化学 II 最終演習問題(20160129)

化学 II 最終演習問題(20160129)
担当
学生番号
加藤
名前
問1 下記構造 A の電子対を動かして共鳴構造式 B に変化させる過程には共鳴構造式 C-E が介在する。
共鳴構造式 C-E の構造となるように下図に結合の線と負電荷を記載しなさい。尚、電荷が分離した
構造は含まない(A と同じ負電荷が一か所のみの構造だけ)。
以下の構造式 A
を矢印の方向から見た際のニューマン投影図 A に置換基を記載しなさい。
次に構造式 A の臭素原子と水素原子(Ha)がアンチ配座となるようにニューマン投影図 B に置換基を
記載しなさい。最後に、ニューマン投影図 B と一致するように構造式 B に置換基を記載しなさい。
問2
問3
問2の構造式 A の IUPAC 名を以下の手順に沿ってつけなさい。
3-1.
最優先官能基は?
3-2.
主骨格の炭素数は?
3-4. 最優先官能基と臭素原子の結合した
炭素の番号の和が最少となるように
炭素に端から番号をつけなさい。
Ha
OH
Br
H3C
H
3-6. 3-5 に置換基の名称と位置を追加し
て IUPAC 名を完成させなさい
1
H
3-3.
置換基である臭素原子の接頭
語は?
3-5.
3-1、3-2、3-4 より決まる主骨
格名は?
脱離反応は反応機構の違いにより E1 反応と E2 反応に区別されている。次の E2 反応の反応機構
に、電子の動きを示す矢印を書き込みなさい。
問4
問5
問1に関する以下の文章の空欄を埋めよ。
問8の E2 反応では最初に立体配座を変更している。これは E2 反応では脱離する〔
〔
A:
B 〕原子が〔
A
〕原子と
C 〕配座の関係から反応が進行する為である。
B:
C:
問6以下の文章の空欄を埋め、またフリーデル-クラフツのアシル化反応の反応機構に電子の動きを示す
矢印を書き込みなさい。さらに波線部で示した分子に対応する構造を、反応機構に記載された構造
から選び丸で囲みなさい。
ベンゼン環に対する求電子反応では、アルケンよりもベンゼン環の反応性が〔 A 〕ため、触媒を用
いて求電子性の強いカチオンを発生させ、そのカチオンとベンゼン環を反応させる。またアルケンとは
異なり求電子的な付加反応ではなく〔 B 〕反応が進行する。これはベンゼン環とカチオンが反応して
生成するカルボカチオン中間体に、求核剤が付加して芳香族性を失ったシクロヘキサジエン構造が生成
するより、〔 C 〕が引き抜かれてベンゼン環が再形成される方が〔 D 〕な生成物となるからであ
る。フリーデル-クラフツのアシル化反応は、ベンゼン環に対する求電子付加反応を利用した代表的な炭
素-炭素結合の形成反応の一つである。
A:
B:
C:
D:
フリーデル-クラフツのアシル化反応
2
問7
以下の反応に関する説明文の空欄を埋め、正しい生成物を選び記号を丸で囲いなさい。
6-1. 求電子付加反応は、アルケンが求電子剤に電子を与える反応であるため、二重結合の電子〔 ア 〕
が高いほど反応性が高くなる。アルキル基は電子〔 イ 〕性の置換基であるため、二重結合の電子
〔 ア 〕はアルキル基の置換数が〔 ウ 〕くなるほど高くなる。従って、分子内に複数の二重結合
が存在する場合には、アルキル基の置換数が〔 ウ 〕い二重結合から優先的に付加反応を起こす。
ア:
イ:
ウ:
6-2. ハロアルカンの脱離反応が E1 反応で進行する場合、まず〔 ア 〕原子がアニオンとして脱離す
ることでカルボカチオンが生成する。次に正電荷を帯びた炭素の隣の炭素に結合している〔 イ 〕原
子が求核剤(塩基)によって引き抜かれると共に、
〔 イ 〕-炭素間の結合に利用されていた電子対が正
電荷を帯びた炭素との間の結合に利用されることで二重結合が形成される。引き抜かれる〔 イ 〕原
子の候補が複数存在する場合には、生成物であるアルケンの置換基の数が〔 ウ 〕化合物が主として
生成する。これは置換基の数が〔 ウ 〕アルケンの方が安定な化合物であることが原因であり、この
脱離反応の選択性を〔 エ 〕則と呼ぶ。
ア:
イ:
ウ:
エ:
6-3. アルケンにハロゲン化水素が付加する場合、二重結合にまず水素イオン(H+)が付加することで
カルボカチオンが生成する。この際、生成するカルボカチオンの安定性は置換基の数に大きく影響され
るため、水素イオンは置換基の〔 ア 〕方の炭素原子に付加することで、より置換基の〔 イ 〕カ
ルボカチオンが生成するようにする。結果としてハロゲン原子は置換基が〔 イ 〕方の炭素原子に付
加することになる。このようなハロゲン化水素の配向性は経験則として知られており〔 ウ 〕則と呼
ばれる。
ア:
イ:
ウ:
3
6-4. ハロゲン化炭素とマグネシウム金属が反応して生成する有機金属化合物は〔 ア 〕試薬と呼ばれ、
カルボニル化合物と反応して〔 ア 〕反応が進行する。ケトンやアルデヒドのようなカルボニル基が
〔 ア 〕試薬による求核攻撃を受けるのは、カルボニル基の酸素原子の〔 イ 〕が炭素原子よりも
高いため、δ〔 ウ 〕に分極しているからである。またケト基とアルデヒド基では、アルキル置換基
の電子供与性や、アルキル基の立体障害の影響によりアルデヒド基の方が反応性は高い
ア:
問8
イ:
ウ:
以下の文章の空欄を埋め、また〔C〕反応の反応機構に電子の動きを示す矢印を書き込みなさい。
カルボニル基の特徴の一つに〔 A 〕互変異性がある。この特徴によりカルボニル基の隣(α位)の
炭素原子に水素原子が存在している場合、カルボニル化合物に水酸化ナトリウムのような塩基を作用さ
せると〔 B 〕と呼ばれるアニオンが発生する。〔 B 〕は酸素原子上に負電荷が局在した構造とカ
ルボニル基のα位の炭素上に負電荷が局在した構造との間の平衡状態にあるため、カルボアニオンとし
て作用する。そのため周囲に求核攻撃の対象となるカルボニル化合物が存在する場合、〔 C 〕反応と
呼ばれるエノラートイオンとカルボニル化合物の反応が進行して新しい炭素-炭素結合が生成する。
A:
B:
C:
〔C〕反応
4
問9
以下の反応の空欄に当てはまる選択肢を選び数字で記入しなさい。
選択肢
1)CH3I, K2CO3
2)H2O
3)Mg
5)
6)
4)Br2, AlBr3
問10
、AlCl3
以下の反応の空欄に当てはまる選択肢を選び数字で記入しなさい。
選択肢
1)HBr
2)H2O
4)CO2
5)
3)Mg
、H2SO4
5
6)H2O、H2SO4