの問題点を説明する。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断
しています。
<学習対策>
過去には評論・随筆・小説などさまざまなスタイルの文章が出題されているので、文章のジャンルを問わず、
基本的な読解の練習を積んでおきたい。また、言いたいことを簡潔に表現する力を養成することも大切であ
る。語彙や文学史などについての知識問題もよく出題されているので、国語についての基礎的な知識を充実
させることも必要であろう。
© 河合塾
2016 年
国語(古文)
<総括>
千葉大学 国際教養・文・法政経学部 (前期) 2/3
出題数
現代文1題・古文1題・漢文1題
試験時間 90分
古文の学力を広く問うオーソドックスな出題であった。
<本文分析>
大問番号
第二問
出
典
(作者)
『梁塵秘抄口伝集』
頻出度合
・的中等
時折見られる出典である。この箇所も他大学で出題されたことがある。
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 約 730 字。昨年より 130 字減。
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
ジャンル
設問
設問形式
難易度
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
第二問
歌謡論
一
二
三
(1)
(2)
四
③
④
五
六
a
b
七
八
記述
選択
標準
易
現在の県名(
「美濃」
)
。
文法(
「せ」の識別。使役の助動詞を一つ選ぶ)
。
記述
記述
標準
標準
指示語の具体化。
内容説明。
記述
記述
記述
やや易
やや易
やや難
現代語訳(
「かたはらいたし」
)
。
現代語訳(
「おぼつかなく候ふ」
)
。
理由説明(傍線部が言い訳であることに注意する)
。
選択
選択
記述
記述
易
易
標準
標準
主語判定。
主語判定。
内容説明。
内容把握(院が本書を執筆した意図を説明する)
。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断
しています。
<学習対策>
単語・文法・古文常識などオールラウンドな古文の学力をしっかり身につけたうえで、文章を丁寧に読解す
る力を養成しておきたい。なお当然のことではあるが、記述の訓練も積んでおくこと。
© 河合塾
2016 年
国語(漢文)
千葉大学 国際教養・文・法政経学部 (前期) 3/3
<総括>
出題数
現代文1題・古文1題・漢文1題
試験時間 90分
昨年の日本漢文と異なり、本年は清代の文章が出題された。昨年同様随筆であったが、論理を重視する出題
傾向に変わりはない。設問は昨年までと同様三問で、現代語訳、書き下し文、説明(解釈)など設問の傾向
に特色があることは例年通り。問一の現代語訳は、指示語の内容を具体化することが求められ、問三の内容
説明は、傍線部に対応する内容を踏まえ、主旨と関連付けて説明する設問となっている。
<本文分析>
大問番号
第三問
出
典
(作者)
清・銭泳『履園叢話』
頻出度合
・的中等
稀。
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 153 字。昨年より 73 字減。
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
ジャンル
設問
設問形式
難易度
第三問
随筆
一
記述
標準
二
記述
標準
三
記述
標準
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
平易な現代語訳。
「此物」を「紫檀小棺材」に置き換
えてその内容を具体化すること。
「何…耶」の疑問形
がポイント。
全文ひらがなの書き下し文。
「不如意」の読みを文脈
の意味で判断する。
「毎」と「輒」の読み方に注意。
内容説明。袁守中の言葉を正確に読み取り、ポイント
を整理して簡潔にまとめる。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断
しています。
<学習対策>
現代語訳、書き下し文、説明(解釈)問題など、例年、設問に一定の特色があるので注意。基本句形、重要
単語などの知識が必須であることはいうまでもないが、硬質の評論・随筆をはじめ、様々なジャンルの文章
に対応できる読解力を養成する必要がある。設問の要求に応じた解答を作成する記述対策を怠らないこと。
特に現代語訳では、直訳ではなく、文脈に即した平易な言い換えを工夫するよう心がけたい。
© 河合塾
2016 年