労働安全衛生法違反被疑事件の送検について - 千葉労働局

木 更 津 労 働 基 準 監 督 署
担
木更津労働基準監督署発表
当
平 成 28 年 1 月 14 日
署
長
次
長
電 話 番 号
(17 時 15 分以降)
花 坂 泰 秀
岩 瀬 和 夫
0438-22-6165
0438-22-6167
労働安全衛生法違反被疑事件の送検について
木更津労働基準監督署(署長 花坂泰秀)は、本日、下記の事件について、労働安全衛生法違反
の疑いで、千葉地方検察庁木更津支部に書類送検した。
事件の概要等は下記のとおりである。
記
1 被疑者
なかやまこうぎょう
(1)有限会社仲山 工 業
本店所在地
東京都江東区東砂五丁目 8 番 13 号
(2)同社 取締役 A(57 歳)
2 違反法条項
労働安全衛生法第 21 条第 2 項(事業者の講ずべき措置等)
労働安全衛生規則第 526 条第 1 項(昇降するための設備の設置等)
労働安全衛生法第 14 条(作業主任者)
労働安全衛生法施行令第 6 条第 15 号の 2(作業主任者を選任すべき作業)
労働安全衛生規則第 517 条の 4(建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の選任)
3 事件の概要
被疑者有限会社仲山工業(以下「被疑会社」という。)は、東京都江東区に本店を置き、鋼
構造物工事の請負及び設計施工業等を営む事業者、被疑者Aは、被疑会社の取締役で、被疑会
社が千葉県木更津市内で下請負人として施工するビル屋上広告塔(鉄骨製、高さ約 10 メートル)
の撤去工事の現場責任者として現場の施工管理及び安全管理を統括する者であるが、被疑者A
は、被疑会社の業務に関し、平成 27 年 9 月 8 日、同工事現場において、同社の労働者B(当
時 67 歳)に、塔屋上に設置した、高さ約 5.5 メートルの足場の作業床で看板の解体作業を行わ
せるにあたり、同労働者が安全に昇降するための設備等を設けることが容易であったのにこれ
を設けていなかったものである。
また、被疑者Aは、被疑会社の業務に関し、当該広告塔の解体作業を行うにあたり、建築物
等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習を修了した者のうちから建築物等の鉄骨の組立て等作
業主任者を選任していなかったものである。
その結果、労働者Bは、足場から約 10 メートル下の屋上面に墜落して、同日死亡した。
4 その他
(1)千葉労働局管内における平成27年の労働災害による休業4日以上の死傷者数は、平成27年
12月末日現在速報値で、4,318人であり、そのうち建設業は、514人と11.9%を占めている。
また、死亡者数は、37人(同期現在)、そのうち建設業は、37.8%の14人を占め、全産業の
中で最多となっている。
さらに、建設業における休業4日以上の死傷者数514人を事故の型別でみると、墜落・転落
が174人と最も多く、うち4人が死亡している。
(2)県内の各労働基準監督署においては、今後も建設業における労働災害防止のため、監督指
導を実施するとともに、重大悪質な事案に対しては厳正に対処していく方針である。
5 関係法令
労働安全衛生法第 21 条第 2 項(事業者の講ずべき措置等)
事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所、土砂等が崩壊するおそれのある場所等に係
る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
労働安全衛生規則第 526 条第 1 項(昇降するための設備の設置等)
事業者は、高さ又は深さが 1.5 メートルをこえる箇所で作業を行なうときは当該作業に従事
する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。ただし、安全に昇降する
ための設備等を設けることが作業の性質上著しく困難なときは、この限りでない。
労働安全衛生法第 14 条(作業主任者)
事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令
で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を
受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該
作業の区分に応じて、作業主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他
の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
労働安全衛生法施行令第 6 条(作業主任者を選任すべき作業)
法第 14 条の政令で定める作業は、次のとおりとする。
~中略~
15 の 2 建築物の骨組み又は塔であって、金属製の部材により構成されるもの(その高さが 5
メートル以上であるものに限る。)の組立て、解体又は変更の作業
労働安全衛生規則第 517 条の 4(建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の選任)
事業者は、令第 6 条第 15 号の 2 の作業については、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任
者技能講習を修了した者のうちから、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者を選任しなけれ
ばならない。