A. 反応中の酸、塩基はどれか名称(化学式、日本語)を記す 酸 a NH4+(アンモニウムイオン), H3O+(オキソニウム) b H2O(水), HCO3-(炭酸水素イオン) c H2O(水), HPO42-(リン酸水素イオン) 塩基 H2O(水), NH3(アンモニア) CO32-(炭酸イオン), OH-(水酸化物イオン) PO43-(リン酸イオン)、OH-(水酸化物イオ ン) ブレーンステッドの酸・塩基の問題である。H+(プロトン)を出す物質が酸、受け入れる 物質が塩基である。酸+塩基⇌塩基(左辺の酸の共役塩基)+酸(左辺の塩基の共 役酸)であり、必ず2種類の酸と塩基が酸・塩基反応に関与する。 a) 左辺でH+はNH4+からH2Oへ移動しているので、酸はNH4+, H3O+, 塩基はH2OとNH3で ある(アンモニウムイオン、オキソニウムイオン、水、アンモニア)。 b)左辺でH+はH2OからCO32-に移動しているので、酸はH2O, HCO3-、塩基はCO32,OH-である(水、炭酸水素イオン、炭酸イオン、水酸化物イオン)。 c)左辺でH+はH2OからPO43-に移動しているので、酸はH2O, HPO42-、塩基は PO43-,OH-である(水、リン酸水素イオン、リン酸イオン、水酸化物イオン)。 平衡が、ほとんど右に偏っている場合、左辺の酸は右辺の酸より強い。また、左辺の 塩基は右辺の塩基より強い 強い酸 + 強い塩基 → 弱い共役塩基 + 弱い共 役酸 B)反応式を記述せよ a) 希硫酸に水酸化ナトリウム水溶液を加える b) 希塩酸に水酸化バリウム水溶液を加える c) 水酸化ナトリウム水溶液に炭酸ガス(二酸化炭素)を吸収させる d) 炭酸カルシウムに希塩酸を十分に加えると、気体を発生して溶ける e) 石灰水(水酸化カルシウム水溶液)に炭酸ガスを通じると、水溶液が白濁する f) 上記の白濁水溶液にさらに炭酸ガスを通じると、無色水溶液となる a H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O (等モルでの反応によるNaHSO4の生成 も可とします H2SO4 + NaOH→NaHSO4 + H2O) b 2HCl + Ba(OH)2 → BaCl2 + 2H2O c 2NaOH + CO2 → Na2CO3 + H2O(等モルでの反応によるNaHCO3の生成も可 としますNaOH + CO2 → NaHCO3) d CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2 e Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O f CaCO3 + H2O + CO2 → Ca(HCO3)2 a) H2SO4 + NaOH → NaHSO4 + H2O, NaHSO4 + NaOH → Na2SO4 + H2Oより H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O NaHSO4はNa2SO4に濃硫酸を加え冷却して得られる。Na2SO4 + H2SO4 → NaHSO4 b) 2HCl+Ba(OH)2 → BaCl2 + 2H2O 水酸化バリウムの水溶液(バリタ水 バリタ水)は強アルカリで、 バリタ水 空気中の炭酸ガスを吸収してBaCO3の沈殿を生じる。 c) NaOH +CO2→NaHCO3 (重曹 重曹、重炭酸ソーダ 重曹 重炭酸ソーダ: 重炭酸ソーダ 弱いアルカリ性、洗剤、フクラシ粉), NaHCO3 + NaOH → Na2CO3 + H2O 2NaOH +CO2→Na2CO3+H2O 重曹はNa2CO3+H2O+CO2→2NaHCO3で作成 d,e) ガスの発生や沈殿の生成を↑、↓で示すほうが良い e,f) Ca(OH)2 消石灰、水溶液は石灰水 石灰水 強アルカリ。 消石灰 炭酸カルシウム(CaCO3)は、炭酸ガスを含む水に溶解して炭酸水素カルシウム Ca(HCO3)2となる。 実験室で炭酸ガスを製造するには、炭酸カルシウムに酸を加える。 天然石灰石は多量の炭酸カルシウムをふくみ、鍾乳石の母体である。 C) 次の塩の種類(正塩、酸性塩、塩基正塩、複塩、錯塩)およびその水溶液は何性(酸性、 塩基性、中性)か 化 学 NaCl BaCl2 Na2CO NH4NO3 Ca(NO3)2 Cu(OH)NO AlK(SO4)2 NaHS [Ag(NH3)2]Cl O4 式 3 3 種類 正 正塩 正塩 正塩 正塩 塩基性塩 複塩 酸 性 錯塩 塩 塩 液性 中 中性 アルカ 酸性 中性 酸性 酸性 酸性 酸性 性 リ性 説明 加水分解によって生じる酸、 加水分解によって生じる酸、塩基の強さを判定する。 塩基の強さを判定する。 1. NaCl + H2O ≠> HCl + NaOH 強酸と強塩基であり、 強酸と強塩基であり、加水分解しない。 