週間展望

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週間展望
2016年2月3日の週
You can imagine the forcast of next week's futures market
in only 5 minutes.
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発行日
2016年1月29日
(金)
【金】17日のFOMCでは予想通り政策金利は据え置いたものの、
市場の一部が期待していたような「利上げ停止」に関する言及は
なく、株価は急落した。声明文は特にサプライズを感じさせる内
容ではなかった。米国経済が昨年後半から原則しているため、
FRBも従来の強気路線を修正せざるを得なくなっており、年初来
の株式市場などに見られる市場混迷や中国等の新興国不安につい
ては査定中とされた。3月までに利上げ準備が整う可能性もある
が、当面は様子見のようである。中国の民間債務額は、日本のバ
ブル期を凌ぐGDP非150%相当の15兆ドルまで達している。そ
れを支えたのは国内の銀行融資と内外での社債発行であり、ドル
建て債務に関しては米国の量的緩和政策が支柱となった。共産党
にとって企業のデフォルト多発は雇用市場を直撃するため避けた
い事態である。しかし、企業を支えるためにつなぎ融資を継続す
れば、中国からの資本流出に拍車をかけ人民元安を加速させる。
人民元を買い支えれば中国の外貨準備は急速に減少する。そうし
たジレンマを見て投機家の中国売りが拡大する。このようなシナ
リオは言い古されたことであるが、今年もうまく中国政府が事態
を乗り切ることができるか保証の限りではない。S&P社は240社
の中国企業の15%を格下げ対象に置くとともに、年内のデフォル
ト数は二ケタに達するのは確実だと述べている。特に今年に入っ
て国営企業の財務状況悪化は深刻だと警告している。負債比率の
高い上位30社の債務水準合計はその年間利益の21倍に達してい
るという。そのため中国企業の社債市場の金利は上昇している。
仮に中国でデフォルトが多発する事態となれば金価格は上がるだ
ろう。金予想レンジNY価格 1100ドル〜1200ドル 東京金価
格 4200円〜4400円
[プラチナ]Anglo Platinum は今年の収益は減価償却やリスト
ラコスト、レイオフの費用等により昨年の7億8600万ランドか
ら▲92%減少して6000万ランド~1億3500万ランドに減少す
ると述べている。Lonmin社は、2015年の第4四半期に5077人
をレイオフし、労働コストを1億9400万ランド(約1190万ド
ル)削減したという。これは計画の84.6%であったとのこと。
2016年は7億ランドのコスト削減を召さしているという。同社
は昨年12月株価が1ペンス(約1.54円)に下落した。第4四半期
の同社のプラチナ生産量hあ17万1441オンス(役165キロ)で
ありストライキのあった前年同期比+22.6%増となったという。
Impala Platinum社のRustembur鉱山で1月22日、地下坑道で
火災が発生した。これに伴い4人の労働者が行方不明になってお
り、同鉱区の鉱山生産も停止している。インプラッツは同社の生
産に対する影響を評価するのは「時期尚早」としているが、プラ
チナ生産に影響があることは必至である。予想レンジ NYプラチ
ナ 850ドル〜900ドル 東京プラチナ3200円〜3600円
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Oil
【原油】NY原油価格は1月20日の26.19ドルを底値に、反転し
32.3ドルまで上昇している。寒波の襲来、ECBの金融緩和示唆、
イランの経済封鎖解除や米国の原油輸出解禁などの弱気材料が現
実化したこと、イラク外相によるサウジアラビアが軟化するとい
う発言に加え、クウェートのFuzaiaOPEC理事がOPECは減産
準備で協調する可能性があると述べ、更にロシアのNovak エネ
ルギー相がOPECと減産協議に参加する準備があると述べ、従来
の方針を180度転換させ日量200万バレルの減産を検討してい
ると述べている。こうした動きから空売りを過去最大まで膨らま
せていたファンドの売り残が、急速に買い閉じられているものと
思われる。減算決議を議題に臨時OPEC総会が開催されることに
なるかどうかのカギはサウジアラビアが握っているが、経常赤字
となった同国新政権指導者はどう対応するかが見守られている。
