世界の主な株価指数の算出方法

制度・事例
1.証券取引所と上場制度
2.発行と流通
3.アメリカ合衆国の主要株式市場
4.集計株価
5.東証株価指数
1.証券取引所と上場制度
株
式
• 株式とは株主の権利を表すもの
• 金銭的評価に基づいて売買される
• 株式保有主体同士で自由に売買できる
証券取引所
• 株式売買の自由が保障される
• 株式の金銭的評価を行う
• 需要・供給が一点に集められる
1.証券取引所と上場制度
流通株式市場
証券取引所
JASDAQ市場
特別法人から株式
会社形態へ移行
後述
上場銘柄の株式の
オークション取引
取引や業務内容に
ついて管理・監督
後述
1.証券取引所と上場制度
東証が株式売買高の95%を占める
•大半の企業は東証一部上場を経営の目標としている
•優良企業が東証一部に集中
•東京証券取引所以外の取引所の
取引量の低下・流動性の低下
1.証券取引所と上場制度
上
場
• 株式市場では一定の銘柄のみが取引対象となる
• 未上場企業の株式を株式流通市場で売買するこ
とを株式公開
• 証券取引所で株式公開することを上場という
メリット
• 直接金融による
資金調達が可能
• 事業展開がしや
すくなる
デメリット
• 敵対的買収
• 株式代表訴訟
1.証券取引所と上場制度
上場審査
上場後円滑な流通が確保できるか否か
発行会社に安定した経営基盤
があるか否か
発行部数・株式所有分布・売買高
純資産・利益・配当
上場企業
有価証券報告書の提出
会社情報の公開
1.証券取引所と上場制度
三大証券取引所
大阪証券取引所
• 第一部・第二部ならびに新興企業向けのヘラクレス
(前ナスダック・ジャパン)で構成
• JASDAQの親会社、 デリバティブ取引が盛ん
•日本での先物取引シェア60%、オプション取引は100%
名古屋証券取引所
• 第一部・第二部ならびに新興企業向けのセントレックスで構成
• 取引シェアは0,2%と非常に小さい
1.証券取引所と上場制度
流通株式市場
証券取引所
JASDAQ市場
特別法人から株式
会社形態へ移行
後述
上場銘柄の株式の
オークション取引
取引や業務内容に
ついて管理・監督
後述
JASDAQ市場
店頭株式会社として相対取引を行う
金融ビッグバン
JASDAQ市場として独立
マーケットメーカー制
それぞれ特定の銘柄のマーケットメーカー
となった証券会社が「気配値」を投資家に
提示
現在では廃止され、オークション制に移行
2.発行と流通(証券会社との関連)
株式の発行
1. 会社を設立する場合
2. 必要に応じて発行する場合(増資)
会社の設立
1. 発起設立・・・少数の発起人のみの出資で設立されるもので、
設立は確実であるが集められる資金に限界がある。
2. 募集設立・・・不特定多数の出資者から資金を募れるが、募
集完了まで時間がかかり、資金不足となった場
合設立できないという事態が発生する。
株式の発行
の機能
•
•
資金調達機能
流動性の回復
3.アメリカの主要株式市場
アメリカ主要株式市場
ニューヨーク
証券取引所
世界最大の取引量
NASDAQ市場
1975年株式市場の委託手数料の自
由化
証券取引所集中義務の撤廃
→アメリカの証券ビッグバン
上場銘柄の株式の
オークション取引
取引や業務内容につ
いて管理・監督
マーケットメーカー制
ベンチャー企業向け
世界最大の株式市場
4.集計株価の仕組み
株価指数・・・ある銘柄群の株価を様々な方法で平均化し標準
化したもの。個別の銘柄の動きではなく株式市場
全体の動きを示す指標
株価平均
株式指数
浮動株基準
株式指数
時価総額加重
平均株式指数
・ 「ダウ式平均株式指数」と呼ばれる
・ 組入銘柄の株価合計を銘柄数で除算して求める。
・
日経平均株価.日経ジャスダック平均株価.ダウ平均株価で採用
マーケットに上場されている各銘柄の
