楽読 (ラクヨミ) 2015年4月13日 Vol.946 個人投資家の動きにも変化の兆し ~企業変革や経済の好循環に高まる期待~ 円相場は1米ドル=120円を挟んで小動きながら、日経平均株価が4月10日に一時、約15年ぶりに2万円台 を回復するなど、足元で日本株式の堅調ぶりが目立ちます。こうした中、4月に相次いで設定された日本株式 投信に、下がらない相場にしびれを切らしたかのように大量の資金流入があったことが注目を集めました。 日本では、1990年代初めのバブル経済崩壊以降、株価低迷が長期にわたり続いたことなどを背景に、株高 は長続きしないとの見方が強まり、長期投資で大きな成果を狙うより、相場が下げれば押し目買い、上がれば こまめに売って利益を確定するという「逆張り」の動きが個人投資家の間で拡がりました。しかし、足元の株価 上昇局面で日本株式投信の大型設定が相次いだことは、日本株式が長期投資の対象として見直され始めて いることを示唆しているとみられます。その主な背景として、ROE(自己資本利益率)の目標設定や、増配・ 自社株買いといった株主還元の積極化が相次いで発表されるなど、デフレ環境下で資金を手元に積み上げ てきた日本企業が、インフレへの転換が進む中、資金の有効利用に動く姿勢を鮮明にしていることが挙げ られます。こうした企業変革の動きは、機関投資家向けの行動規範「スチュワードシップ・コード」(2014年2月 策定)に続き、企業のあるべき行動を記した「コーポレートガバナンス・コード」が今年6月に導入されるのに 伴ない、今後一層、加速すると期待され、内外の注目を集めることでしょう。また、今春の労使交渉で主要 企業を中心に賃上げが拡がり、経済の好循環実現への期待が高まったことも、大きな一因とみられます。 企業変革や経済の好循環は、それ自体が株価上昇を牽引する要因と考えられます。加えて、逆張り志向 だった個人投資家が今後、長期志向の資金を日本株式市場に投入し続ければ、投資家層の厚みが増し、 持続的な株価上昇を支えることでしょう。また、日本の個人投資家が自国株式への投資に前向きになることは、 日本の変化を示す象徴だとして、海外投資家が日本株式投資を拡大する契機となる可能性も考えられます。 株価と円相場の推移 (2009年1月4日~2015年4月10日) 250 日本株式投信の資金流出入額の推移 8,000 220 日経平均株価 先進国株式 新興国株式 225 (2008年12月30日=100として指数化、左軸) 200 6,000 (億円) (2013年4月~2015年4月) (円) 22,000 ご参考:日経平均株価*(右軸) *月末値、2015年4月は10日のデータ 190 194 4,000 183 資 金 18,000 2,000 160 入 16,000 0 14,000 130 資 -2,000 金 12,000 流 150 為替は横ばい でも、日本株式 は急上昇 100 先進国株式:MSCIワールド指数 新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数 (いずれも米ドル・ベース) 50 円高 0 円安 20,000 (円) 流 出 -4,000 100 -6,000 円相場 (対米ドル、右軸) 月次資金流出入額**(左軸) 10,000 株価上昇が続く中、 **ETFおよびインデックス型を除く公募株式 僅か7営業日で 8,000 投信(15年3月、4月は単位型を除く)、 大量の資金が流入 15年4月は9日までのデータ -8,000 6,000 13年4月 13年10月 14年4月 14年10月 15年4月 11年 12年 13年 14年 15年 投資信託協会のデータなど、信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 70 09年 10年 ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1
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