科学的認識の育成 仮説実験授業 理科教育はどのように始まったか • 自然科学教育は19世紀後半 • 実科学校や大学工学部も19世紀後半 • 日本は比較的早く小学校に導入 – 学制後の自由主義段階は盛ん – 事実の観察と自然愛に変質(現在にも影響) – 科学的合理性は軽視(テキスト) 理科教育の課題 • 理科教育の目的 – 「科学」的能力の涵養 – 自然への愛(学習指導要領)文部科学省の変遷 (テキストp95) • 理科嫌いの問題 – 小学校における理科苦手教師 – 教員養成は文科系→理科嫌いの再生産 • 理科専科か、担任か(担任の負担軽減) 科学教育とは何か • 科学を教育することとは – 科学的知識(科学研究によって確認された知識) を教えること? – 科学的に物事を考える能力を、科学的知識を学 ぶことを通して習得すること? • 科学の学習と科学研究者の研究とは – 基本的に同じであるべき? – 学習特有の方法で学ぶ? 理科の学力 • 理科の学力は低下したのか – 日本では学力調査が長く中断(よくわからない) – 理科嫌いが多いことは事実 何故だろう • • • • PISAの問題を解いてみよう。 全国学力テストの問題をみてみよう。 ふたつの学力観を検討してみる。 科学的認識は必要なのか。また何故か。 数教協(数学教育協議会) • 1951年設立 経験主義教育に反対 • 政府は、経験主義を放棄し、系統主義+管理 主義(学習指導要領の拘束化) • この統制と旧式の数学教育に反対 現代化 を志向 • 機関誌『数学教室』 数教協の理論 • 量の理論 順序数ではなく、集合数としてま ず理解する。 – 連続量の理解につながる。 – 桁の概念(タイル) • 水道方式 一般形を学べば、水が下に落ちる ようにあらゆる場合が簡単にできる。 • 関数の導入 仮説実験授業の基本的考え • 従来の「教育観」への批判 – 一人の百歩前進によって百人の百歩前進 – 自分が自分の主人公 – 間違える権利 • 科学教育としての特質 – 科学史を踏まえた発見的学習 – 実験による確認 – 誰でも手順に従って、楽しくわかる授業が可能 仮説実験授業の方法 • 教材を分野別に「系統的」に配列する。(学習指導 要領とは異なる。) • その系統性に沿って、学ぶべき知識とそれを確かめ る実験を配列する。 • それぞれの知識を確認するための「問題」を配置し、 過去の科学研究の歴史を踏まえた「選択肢」を3つ 程度与える。 • はじめに「選択肢」にそって意見分布をとり、その後 討論をする。 • 討論の結果を踏まえて、意見分布を再度とる。 • 実験で確認する。 仮説実験授業の意味 • 系統的に学ぶので、理解しやすいし、高度な ことを学ぶことができる。 • 過去の科学史を踏まえた選択肢が構成され ているので、「間違った意見」も説得力をもつ ことが多い。また、正しい選択よりも、相手を 説得することを高く評価するので、成績にか かわらず、討論に参加できる。 • コミュニケーションをとり、主体的な関わりを 成長させることができる。 仮説実験授業の困難 • 学習指導要領との齟齬 管理者の多くはやる こと自体を認めない。保護者等の不満(教科 書通りやってほしい) • 実験器具の調達
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