ノバルティス ファーマ株式会社 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー http://www.novartis.co.jp MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2016年2月26日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 医療上の必要性の高い未承認薬 抗マラリア薬 アルテメテルとルメファントリンの 配合錠を国内で承認申請 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:ダーク・コッシャ)は本日、抗マラリ ア薬であるアルテメテルとルメファントリンの配合錠について、「合併症のない急性熱帯 熱マラリア」を適応症として、製造販売承認申請を行いました。 WHOガイドライン1において「合併症のない急性熱帯熱マラリア」の治療には、アルテミ シニン誘導体*と作用機序の異なる他剤を組み合わせた併用療法(artemisinin-based combination therapy、以下、ACT)が第一選択薬に位置づけられています。本剤はACTと して最も使用されている薬剤であり、過去18年間において60カ国以上で承認されています。 アルテメテルとルメファントリンは、いずれも赤血球内に侵入したマラリア原虫に対して 活性を示すことで、効果を発揮すると考えられています。 日本において本剤は未承認ですが、これまでに熱帯病治療薬研究班**が輸入し、本研究班 に所属する医療機関で使用されてきました。このような状況において、熱帯病治療薬研究 班より「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬」として本剤の小児および成人に対す る抗マラリア薬としての開発要望があり、2014年8月、弊社は厚生労働省より開発要請を 受けました。 ノバルティス ファーマ株式会社 取締役開発本部長である廣瀬 徹は次のように述べてい ます。「国内で報告されるマラリア患者さんは少数ですが、WHOガイドラインで第一選 択薬に位置づけられている本剤を日本の患者さんにお届けすることは、重要な使命である と考えています。ノバルティス ファーマは、これからも医療上の必要性の高い未承認薬・ 適応外薬検討会議の結果に基づく開発要望に真摯に取り組み、アンメットニーズにお応え することで日本の医療と患者さんに貢献してまいります」 *漢方薬の一種でヨモギ属植物(artemisia annua)の抽出化合物 **日本医療研究開発機構 感染症実用化研究事業(新興・再興感染症研究事業)「わが国に おける熱帯病・寄生虫症の最適な診断治療体制の構築」に関する研究班の略称。 熱帯熱マラリアについて マラリアは、メスのハマダラカの刺咬によりマラリア原虫が体内に侵入することによって 感染する原虫性の疾患です。マラリア感染の予防や制御などの対策が進み、年々マラリア 感染者数およびマラリアによる死亡者数は減少しているものの、現在でも世界最大の感染 症のひとつです。アフリカ、アジア、オセアニア、および中南米など、熱帯、亜熱帯地域 を中心に約100の国または地域で流行し、年間2億人以上が新たに感染し、43万8千人が死 亡しています2。 1/2 熱帯熱マラリア原虫に感染した場合には速やかに適切な処置を施さないと短期間のうちに 重症化するリスクがあります。重症化していない熱帯熱マラリアは「合併症のない急性熱 帯熱マラリア」と呼ばれています。 現在、日本で報告されるマラリアの患者さんは、すべて外国に渡航した際に感染した患者 さんです3。国内での患者数は2000年の154人をピークに漸減傾向で、最近では年間50~70 人前後で推移しており4、このうち熱帯熱マラリアの患者数は30~40人となっています5。 ノバルティスのマラリアに対するグローバルの取り組みについて ノバルティスでは長年にわたり、マラリアとの闘いに取り組んでいます。ノバルティスの マラリアに対する取り組みは、治療、アクセス、能力開発および研究開発に焦点を当てた 製薬産業で最大規模の医療へのアクセスプログラムの1つです。2001年以降、この取り組 みにより主に発展途上国の公的機関を対象に、7億5000万回分以上の治療薬を原価で提供 してきました(うち3億回は小児用治療薬)。詳細については、www.malaria.novartis.com (英文サイト)をご覧ください。 ノバルティス ファーマ株式会社について ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける 世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体 の2015年の売上高は494億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87 億米ドル)でした。ノバルティスは約119,000人の社員を擁しており、世界180カ国以上で 製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。http://www.novartis.co.jp 参考資料 1. 2. 3. 4. 5. Guidelines for the treatment of malaria. 3rd edition 2015, (Internet) Available at: http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/79317/1/9789241548526_eng.pdf (Accessed 13 January 2016) World Malaria Report 2015 (Internet) Available at: http://www.who.int/malaria/publications/world-malaria-report-2015/wmr2015-without-profiles.pdf?ua=1(A ccessed 13 January 2016) 国立感染症研究所 マラリアとは 2013年3月7日(Internet) Available at: http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/519-malaria.html (Accessed 13 January 2016) 国立感染症研究所 感染症情報センター 2012年2月25日現在 年別報告数(Internet) Available at: http://idsc.nih.go.jp/idwr/ydata/report-Ja.html (Accessed 13 January 2016) 国立感染症研究所 感染症情報センターInfectious Agents Surveillance Report 感染症発生動向調査におけ るマラリア報告症例の特徴2006年~2014年前期. Vo.35 p. 224-6 (2014年9月号) 以上 2/2
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