この時点でも空売りしている筋はかなり精神的な緊張を強いられ
ていることであろう。OPECのOil Market Report1月号は、
2016年の原油需要は前年比+125万バレル増の日量9417万
バレル、非OPECからの原油供給量は、OPEC諸国の天然ガス等
非原油からの供給量日量632万バレルを含んで日量6,253万バ
レル、差し引き3,164万バレルがOPECが今年生産すべき数量
と予想しているが、12月の生産量は3,139万バレルであり、こ
の時点で▲25万バレルの供給不足に転換している。もっぱら米
国やカナダ等のシェールオイルやオイルサンドの生産量が減少す
るためであるが、仮にこの数字が実態に近いなら、すでに原油は
供給過剰から供給不足に転換している。原油価格は今しばらく上
下動を繰り返しながら右肩上がりに上昇すると思われる。予想レ
ンジ NY原油価格 30ドル〜35ドル 東京原油価格20000
円〜30000円
【ガソリン】1月22日までの週の米国の石油製品出荷量は、前
週比日量+112万バレルと好調だった。ガソリンは▲13万バレ
ル、留出油は+32万バレルだったが、前年同月比ではいずれも
マイナスで、過去5年平均比では石油製品とガソリンが平均を上
回っている。昨年上半期は石油製品、ガソリンともに過去5年平
均を大きく上回っていたが、今年も年初から5年平均を上回って
いる。また北米に寒波が押し寄せており、暖房油の需要も増加し
ているものと思われる。
日本の石油連盟から1月23日現在の石油製品供給速報が発表さ
れた。実稼働率は90.9%で前週に比べ1.5%の減少となっている。
ガソリン生産は前週対比、前年対比ともに減少している。このた
め在庫は前週対比では大幅に減少している。荷余りによる業転市
場への流出を防ぐために減産を強化したという様相である。ケロ
シン関係は灯油が増産され、ジェット燃料は減産されている。灯
油は輸出されていることや寒波が襲来していることもあり在庫は
218万KLに減少している。ジェット燃料在庫は減産されている
こともあり前週対比では減少している。全般的には輸出ドライブ
を駆けて需給の均衡を保っているといえる。今後も稼働率を抑え
て荷余りを起こさないようにすることになりそうである。
予想レンジ NY改質ガソリン 1.0ドル〜1.2ドル 東京ガソリ
ン 35000円〜40000円
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【天然ゴム】東京ゴム価格は1月12日の144.5円から上昇し26
日158.3円を付けてから反落している。この間にタイ政府は市場
価格よりも高い45バーツ/キログラムで10万トンの天然ゴムを農
家から買い付けすることを決めた。また同時に150億バーツ(役
495億円)の予算を計上して天然ゴムの需要喚起策や、農家向け
の補助金やローンを提供することを決めた。しかし、こうした農
民迎合政策は、需給を調整する方向には向かっていないため、市
場は一時は上昇局面を見せたが、その後は次第に影響が希薄に
なっている。天然ゴム価格と東京原油価格は、2015年1月初めを
100とした指数では87.7と言う高い相関係数で正の相関をしてお
り、天然ゴムは原油価格の反発の影響を受けたが、天然ゴム自体
の情報はまだネガティブなものが多く、今後も価格は軟化するも
のと思われる。予想レンジ145円~160円
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Rubber
【上海天然ゴム】
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【トウモロコシ】シカゴトウモロコシ価格は1月7日の348.5
セントを底に上昇していたが、ここにきて横這いから反落と
なっている。中国国家穀物油糧情報センター(CNGOIC)は、
1~3月期の同国のトウモロコシ輸入成約が120万トンを超え
ると発表した。ただ、その約8割はウクライナ産であり、米国
産は1割に過ぎず、米国産トウモロコシにとっては弱気の材料
となっている。ロシアの農業当局は、トウモロコシと大麦の輸
出規制を検討していることを明らかにした。ルーブル安の影響
で穀物輸出が拡大する中、国内で飼料穀物が不足していること
が、食肉価格を押し上げていることに対応したものであり、当
初は小麦が輸出規制の対象になると言われていたが、その小麦
に関しては逆に輸出関税の引き下げ・撤廃が議論されているた
め、トウモロコシと大麦に関しては課税が強化される可能性が
高い。正式な決定は1月29日の会合の結果次第になるが、ロシ