浮動株のみを指数の評価対象にする指数
・組み入れ銘柄の時価総額合計を基準となる
・一時点での時価総額合計で除算
・東証株式指数・S&P500・NASDAQで採用
4.集計株価の仕組み
<世界の主な株価指数の算出方法>
* ピンク・・・時価総額加重型 青・・・株価平均型
東京証券取引所HPより
4.集計株価の仕組み
日経平均株価(日経225)
特徴
・東証一部に上場している銘柄のうち225銘柄を対象
・全体の流れをつかむ株価指標として使用される最も代表的な指標
・銘柄の権利落ちや銘柄の入れ替えなどがあっても連続性が保たれる
メリット
・各業界・業種の流動性の高い銘柄を採用しており、
株式市場の動向を敏感に伝える指標
・株式分割の影響を受けない
デメリット
・銘柄数が少ないため値がさ株の影響を受けやすい
・2000年度の大幅入れ替えによって、連続性が保たれなくなった
・上場銘柄は2500銘柄以上あるので225銘柄では市場全体を明確に表せない
4.集計株価の仕組み
4.集計株価の仕組み
東証株価指数(TOPIX)
特徴
・銘柄数は約1700銘柄
・一部上場銘柄のすべてを対象するため市場全体の動きを明確に表す
・増資や上場銘柄数の変化を影響したもの
メリット
・特定業種・企業の株価の動きによる影響を受けにくい
・低価格大型株の影響を受けるという問題を解決
デメリット
・株の持ち合いにより時価総額のダブルカウントが起きやすい
・超大型株や銀行株の影響を受けやすい
・株価分割を推し進める企業の影響力をうけ、
高株価のままの企業の影響が受けにくくなる
4.集計株価の仕組み
日経平均株価(日経225)
日経平均株価=(225銘柄の指数採用株価合計)/ 序数
指数採用株価合計 =
株価
×
(50/みなし額面)
新序数 = (前日の序数)×
(前日の株価合計 -新株落ち分)/
前日の株価合計
日経平均株価(日経225)
東証株価指数(TOPIX)
TOPIX =
(対象銘柄のその日の時価総額)/
(基準(1968年)時点での時価総額)
×100
4.集計株価の仕組み
ダウ平均株価
ダウ・ジョーンズ社が1896年に12銘柄による平均株価として開発し
たもの。1928年からは現在の形の30銘柄から計算した平均株価である。
これらの30銘柄は世界的に活躍する超優良銘柄である。
SP500
アメリカの代表的な株価指数。スタンダード・アンド・プアーズ社がニューヨーク証券取引所、
アメリカン証券取引所、NASDAQ登録の合計500銘柄について時価総額加重平均方式で算出
する株価指数。
FTSE100
イギリスを代表とする株式指数。ロンドン証券取引所に上場されている株式のうち、時価総額
の大きい100社を対象として構成される株価指数。時価総額加重平均で算出された指数でロ
ンドン証券取引所とフィナンシャル・タイムズ社によって作成。
5.株式投資に関連する各種指標
PER(Price Earning Ratio,株価収益率)
1株当り利益と株価を比較する指 標。株価をEPS(1株当り当期純利益)で割って求める。PER
は、株価がこの企業の何年分の利 益に相当するかを示している。
PBR(Price to Book Value Ratio, 株価純資産倍率)
1株当たり純資産(簿価)の何倍ま で株価が買われているかを示す倍率。これが1を割り込ん
でいるかどうか、つまり1株当り純資産が株 価を割り込み、株価が企業の解散価値をも下回っ
たかどうかというような観点から、株価の割安度の目安として使われる。
ROE (Return on Equity、株主資本利益率)
株主の持ち分である株主資本をいかに有効に活用して利益を上げているかを見る投資尺度であ
る。税引後利益を株主資本 (自己資本)で割って計算する。持続的企業成長力は(ROE-配
当性向)で表せることから、企業の成長性を測る場合には、必ず着目される株式指標。