耐震改修優秀建築賞

耐震改修優秀建築賞
建築物名称
耐震改修工事竣工年月
耐震改修関係者
京都大学百周年時計台記念館
2003 年 11 月
国立大学法人京都大学
株式会社環境・建築研究所
清水建設株式会社関西事業本部一級建築士事務所
清水・大林・鹿島特定建設工事共同企業体
推薦理由
1925 年に竣工した京都帝国大学本館(京都大学時計台)は、建築家・武田五一の原設計による
鉄筋コンクリート造の建物で、以来、京都大学のシンボルであり続けた歴史的建造物である。お
よそ 80 年を経て、正面の本館(長さ 90m)と時計塔(高さ 31.5m)は、B1 階と1階の床下に新
設基礎とともに免震層を設けた免震レトロフィット構法と構造躯体補強による改修で保存・再生
され、背後は別構造の大ホール棟に改築された。この耐震改修は、大正期のゼツェッションの大
作において、その意匠性を尊重した軽やかで上品な空間を可能にしている。また、40m×22mの
無柱空間を存続し、交流ホールやサロンとして再生することで、歴史的建造物が多くの人々に「使
われながら保存される」ことを実現している。これは歴史的建造物の耐震改修が,単なる建造物
の価値保存に止らず、優れた意匠性とストック活用をもたらした好例であり、耐震改修優秀建築
賞に値すると考え、ここに推薦する。
京都大学百周年時計台記念館全景
竣工時
断面図
ホワイエ
免震部材配置図
基礎梁断面図
国際交流ホール
免震層