ア産トウモロコシの輸出規制が行われれば、米国産トウモロコ
シにとっては強気要因となるだろう。南アフリカの穀物推定委
員会は27日、2016年のコーン作付が199万5150ヘクター
ル になるとの暫定予測を発表した。前年の265万2850ヘク
タールから▲24.8%の減少になる。ブラジルのトウモロコシ産
地は、マトグロソ州北部で今後5日間、恵みの雨が予報される。
高温で乾燥した天気によりRGDS州は土壌水分が減少している。
しかし、すでに受粉の時期は過ぎており、大きな問題はなさそ
うである。予想レンジ シカゴトウモロコシ 360セント~
380セント 東京トウモロコシ 22000円〜23000円
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【大豆】ブラジル・マットグロッソ州の農業経済研究所
(IMEA)が州内の2015/16年度産大 豆の作柄について行っ
た調査結果で、30%が不良あるいは非常に不良となった。昨年
末の報告で40%超としていたのを下回る。最もひどいのが北東
部というが、41%で、や はり前回の7割からダウン。一方、
良好および最高が29%で、前回の3割から下がり、 平均が
25%から41%に上がった。同州では雨が多すぎたようである。
反対に、アルゼンチンでは乾燥に対する懸念が高まっている。
アルゼンチンのブエノスアイレス穀物取引所は21日付クロップ
レポートで、2015/1 6年度の大豆生産が5800トンになると
の初回見通しを発表した。前年度に記録した過 去最高の6080
万トンから4.6%の減少になる。ただ、過去5年平均の5060万
トンは14..6 %上回る。今のところ大きな問題にはなっていな
ようである。中国税関総局が26日に発表した輸出入詳細データ
によると、2015年の大豆輸入は81 69万3953トンになり、
前年から14.42%増加した。12月だけで前年を6.94%上回る
911万 9844トンだった。ただ、1月28日には中国向けの米
国産大豆39万5,000トンの成約がキャンセルされるなど、高
値を嫌って米国産大豆の調達を南米産に切り替える動きも出て
いる。目先はここから流れが弱気に傾いてくると予想する。ア
ルゼンチンで乾燥に対する懸 念が高まってきたのは気になると
ころだが、ブラジルでは基本的に生育も順調、場合に よっては
1億トンを超える可能性もあるという大幅な生産増加観測は、
この先も大きな 相場の重石となり続けるだろう。予想レンジ
シカゴ大豆 850セント~900セント 東京一般大豆
48000円〜50000円
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日経225
【日経平均株価】29日の東京市場では午後に急速に上昇し、上げ
幅は一時600円に迫った。日銀が金融政策決定会合でマイナス金
利の導入を議論したと伝わると日経平均先物が買われ始め、日銀
が正式決定すると一段高となった。ただ、市場では「異例の政策
の実効性や副作用への懸念が残る」と先行き不透明感を指摘する
声もあり、日経平均が一時下げに転じるなど値動きの荒い展開に
なった。日経平均は朝方に1万6900円を下回る水準まで下げて
いたが、日銀の追加緩和を受けて円相場が一時、1ドル=121円
まで円安・ドル高に傾き、反騰した。
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【ドル/円】ドル・円は120円を挟んでもみあっている。
日銀によるマイナス金利導入を受けドル買いが強まり、
200日移動平均線付近の121円42銭まで一時上昇。邦
銀のある外為ディーラーは、マイナス金利導入について
「日米の金利差拡大で円安にはなるだろう」としながら
も「副作用が大きい政策で、これまでのような株高・円
安が続くとは思えない」と指摘。その上で、来週のド
ル・円のレンジを118円-121円50銭と予想する。な
お、ドル・円は118円50銭から121円42銭、ユー
ロ・ドルは1.0883ドルから1.0942ドル、ユーロ・円
は129円59銭から132円32銭で取引されている。
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円
Sidebar
【上海総合株価指数】年初から下落を続けている上海総合
株価指数は、1月4日の3296.2 から1月28日2655.6 と
▲640.6、▲19.4%下落している。
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