加水分解しない。溶液は中性 2. BaCl2 + 2H2O ≠> 2HCl + Ba(OH)2 強酸と強塩基であり、 強酸と強塩基であり、加水分解しない。 加水分解しない。溶液は中性 3. Na2CO3 + 2H2O → H2CO3 + 2NaOH 弱酸と強塩基であり、 弱酸と強塩基であり、溶液は塩基性 4. NH4NO3+H2O→ HNO3 + NH4OH 強酸と弱塩基であり、 強酸と弱塩基であり、溶液は酸性 5. Ca(NO3)2 + 2H2O ≠> 2HNO3 + Ca(OH)2 強酸と強塩基であり、 強酸と強塩基であり、加水分解しない。 加水分解しない。溶液は中 性 6. Cu(OH)NO3+ H2O →Cu(OH)2+HNO3強酸と弱塩基であり、 強酸と弱塩基であり、溶液は酸性 7. AlK(SO AlK(SO4)2+ 2H2O → Al(OH)3+KOH+H2SO4 8. NaHSO4+ H2O ≠>強酸と強塩基であり ≠>強酸と強塩基であり、 強酸と強塩基であり、加水分解しない。 加水分解しない。酸性塩で溶液は酸性 9. [Ag(NH3)2]Cl+ ]C + H2O →[Ag(NH3)2]OH+ HCl 酸 強酸 弱酸 HCl, HNO3, H2SO4 CH3COOH, H2S, H2CO3, H3PO4 塩基 強塩基 弱塩基 NaOH, KOH, Ca(OH)2, Ba(OH)2 NH3 D)次の反応は水溶液中で右に偏った酸塩基反応である a) H2O + NaOH ⇌ Na+(H2O) + OH− b) HCl + H2O ⇌ H3O+ + Cl− c) H3O+ + HCO3− ⇌ H2CO3 + H2O d) HCO3− + OH− ⇌ H2O + CO32− e) H2CO3 + CO32− ⇌ HCO3− + HCO3− ①. 酸と塩基はどれか, 反応 A B C D E 酸 H2O, Na+(H2O) HCl, H3O+ H3O+, H2CO3 HCO3−, H2O H2CO3, HCO3− 塩基 NaOH, OH− H2O, Cl− HCO3−, H2O OH−, CO32− CO32−, HCO3− 2. それらを強いものから順に並べよ 酸の強さ HCl > H3O+ > H2CO3 > HCO3− > H2O > Na+(H2O) 塩基の強さ 共役塩基は酸の強さの逆の関係にあるので Cl− < H2O < HCO3− < CO32− < OH− < NaOH なので、 順を逆(NaOH > OH−>・・)に記す NaOH> OH− > CO32− >HCO3− > H2O> Cl− E)次の反応で得られる塩の構造と種類(酸性塩、塩基性塩、正塩)を記す a) H2SO4 + NaOH →, b) b) H3PO4 + 3KOH →, c) c) HNO3 + NH3 →, d) d) HCl + Ca(OH)2→, e) CH3COOH + NaOH →, f) H2SO4 + Ca(OH)2→, g) H2CO3 + NaOH →, h)H2CO3 + 2NaOH→ 反応での係数に忠実に従って生じる塩を記す(溶液2種類を混ぜたとの記述ならば、 最も安定な塩を与える、a: Na2SO4, d: CaCl2, g: Na2CO3) 反応 構造式 a NaHSO4(等モル反応なのでNa2SO4は不可 0.5Na2SO4+0.5H2SO4+H2Oを 経てNaHSO4) b K3PO4 c NH4(NO3) d CaCl(OH)(等モル反応なのでCaCl2は不可, 2HCl+Ca(OH)2→CaCl2+H2Oな ら正塩) e CH3COONa f CaSO4 g NaHCO3( 等モル反応なのでNa2CO3は不可) h Na2CO3 種類 酸性塩 正塩 正塩 塩基性塩 正塩 正塩 酸性塩 正塩 F) 次の化学反応式を記す(酸塩基反応では、強酸、強塩基が反応して弱酸、弱 塩基を生成する。従って、弱酸と弱塩基を混合しても反応は生じないことに注意) a)炭酸カルシウムに希塩酸を十分に加えると、気体を発生して溶ける b)亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)水溶液に希硫酸を加えると気体が発生する c)炭酸水素ナトリウム水溶液に酢酸をくわえた d)酢酸ナトリウム水溶液に塩化アンモニウムを加えた a b c d 化学反応式 CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2↑ 2NaHSO3 + H2SO4 → Na2SO4 + 2H2O + 2SO2↑ NaHCO3 + CH3COOH → CH3COONa + H2O + CO2↑ CH3COONa + NH4Cl 反応しない
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