「アフィニトール®」、消化管または肺原発の 神経内分泌腫瘍に対する

ノバルティス ファーマ株式会社
〒105-6333
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号
虎ノ門ヒルズ森タワー
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2015年9月18日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
「アフィニトール®」、消化管または肺原発の
神経内分泌腫瘍に対する効能追加を承認申請
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:ダーク・コッシャ)は、本日、「アフ
ィニトール®錠2.5mg、5mg」(一般名:エベロリムス、以下「アフィニトール®」)につ
いて、消化管または肺を原発部位とする神経内分泌腫瘍の効能追加の承認申請を行いまし
た。この申請は、第III相臨床試験(RADIANT-4試験)の有効性データに基づくものです。
神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumors: NET)は身体機能を調節するさまざまなホルモ
ンを生成・分泌する細胞から生じる希少がんで、特に消化管、肺、膵臓に多く発生します1。
進行した消化管および肺NET患者さんの治療選択肢が限られている中、消化管NET患者さ
んの最大44%、肺NET患者さんの28%が、既に進行している状態、つまり、がんが転移し
て治療が困難となった状態で診断されます1,2,3。2010年に実施された全国実態調査の結果
によると、国内の消化管および膵NETの有病者数は、それぞれ8,088人(有病率6.42人/10
万人)、3,379人(有病率2.69人/10万人)、新規発症率はそれぞれ3.51人/10万人、1.27人
/10万人と推定されおり、近年、発症率は増加傾向にあります4。また,肺NETの患者数は、
原発性肺腫瘍の1%~2%と考えられています5。
「アフィニトール」は、抗悪性腫瘍剤として日本で初めて承認された経口のmTOR*阻害剤
で、がんの増殖、成長及び血管新生の調節因子であるmTORタンパクを選択的に阻害する
ことにより、腫瘍細胞の増殖抑制と血管新生阻害という2つのメカニズムで抗腫瘍効果を
発揮します。
「アフィニトール」は、膵NETに対しては既に有効性が確認されており、既に治療薬とし
て承認されています。今般、消化管および肺原発のNET患者さんを対象とした第III相試験
において、「アフィニトール」投与とベスト・サポーティブ・ケア(BSC:最適な支持療
法)を受けた患者さんで無増悪生存期間(PFS)がプラセボ+BSC群と比べて有意に延長さ
れたことから、「アフィニトール」の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請をしまし
た。
ノバルティス ファーマでは、NETの患者さんに新たな治療の選択肢をご提供できるよう
取り組んでまいります。
*Mammalian
Target of Rapamycin: 哺乳類におけるラパマイシン標的タンパク質
1/2
「アフィニトール®」について
「アフィニトール」は120カ国以上で承認されており、腎細胞がん、膵神経内分泌腫瘍、
乳がん、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞
腫に対する治療薬として使用されています。国内では、「アフィニトール®錠」の販売名
で、2010年1月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2011年12月に膵神経内分泌腫
瘍、2012年11月に結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫および結節性硬化症に伴う上衣下巨
細胞性星細胞腫、2014年3月に手術不能または再発乳がんを効能または効果として承認を
取得しています。また、「アフィニトール®分散錠」については、2012年12月に結節性硬
化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫を効能または効果として承認されています。この他、
現在、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、結節性硬化症に伴うてんかんを対象とした第III
相の国際共同治験に参加しています。
RADIANT-4試験について
RADIANT-4は、消化管または肺の高分化型進行性神経内分泌腫瘍の患者さん302名を対象
に、エベロリムス+ベスト・サポーティブ・ケア群と、プラセボ+ベスト・サポーティブ・
ケア群とを比較して有効性と安全性を検証した、第III相・前向き・二重盲検・無作為化・
並行群間・プラセボ対照・多施設共同試験です。対象となったのは、カルチノイド症候群
(またはその既往)がなく、過去6カ月以内に病勢進行が確認されている患者さんで、エ
ベロリムス(10mg)1日1回投与群またはプラセボ(連日経口投与)群に2:1の割合で無
作為割り付けされました。
RADIANT-4試験の主要評価項目は無増悪生存期間で、副次評価項目は安全性、奏効率、
全生存期間でした。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける
世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体
の2014年の売上高は580億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96
億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約120,000人の社員を
擁しており、世界180カ国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧くだ
さい。http://www.novartis.co.jp
参考資料
1. National Library of Medicine and the National Institutes of Health. Pancreatic islet cell tumor. Available at
http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000393.htm. Accessed May 2015.
2. Halfdanarson, et al. Pancreatic neuroendocrine tumors (PNETs): incidence, prognosis and recent trend
toward improved survival. Annals of Onc. 2008; 19: 1727-1733.
3. [Yao JC, Hassan M, Phan A, et al (2008a)] One hundred years after “carcinoid”: epidemiology of and
prognostic factors for neuroendocrine tumors in 35,825 cases in the United States. J Clin Oncol; 26:
3063-72.
4. [Ito T, Igarashi H, Nakamura K, et al (2015)] Epidemiological trends of pancreatic and gastrointestinal
neuroendocrine tumors in Japan: a nationwide survey analysis. J Gastroenterol.;50:58-64.
5. [Hage R, de la Rivière AB, Seldenrijk CA, et al. (2003)] Update in Pulmonary Carcinoid Tumors: A Review
Article. Ann Surg Oncol; 10(6):697-704.
以上
2/2