週間展望

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週間展望
2014年1月26日の週
You can imagine the forcast of next week's futures market
in only 5 minutes.
Precious Metals
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発行日
2015年1月23日
(金)
【金】1月初めからNY金価格は+9.6%、東京金価格は+6.8%
上昇している。この要因はユーロ安によるユーロ資産を持つ資産
家がユーロ以外の資産に移し替える動きを想定したものであり、
昨日のECB理事会における量的金融緩和の決定がその止めとなっ
ている。ECBは毎月600億ユーロずつ2016年9月まで買い入れ
るといい、その後も継続されるとのことで、総額1兆1400億
ユーロというが、事実上無制限の買入れである。ユーロドルは21
日から▲2.2%以上値下がりし、米ダウ平均株価は+259.70ドル
高の17813.98ドル、日経平均株価は+182.78ドル高の
17511.75円となった。今後の要因としては25日のギリシャ総
選挙、及び1月27日~28日に開催されるFOMCが金価格を左右
するものと思われる。ギリシャ総選挙は22日の事前予想では、野
党・急進左派連合(Syriza、シリザ)が支持率を伸ばし、与党と
の差を一段と拡大した。
メトロン・アナリシスによると、シリザの予想得票率は36%、サ
マラス首相率いる与党・新民主主義党(ND)は30.7%。両党の
差は5.3%ポイントと前回の4.6%ポイントから拡大した。ECB
の国債買入銘柄からギリシャは除外されており、急進左派が勝利
するとギリシャ国債金利が上昇し、財政の資金繰りが難しくなり、
EUの支援無しではギリシャ国債のデフォルトもあり得ることにな
る。こうした事態は金価格の上げ要因となる。一方米国労働省に
よれば、12月の消費者物価指数(CPI)の前年比の伸びが約5年
ぶり低水準にとどまった。原油価格の下落が主な要因で、年内の
利上げを想定する米連邦準備制度理事会(FRB)にとっては複雑
な状況だ。12月のCPI(季節調整済み)は、前年同月に比べて+
0.8%の上昇で、年率の伸びは11月の+1.3%から鈍化し、
2009年10月以降で最も低い水準となった。これはFOMCが利
上げを先延ばしする理由となる。そうしたニュアンスがFOMCで
出されれば、これも金価格の上昇要因となる。一方、ドル高が反
転して円高になれば、円建て金価格は下落要因となる。予想レン
ジ 1250ドル~1350ドル、東京金4500円~5000円
[プラチナ]12月30日付のGFMSによるプラチナ需給見通しで
は、最近のプラチナ価格の動きからして2015年のプラチナ価格
は下落すると見ている。昨年の半年に及ぶストライキの影響で、
また未解決の問題が山積しているが、2015年のプラチナ鉱山の
生産量は反動的に増加すると見直している。ただ、2013年以前
の水準には達しないという。ジンバブエ政府は、非精製プラチナ
の輸出禁止措置を緩和するものと見ている。スクラップの発生量
は2014年には増加し115万オンス(35.6トン)となり、欧州
と米国で発生量は増加傾向となるだろうという。世界のプラチナ
生産量は、前年比+24トン増の217トン、需要は前年比+15ト
ン増の238トン、需給バランスは▲20トンの供給不足であるが、
在庫からの供給が12トンあるというもの。それでも価格は前年の
平均1385ドルから▲35ドル下がり1350ドル平均となると予測
している。ちなみに1月22日のNYプラチナ価格は1284.3ドル
である。南アの国国営電力会社Eskomは、昨年12月時点では2
~3月にかけての電力需給逼迫リスクを指摘していた。最新報告
では1月15日から少なくとも4月にかけて電力需給の綱渡り状態
が続くとの、より厳しい評価に変わっている。もっとも、現時点
では白金鉱山の操業に具体的な影響が生じている訳ではない。予
想レンジ NYプラチナ価格1250ドル~1350ドル、東京プラチ
ナ価格4800円~5000円
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Oil
【原油】NY原油価格は44ドル近辺で横ばいとなっている。
