週刊テクニカル分析

週刊テクニカル分析
前号のおさらい:NY金の一目均衡表とトレンドライン
発行日
:
2015/7/31
前回のレポート
7月17日
前回7月17日発行のテクニカル分析において、「NY金は基準線と転換線がともに下向きとなり下落してい
る。下落トレンドはまだ続きそうだ。昨日の取引ではついに3月安値の1141ドルをわずかながらも更新した。
直近安値を割れてしまったことで今後は昨年の安値となる1130ドルの更新が視野に入っているだけでなく、
1100ドルを目指した動きに発展するかどうかに注目したい」と分析した。その後は1130ドルを割り込むと一
気に1100ドル割れ、24日には1072ドルまで下落した。1100ドルを超えて反発することもできず、下降トレ
ンドラインを超えるまでは再下落に警戒が必要だ。
TOPICs 平均足とパラボリック
平均足(コマ足)は、値動きのブレを排除してトレンドをわかりやすく捉えられるようにローソク足に修正を加えた
指標で、平均足を使うとトレンドを明確にとらえることが出来る。
平均足の算出方法は高値・安値はローソク足の高値・安値と同じで、始値と終値の計算方法が違う。始値は(前日始
値+前日高値+前日安値+前日終値)÷4、終値は(当日始値+当日高値+当日安値+当日終値)÷4となる。
平均足の注意点として、トレンド継続の途中で平均足が一時的なトレンド転換をすることがある。つまり、平均足に
一時的なダマシが起きることがよくある。このダマシを排除するため、その他のテクニカル指標を組み合わせる方法が
あり、平均足にパラボリックを組み合わせて分析するとわかりやすい。
パラボリックは、J.W.ワイルダー氏が考案したSAR(Stop And Reverse)という指標を使用して、相場のトレンド転
換点を計るトレンドフォロー型の指標で、常に買いか売りのポジションを持つ「途転(ドテン)」(買いのポジションを
持っていたらそれを売り閉じると同時に売りのポジションを持つこと)のシステム。
パラボリックは価格が長期間にわたって一方向に動く場合に有効で、この二つの指標を組み合わせることで、平均足
のダマシを排除することができる。
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TOPICs 金市場を平均足とパラボリックで見てみよう
NY金
NY金はさらなる下落に警戒
NY金は平均足が
一度陽転したものの
パラボリックは以前
下落のままで再度下
落する可能性が高
い。パラボリックが
陽転した場合には反
発することが予測さ
れるが、基本的には
下落トレンドのた
め、昨年安値の
1130ドルから
1150ドル付近に抵
抗帯があり、そこま
での反発に留まるこ
とを念頭に置いて取
引したい。
東京金
東京金は一段安か
東京金は平均足は
陰線のまま実体部分
が大きくなりさらに
下落することが予測
される。24日安値
の4285円を更新す
ると下落が加速する
こととなる。反対に
パラボリックが陽転
した場合には、長期
にわたり支持線と
なっていた4450円
~4500円前後まで
反発することが考え
られる。しかしNY
と同様に基本は下落
トレンドのため、再
度の下落に警戒が必
要だ。
- 2 -
TOPICs 他市場はどうか
東京白金
東京白金は一旦反発上昇か
東京白金は平均足
の陽転とともにパラ
ボリックも上昇のサ
インへと変化した。
一度反発することが
予測される。まずは
前回の戻り高値とな
る4149円が目標と
なる。そこを超えた
場合には支持線と
なっていた4200円
台まで上昇すること
となるだろう。しか
しながら下落トレン
ドが続いているた
め、再度の下落のサ
インとなったときに
はすぐに途転売りと
なる。
東京ガソリンは反発の流れか
東京ガソリン
東京ガソリンは平
均足が陽転し、パラ
ボリックも上昇のサ
インと変化してい
る。7月13日高値
の57840円がまず
は目標となるだろ
う。これを早々に更
新した場合には抵抗
帯となる62000円
前後までの反発も予
測される。長期的に
は下落トレンドだ
が、今年に入ってか
らは揉み合いが続い
ており、レンジ内で
の上下が想定され
る。
- 3 -
東京ゴム
東京ゴムは再び下落の流れに
東京ゴムは7月中
旬にかけて反発し
ていたが、220円
を前に失速し、パ
ラボリックも下落
のサインへと変化
した。ここから一
気に安値更新も考
えられる。平均足
が陽転した場合で
もダマシとなる可
能性が高く、その
ような状況では戻
り売りのチャンス
となる。
今後の予想
今週は平均足とパラボリックを利用し分析した。
金市場は下落トレンド。NY・東京ともにパラボリックは下落のサインのまま推移しており、さらなる下落を警戒する
必要がある。パラボリックが陽転した場合には長い間支持線となっていた価格帯までの戻しが予測される。
東京白金はパラボリックが陽転している。一旦反発することが予測され、4149円を上回れるか注目したい。反発せ
ずに横ばいとなった場合には再度下落する可能性が高い。
東京ガソリンは平均足が陽転し、パラボリックも上昇のサインと変化している。7月13日高値の57840円がまずは
目標となるだろう。
東京ゴムはパラボリックが下落のサインへと変化した。ここから一気に安値更新も考えられる。平均足が陽転した場
合でもダマシとなる可能性が高い。
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