日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞 建築物名称 EKIMISE(エキミセ) 耐震改修工事竣工年月 2012 年 10 月 耐震改修関係者 東武鉄道株式会社 清水建設株式会社 東武谷内田建設株式会社 推薦理由 東武鉄道は 1899 年に北千住駅−久喜駅の間に開設されたことに始まり、現在は関東地方の北東部から北 西部の広い領域に多くの路線を持つ。吾妻橋駅−北千住駅が開通したのは 1902 年であり、隅田川の対岸の 吾妻橋駅は長く浅草駅として営業されていた。隅田川に悲願の橋がかけられ、1931 年 5 月に隅田川の東京 側に浅草雷門駅が開設された。その後ここは浅草駅と呼ばれ、それまでの浅草駅は吾妻橋駅と改名された。 このたび耐震改修された浅草駅ビルが竣工したのは、同じ年の 11 月である。吾妻橋駅は今では「とうきょ うスカイツリー駅」と呼ばれている。 浅草駅ビルは地上7階地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート構造、延床面積 3.5 万平米、昭和初期を代表 するネオ・ルネサンス様式の大規模建築物である。人々の建築への趣向は変化し、昭和 49 年(1974)には 建築物外装はそのまま、この全外周にアルミ製のルーバが取り付けられ、建設当時の面影は隠され長く使 われていた。 耐震改修にあたり、ホーム階の 2 階には車両の行き来だけでなく乗降客の行き来もあり、短手方向(張 間)に耐震壁の増設はできない、改修工事は運行時間を避けて深夜から早朝の短い時間帯に行わなければ ならないなど、多くの難しい課題を解決してこの設計・施工は進められた。ホーム階の柱には炭素繊維巻 き補強、ホーム下の柱を袖壁で補強し、長手方向(桁行)方向の外周架構の耐震補強は建物の外観に直接 関係するため、アーチブレースや外付け鉄板耐震壁をディテールに工夫しつつ組込み、昭和初期の面影を 美しく復活させた。 (文責:和田委員長) 建設当初の外観(昭和6年) 耐震改修前外観 耐震改修後外観 1 耐震改修概要 2階ホーム上耐震改修 2階ホーム下耐震改修 2
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