EIA(米エネルギー情報局)は2014年から16年の原油需要を前
年比+日量90万、+100万、+103万バレル増加してそれぞれ、
日量9,139万、9,239万、9,342万バレルとなると予測し、世
界の原油生産量は、前年比日量+202万、+67万、+54万バ
レル増加し、それぞれ日量9,218万、9,297万、9,351万バレ
ルになるという。増加の大半は非OPEC諸国で、前年比日量+
202万、+37万、+53万バレルである。需給バランスは、
2014年は前年から日量78万バレルの供給過剰、2,015年は日
量58万バレルの供給過剰、2016年は9万バレルの供給過剰と
なると見ており、2,016年にはほぼ需給はバランスするという。
一方ファンドの建て玉は、この1ヶ月ネット買い残が1週を除い
て6週間連続して買いが増えている。一方売り残も16万6千枚ま
で12月初めから約5万枚増加している。空売りが買い戻されて
いるわけではなく、売りが増えてそれ以上に買いが増えていると
いう状態である。OPEC諸国の国家歳入に占める原油の割合は低
い国でも60%以上で、販売量の拡大がなければ価格の下落はも
ろに減収となって国家財政を圧迫する。外貨準備を頼りに当初は
価格下落も辞さずと強気の姿勢を示していたサウジアラビアも
40ドル台が続くと減収に国家財政が耐えられなくなってくる。
こうした状況を見ると原油価格の下落はそろそろ終わりに近づき、
サウジを初めとするOPEC諸国は何とかして価格を上げようと対
策を練るものと思われる。そうした動きからショートポジション
が買い戻されて価格が反騰するものと予想している。予想レンジ
NY原油価格45ドル~50ドル 東京原油価格 36000円~
45000円
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【ガソリン】1月16日までの週の米国の原油在庫は前週の+
538万バレル増に引き続き+1007万バレル増と大幅に増えた。
これは石油精製設備の稼働率が、前週の91%から85.5%に
▲5.5%も大幅に落ち込んだためと思われる。ガソリン在庫も+
58万バレル増だが留出油在庫は▲327万バレル減少した。米国
の石油製品出荷量は、石油製品が前週比+98万バレルと好調
だったが、ガソリンは▲2万バレル、留出油は+58万バレル増
であった。過去5年比ではそれぞれ+6.6%、+5.5%、+
22.5%と良い状態となっている。日本の石油連盟発表の週末在
庫(11~17日)は、前週比+4.5%の175万2,966キロリット
ル。推定出荷量は+7.8%と上振れしたが、90万812キロリッ
トルでは在庫取り崩しを促すのは難しい。資源エネルギー庁が発
表した19日時点のレギュラーガソリン平均価格は1リットルで
前週比▲3.0円安の139.6円と大きく値下がりし、2年5ヶ月ぶ
りに130円台に突入した。しかし、需要を大きく刺激するよう
な動きは見られず、需給要因からは特に積極的に仕掛ける必要性
は見出せない。当面原油価格の動向次第となっているが、原油価
格が反発すれば、ガソリン価格も上昇するだろう。予想レンジ
NY改質ガソリン価格 1.20ドル~1.30ドル。東京ガソリン価
格50000円~55000円
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【天然ゴム】天然ゴム価格は1月6日の215.5円から下落し、21
日には190.9円の安値を付けたが、その後反発して195.9円まで
戻っている。タイでは中国政府との間に20万トンの天然ゴム輸出
契約を締結する運びだが、同時にロシアとも8万トンの輸出協定が
なされる見込となっている。中国汽車工業協会の発表によると、
2,014年の自動動車販売台数は前年比+6.9%増の2,349万台、
生産は +7.3%増の2,372万台となった。景気減速の影響で年初
の予測である+8~10%増には届かなかったが、販売台数は2位
の米国(1,652万 台)を大きく上回り、6年連続となる世界トップ
を保持した。ただ、天津市、深セン市、杭州などでは交通混雑か
ら販売台数を制限する動きが出ており、今年は少し翳りが見える
かもしれない。今後ウィンタリングに入り、産地の生産は減少す
る。予想レンジ 195円~205円
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Grain
【トウモロコシ】USDAの週間輸出検証高(1月15日
の週)は74万7,634トンとなり、前週の50万1,625ト
ンから大きく上振れした。日本、コロンビア、メキシコ
などに高水準の輸出が報告されており、今のところ米国
の輸出は好調である。一方、南米の生産は好天に恵まれ
ている。 国際穀物理事会(IGC)は世界穀物需給の月次
報告で、2014/15年度のコーン生産を 9億9200万ト
ンと見越していることを発表した。昨年11月の前回報
告時の9億8200万ト ンから引き上げ、前年の9億
9100万トン(修正値)も上回る。IGCは15/16年度の生
産が7億100万トンに減少するとの暫定見通しを発表、
減少とはいえ依然として高水準 にあり、世界市場にお
ける需給の弱さに変化はないとの見方である。シカゴト
ウモロコシ価格は、400セントを挟んで横ばい状態であ
るが、当面は強気の見方を刷る要因は見当たらない。予
想レンジ シカゴトウモロコシ 370セント~400セ
ント。
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【大豆】米農務省(USDA)によると、1月20日には
中国向けに17万4,000トンの成約キャンセルが報告さ
れている。単発的な動きの可能性もあるが、南米産の
ハーベスト・プレッシャーが本格化する時期が近づく中、
中国が米国産から南米産に調達先をシフトし始めた可能
性が警戒される。ただ、翌21日には中国向けに17万
6,000トンの大口成約が報告されたため警戒感は弱まっ
た。例年米国産の中国向け成約契約がキャンセルされる
動きが活発化するため、大豆の短期需給見通しに対して
は緩和圧力が強まり易くなっている。 国際穀物理事会
(IGC)は世界穀物需給の月次報告で、2014/15年度
の世界大豆生産 が3億1200万トンと過去最高を記録す
る見通しを示した。前年から9.9%の増加で、ま た主要
生産地の上方修正に伴い従来見通しの3億800万トンか
ら上方修正。
世界消費見通しは300万トン引き上げて3億トンとし、
前年比にすると6.8%の増加に なる。貿易量を1億
1600万トンとみており、中国需要の増加を理由に100
万トン引き上 げた。期末在庫は4000万トンから4200
万トンに改定し、主要輸出国に限れば300万ト ン引き
上げた。予想レンジ シカゴ大豆 950セント~1050
セント。東京一般大豆 51000円~53000円
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【砂糖】ブラジル政府がガソリン税の引き上げを発表、エタノー
ル需要 が増加するとの見通しを手掛かりにポジション整理の買い
戻しが加速した。対ドルで ブラジルレアル高が進んだことも下支
えとなった。3月限は夜間の時間帯から先週の 流れを継いだ買い
が先行、15セント台半ばまでレンジを切り上げての推移が続いた。
ブラジル政府は、2月1日からガソリンとディーゼル油の税率を引
き上げることを決定した。石油価格が急落する中、増税を行って
も消費者からの不満の声は高まらないと判断した模様。これに
よって、相対的にエタノールの価格競争力が向上することになり、
サトウキビからエタノールを生産比率が上昇するとの見方が、砂
糖相場を押し上げている。
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【砂糖】予想レンジ NY砂糖 15セント~16セント
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Sidebar
【LME銅価格』
LME銅価格は上海銅価格下落の影響を受けて昨年7月25日
の7185ドルから1月14日の5545ドルまで、▲1640ド
ル、▲22.8%下落している。ほぼ6年ぶりの大幅下落と
なっている。世界経済の成長率見通しを世界銀行が引き下
げたことで、供給過剰を解消する需要が見込めないとの観
測が強まった。 銅価格はロンドンで一時8.7%下落したほ
か、上海では1日当たりの値幅制限いっぱいまで下げた。
世銀は13日、世界経済が今年3%成長になるとの予想を示
し、昨年6月時点の予想(3.4%成長)を下方修正した。
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